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祈り (春の星々140字小説コンテスト応募作品②)

この細い糸の一本一本がどれほどの旅をして来たのだろう。
精錬を終えた絹糸を前に
失敗できないと気を引き締める。
日本茜から頂く赤は太陽の色、祈りの色。
流れてきた多くの時間と生命を想う。
「あぁ…いらっしゃったのですね…」
静謐を乱してしまうのをおそれ
私は息を止めたまま綛を澄んだ染液に浸す。


https://x.com/hoshiboshi2020/status/1774389502028685605?s=46&t=FQS_dtbZt-a5p6y5pA0DqA

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