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第8回 消費者行動分析 7つのO

こんにちは。今回から消費者行動の分析について書きたいと思います。

「顧客を知ること」

自分の商品を使ってくれる消費者がどこで商品のことを知って、何と比較して、どこで買って、どうやって使っているのか。

これを知ることで、マーケターがするべきことが明確になってきます。

今回はコトラーのターゲット市場の消費者行動を理解するためのツール「7つのO」についてです。

7つのO(オー)

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以前にセグメンテーションについて書きました。

7つのOのフレームワークを用いることで、ターゲットとしたセグメントの理解を深めて、場合によっては、異質性を見つけ出すことでより狭めたセグメントに特化した戦略を導くことができます。

このフレームワークに入れてみることで、見逃していたことを発見することもあります。

フレームワークの目的は、見逃しているものを見つけだすための整理ツールです。そこから何を発見するか?が重要です。発見がなければ、ただ単に事実を箱に埋めただけになってしまいます。

上の7つのOも自社製品について事実を埋めるだけなら簡単に思えるかもしれませんが、より深く考えることで新たな洞察を得ることができるかもしれません。

事例として、女子向けの洋服ブランドのレピピアルマリオを考えてみたいと思います。

なぜこのブランドかというと、自分自身が娘の買い物でちょくちょく消費者として立ち寄っているからです。

1 Occupants (主体):誰が市場を構成するのか

標的とする市場の性別、年齢などのデモグラフィック属性、社会的、経済的な属性、ライフスタイルなどによる違いを深掘りします。

*レピピアルマリオの場合、”ファッションでちょっと背伸びをしたい女子中学生”とあります。一般的に公立の小学校だと私服ですので、利用機会からみると小学5,6年生頃の方が利用機会は高いと見ることもできるかもしれません。この年齢くらいから親が選んでくれたものから自分で選んだものへと変わる年代です。できるだけ早い段階でファッションへの意識を目覚めさせて、成長に従ったファッションへの興味のタネを蒔く必要があります。

2 Objects (客体):何を購入するのか

購入対象によって購買行動は異なります。消費財なのか耐久品なのか。実際に手に取ってみたいのか?3のObjectivesにもつながりますが、何を買いたいと思っているの製品のカテゴリー、特性を見直ししてみます。

*レピピアルマリオの場合、洋服やアクセサリ等の小物です。これらは単品では良さが伝わらないことがあります。コーディネーションがされた時にどう映えるのか?それが製品の価値となります。

3 Objectives (目的):なぜ購入するのか

消費者がどういったニーズがあるから買いたいと思うのか?目的を問うことで、隠されたアンメットニーズに気づくことができます。

*なぜ、レピピアルマリオの服を買いたいのか?今までお母さんが買ってきていたユニクロやイオンではダメなのか?10代前半の女子の世界では、同性の友達との同調意欲が強い傾向にあると思います。友達どうしで遊んでいる時にかわいいねと言われたいという承認欲求が優位にありそうです。それだけに、個人の意見も大事ですが、店頭のディスプレイや店員さんのおすすめは有効であると考えるべきでしょう。

4 Organization (組織):誰が購入に関与するのか

商品の購入に誰が関与するのかは重要なポイントです。家族みんなで使うのか?誰の財布から支払われるのか?それぞれの役割を理解する必要があります。

*小中学生ファッションの場合、自分でもらったお小遣いで買うこともあるでしょう。でも、圧倒的に多いのは親(もしくは祖父母)が買い物について来て支払いもするケースでしょう(はい、私です。)ということは、親がその服を子供が着ることを容認できると思ってもらう必要があります。以前に娘が他のブランドのLovetoxicというブランドが好きだったのですが、私はずっと違和感がありました。だって、Lovetoxicって訳すと、どうしても”恋愛中毒”って意味になってしまうんですよね。だから、そんな名前がついたシャツを自分の娘が着ているのが違和感しかなかったです。(好きな方が読まれたら申し訳ないです)でも、結局、流行っているからという理由で私の違和感なんて意味は無かったです。。

5 Occasions (時期):いつ購入するのか

いつどんなタイミングで買うのか?購買頻度、時期、月日など。タイミングを知ることです。

*洋服の場合は、季節ごとというのがはっきりとしたところですが、他にも学校の行事(修学旅行や夏休みなど)などでの私服を着る機会などもタイミングになります。

6 Outlet (販路):どこで購入するのか

店舗もしくはネット/オンライン。店舗で見てからネットで買うのか、ネットで情報を集めてから店舗で現物を見て購入するとか、実際の購入場所のオプションが多様化しています。

*ティーン向けのファッションブランドは、成長期ということもありサイズも変わり、現物を見て試着して比較したいという思いもあり、店舗での購入が多いのではないでしょうか?まぁ、ZOZOみたいところで買うケースも多いでしょうし、それぞれの対応が検討できるでしょう?

7 Operations (活動):どのように購入するのか

消費者が何をきっかけに購入を思い立って、どこで情報を集めて、比較、選択をしているのか?商品の露出を高める場所を明確にします。

*女子向けの雑誌というのはオーソドックスな方法です。最近は小中学生もスマホを持っています。情報の収集にスマホを活用するケースは多いです。ただ、子供向けのスマホはペアレントコントロールがしっかりと行われていますので、ただ単にSNSやWEBで情報を掲載してもターゲットには届きにくいというハードルはあります。親と子供を繋ぎつつ商品情報を伝えることができれば良いツールにはなると思います。いかに無害に必要な情報だけを伝えるのか知恵を絞る必要はありそうです。

まとめ

いかがでしょうか?

オーソドックスなフレームワークですが、改めて使ってみると発見もあると思います。また、自分が普段買い物するときに当てはめて考えみるのもエクササイズになるでしょう。ぜひ、色々と試してみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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