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イミテーションを戦略に入れ込む方法〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

第17章 競争市場における成長の促進、今回はイミテーション戦略です。

「スマホ業界のマーケット・リーダーは?」と聞かれると、

「アップル」と答える人が多いと思います。

でも、販売台数だけで見ると世界1位はサムソンです。

iPhoneを生み出したアップルはイノベーターですし、販売台数で抜かれてもやはりマーケット・リーダーはアップルだと思います。

しかし、サムソンの折りたたみスマホはアップル製のデザインに少し飽きが来たという消費者の心を掴んでいますし、全くのモノマネだけではありません。
フォロワーだったサムソンは技術的には十分に追いついていると言えるでしょう(私自身はアップル信者なのでサムソン製品の技術がどの程度かはよく知りませんが。。。)

マーケティングの重鎮であるセオドア・レビット教授は”製品イミテーション戦略は、製品イノベーション戦略と同じくらいの利益を生む可能性がある”と主張しています。

なぜイミテーション戦略は利益を生めるのか?

それは、イノベーターが市場を作るために投資をしてくれているからです。

リーダー企業は製品を開発して、市場に流通させ、プロモーションをするために多大な投資をします。

ですから、イノベーターとして高い価格で販売することができても投資回収には時間がかかります。

フォロワーはそれらの投資をせずに市場に参入するわけですから価格は安くても利益を上げることができるのです。

では、フォロワーが絶対お得なのか?というとそうではありません。

イノベーター企業は市場に早期に参入することでブランド力を構築しますし、その他の要素でも追随者が参入しにくくなる参入障壁を設けることもできます。

では、イミテーション企業はどのような戦略が必要となるでしょうか?

マーケットフォロワーの戦略

フォロワーも当然、既存顧客の維持と新規顧客の獲得に努めなくてはなりません。そのためには選ばれるだけの優位性を持たなくてはなりません。
優位性を保つ手段としては、サービスの質、立地、低コストなどがあげられます。
例えば、技術的にリーダーよりも低くみられている場合は、製品保証とったサービスを厚くすることで補うことができるでしょう。

戦略を持って成長の道筋を描くことが重要です。
では、フォロワーにはどういったタイプがあるのでしょうか?

フォロワーの3つのタイプ

フォロワーには次の3つのタイプがあります。
クローナー:リーダーの製品、ネーム、パッケージに少し変更を加えて模倣します。
イミテーター:一部をコピーしていますが、パッケージ、広告、価格設定、土地などに違いを残しておきます。
アダプター:取り入れたり改良したりします。例えば、日本でよく売れている製品をアメリカの企業が取りれて販売するような感じです。当面は競合しませんが、いつか日本に参入するかもしれません。

知財には最大の注意を!

フォロワーとカウンターフィター(偽造者)は全く異なります。
技術特許やデザインなどの商標といった知的財産に抵触することは絶対に避けてましょう。

まとめ

日本からイノベーションが生まれない、という話をよく聞きます。
もしかするとイミテーションの先にイノベーションってあるのかな、って読みながら思いました。
ゼロイチを生み出そうって力入れ過ぎずに、競合の良いところをうまく真似ていいもの作るって姿勢も大事ですよね。元々、日本企業の得意分野ですしね。


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