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お客さんに正しいモノサシをあげよう! シャンパルティエ効果-行動経済学の理解と実践36

大きな施設を表現するときに、よく甲子園球場何個分とか、東京ドーム何個分って言いますよね。

でも、甲子園球場がどのくらいの大きさか答えられる人って少ないですよね?

甲子園球場は約38,500㎡、東京ドームは約46,755㎡なんだそうです。

とにかく大きいことを表現したいときに、甲子園何十個分っていうんですけど、そんなに大きいと他にもっといい比較対象あるじゃない?って思ってしまいます。

今回は、イメージによって重さや大きさに対する印象が変わるシャンパルティエ効果についてです。

シャンパルティエ効果とは?

シャンパルティエ効果とは、重さの感覚が視覚的に見える大きさの影響を受けて物理的な重さの等しいものでも体積の小さい方が重く感じてしまうことです。

1kgの鉄球と1kgの綿を見て、1kgの鉄球を重そうだと感じるようなことを言います。

シャンパルティエの由来は、この効果を広めたフランスのシャンパルティエ医師の名前から来ているそうです。

以前にフレーミング効果の説明をしましたが、似ていますよね。

シャンパルティ効果は、重量や体積の錯覚についてであり、フレーミング効果は視点の違いによる人の印象の変化ということみたいですが、マーケターがその差を厳密に言っても意味はあまりないでしょうね。

マーケティングへの活用:正しい物差しをあげよう

表現の仕方で印象が変わるので広告表示などこの効果を使って、グラム表示をミリグラム表示にするといった実例が、シャンパルティエ効果として紹介されることが多いですね。

他にも、しじみ何十個分のオルニチンとか、レモン何個分とか、いろいろとサプリ関連で多いです。

これって、マーケティング的にはちょっとお客様を欺くとまでは言わないまでも背徳感を感じる方もいると思います。

そういった効果はあるのは事実ですが、やはり顧客志向に立ったマーケターとしてはもう少し踏み込んだ方がいいです。

例えば、「キャベツ*個分の植物繊維」とした場合、ではキャベツ100gには1.8gの植物繊維が含まれていて、ガイドラインでは成人は1日24g以上の摂取が推奨されているというところまで丁寧に説明してあげることができれば、顧客視点に立ったコミュニケーションが取れていると言えると思います。

まとめ

物質の印象から引き起こされる体積と重さの錯覚をあらわすシャンパルティエ効果について説明しました。

顧客の錯覚を利用するのではなく錯覚されないようにしっかりと顧客にモノサシを示してあげることが、顧客満足と高める上でも重要だと思います。


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