甲辰(きのえたつ)の年に気をよくした理由。

12の動物が巡る干支については馴染み深いものがあり、年頭の挨拶でもよく引き合いに出される。きっと、仕事始めの日に、日本中で繰り広げられる賀詞交換会の代表挨拶でも、登り竜の勢いに乗りましょうとか、竜は唯一架空の動物なので、などのフレーズが展開されたに違いない。

一方で、十干にまで触れる祝辞もあることだろう。甲(きのえ)はその先頭に立つ。木火土金水(もっかどごんすい)に兄(え)と弟(と)があって、その掛け合わせで「きのえ」。ちなみに甲子園球場の由来は、十干十二支のそれぞれの先頭どうしを掛け合わせた「きのえね」の年に建設されたのは、知る人ぞ知る有名な話。月火水木金土と並びが違って、木から始まるのはなぜだか、また調べておくとしても、10あるうちの1番目であることは確かだ。

木と兄と龍と。長男として、木材にまつわる仕事を引き継いだ自分が生まれた年はそうだったんだと60年目にして気づき、感慨深いものがある。歴史や暦に造詣の深かった祖父は、その時何かを感じてくれていたに違いない。

さてもう1回と、巡りくるのは120歳の年。人生100年時代でも2割の上乗せが必要だ。さすればこの甲辰の年。今日が最後であっても悔いなき一日を積み重ねていこう。カウントアップで目指すゴールを、108から120に上方修正するかは別として。

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