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ユーザーの声を聴く_#5_ユーザーとの向き合い方

前回は調査を実施するためのユーザーの集め方にフォーカスを当てた内容でした。
著者がユーザー調査の専門会社ということがあり、社内で完結させたり、資金に余裕のないスタートアップ期にはちょっと向いてないかもな?と思っていますが読み進めていきます。

今回は「本番直前の心構え」です。
文字数:約2,000

参考図書

第4章 ユーザーと向き合う~いざ本番、セッションの中の落とし穴~

28 心構えその1 <早口の質問が時間を食う>

①事務手続きや注意事項は時間外に伝える

②ラポール作りにかかる時間はゆずらない
・ユーザー調査の文脈では、互いに信頼し合い、遠慮なく心を開いて語り合える関係をラポールという

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P190~P192

29 心構えその2 <緊張に立ち向かう>

・モデレーターの緊張は必ずユーザーに伝染する
①ユーザーの目に映る自分をチェックする
・モデレーターが本来意識しないといけないことは、ユーザーからの視線
・ユーザーの視線を和らげるためにもラポールが肝心でありその第一歩として自分の振る舞いがユーザーにどう映るかを気にかける

②緊張していることをユーザーに伝える

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P193~P196

30 ラポール形成その1★ <ユーザーが緊張する>

・ユーザーの緊張がほぐれずラポール作りに手間取ることはよくある
・ユーザーの緊張を和らげる対策
①(プロトタイプが)壊れても大丈夫と伝える
・調査の中で何か触ったり使ってもらう場合には壊れても問題ないことを伝える
・予備を準備しておくと良い

②正解はないことを伝える
・ユーザーは評価されることに緊張することが多い

③何を言われても傷つかないと宣言する
・モデレーターはともかく、エンジニアは実際ユーザーの声に過敏に反応してしまう
エンジニアは強力な確証バイアス(自分が思った結果になると思う)に負けてしまうこともあるので、なるべくエンジニアをモデレーターにしない

④笑わせる
・ユーザーの笑顔が見えたらラポール完了と思って良い

⑤後ろめたい気持ちの可能性を考える
・後ろめたい気持ちがありそうと感じたら、「アンケートに何か間違えて回答した箇所ありますか?」と聞いて、嘘のない正直な調査に近づける

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P197~P202

32 ラポール形成その3 <聴く姿勢>

①ラポールが出来た後も油断しない
・雑な言葉遣いや慣れ慣れしい話し方などはしない
同じユーザーに繰り返し調査依頼するときもラポール形成を心がける

②同じ質問を繰り返さないようにメモを取る

③共感できない話も興味を持って聴く

④嘘はつきとおす、できないなら嘘をつかない

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P206~P210

33 ラポール形成その4★ <ユーザー同士の調和>

・ユーザーと1対1であればユーザーとの間にラポールが形成されれば済むが、グループインタビューの場合は「ユーザー一人ひとり」と「グループ全体」のラポール形成と維持が必要

①他人に合わせたり違う意見を探したりする必要はないことを伝える
・グループインタビューの場合は、ユーザーは自分の発言が他の人と比較されたり、評価されると感じてしまう
他の人の意見に合わせたり、逆に無理して違う意見を言おうとする必要もなく、多数決で勝敗を決めるものでもないことを伝える
・ただし人にはバンドワゴン効果(みんなが良いというものを無思考で良いと思うこと)があることは理解しておく

②冒頭でユーザー各自の発言スタイルを探る
グループインタビューの目指す姿は井戸端会議であり、似た価値観を持つ参加者が好き勝手に意見を言い合い、共有することが目的
・冒頭の10〜15分で参加者のパターンを把握し、最初に発言を促すのに適した人をピックアップする

③遅刻者がいても約束の時間に終える
・もっとも意識すべきはグループ全体のラポール

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P211~P216

<第4章 ユーザーと向き合う Part1所感>

まだまだ本番に行きませんでした。
多くのお客様に協力いただくユーザー調査を円滑に進め成功を収めるためには何よりも準備ということが分かりました。

今回も全部ではありませんが、一部今後リファレンスカスタマーと向き合う際に知っておくと良いテクニックがありました。

ラポール形成が必要って簡単に言うけど、具体的にどうするのさ、ってとろこを解きほぐして説明してくれていました。



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