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”ハレの日”アイテムをメニューに入れる意義とは? 極端回避性-行動経済学の理解と実践51

懐かしい友人と久しぶりに会うことになり小洒落た感じのレストランを予約しました。

ワインを注文しようと思い、ウェイターにワインリストを見せてもらいました。

リストには20種類くらいのワインがずらっと並んでいますがそんなに詳しくはなくよくわかりません。

一番安いワインが3千円台くらい。次に5千円前後が多く、そして、1万円弱のワインが並んでいます。そして、一つだけ別格のワインがあります。

そのワインだけ桁違いに高いのです。

ワインに詳しくなくてもこれが”美味しいワイン”であることは値段を見ればわかります。

一番高いワインはさすがに手が出ず、それでもせっかくの友人との会食の場に安っぽいワインもなんなので、上位ランクの8千円のワインをオーダーしました。

そして、心の中でにいつか”ハレの日”にこの店の一番高いワインを飲んでみたいな、と思うのでした。

この話は架空ですが、あるあるだなと思いませんか?

なぜ、8千円のワインを注文したのか?

その答えは、この店の一番高級なワインにあります。

この記事は、この答えを説明する極端回避性についてです。

極端回避性とは?

極端回避性とは選択肢の中で両端にあるような極端な選択をすることにリスクを感じて選択を避けることを言います。

この法則は、選択肢が多すぎると決定を回避してしまう決定回避の法則とも関性が強いものです。

上のワインリストの例ですが、最高級のワインを頼んでもらえればお店としては当然有難いことです。でも、ちょっと小洒落たくらいのお店でそんな高いワインを頼む人が少ないこともわかっているはずです。

でも、もしこの最高級ワインがリストに無かったらどうでしょう?

8千円のワインはお店の中でもかなり高級ランクに位置してしまいます。

その場合、5千円程度のワインに注文が集中するということは十分にありえます。

つまり、最高級ワインの存在が8千円のワインを注文することのためらいを和らげる役目を担っているのです。

では、とにかく最高級グレードをメニューに入れて、一番売りたい商品を2番手以降に並べればいいのか?と思うかもしれませんが、そうではありません。

当然ながら、ダミーとして高級品を並べるべきではありません。

上のワインの例のように、顧客はいつか特別の日に”最高級品を楽しんでみたい”という願望を抱いてお店に来てくれます。

そんな”ハレの日”用のアイテムはしっかりと注文した人が後悔しないようなものにしてあげる必要があります。

決定回避の法則でも述べましたが、商品アイテム数の多い嗜好品の場合は、顧客が選択に困らないようにする必要があります。

その方策の一つとして、極端回避の法則を活用した両極端に選ばれにくいアイテムをあえて加えてみることを検討してみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。


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