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「働き方改革」と言われて久しいが、いったい何をもって「働き方改革」と言われているのか。その先にめざすものは、どのような状態なのだろうか?

その意味合いが、曖昧模糊としてはっきりしない中で、言葉だけがひとり歩きすることはよくある。
私にとって「働き方改革」という言葉は、その1つだった。
だから、「働き方改革」という言葉を耳にしても違和感を覚えることが多かったし、自身でもあまり使ってこなかったように思う。

先日、たまたま手に取った働き方改革に関する書籍*では、働き方改革を次の3つに分けて捉えられていた。

①政府の政策としての「働き方改革」
②コンサルタントやシステム会社が人事関連の商品を売るための謳い文句としての「働き方改革」
③各会社に合った形で、労働者の働きかたを今よりもより良くするという個別の会社における「働き方改革」

同書によると、
・ この3つは共通点や重なる部分はあるものの、必ずしも同じ意味ではない。
・ ①の政府の政策をすべて取り入れたとしても、必ずしも③の個別の会社にお ける従業員の働きかたが良くなるとは限らない。
・ ②においても、①に重点を置いたものもあれば、③を目指すものもある。 
 また、各社の事情を介さずに画一的なサービスを進めてくる場合もある。
とのこと。

それを踏まえた上で、同書では①に焦点を当てる。なぜなら、法改正や罰則を伴うもの、ガイドライン等で指針が示されるだけのものなど混在しており、会社の限られたリソースで対応するためには優先順位をつけることが必要だから、という。

スタンスがはっきりしていて、実に分かりやすいと感じると共に、わたしたちが組織開発的なアプローチで取り組むことは③につながるように思えた。

改めて「働き方改革」の書籍を探してみると、働き方改革関連法への対応についてのものが多いようだ。

同時に、自分のことで気づいたことがある。
「働きかたを改革して、会社を良くしていきましょう」と謳いつつも、③につながる気配を感じないときや③が意識されていないと感じるときに、「働き方改革」という言葉にモヤモヤしていたんだなぁ、と。

一方で、各社の事情に合わせて、そこで働く方々が働きやすくなるように、本気で取り組みを重ねてこられた方々もいらっしゃる。
そういう方にとって、ひとり歩きする「働き方改革」という言葉は、どのように映っていたのだろうか。
訊いてみたい気持ちが湧いてきた。

*川嶋英明,改訂版「働き方改革法」の実務,日本法令,2019

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