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第2回 ジャングルぐるぐるMAX (SG:100mile)

【トレランレース】概要


ジャングルぐるぐるMAX(SG)
100mile(160km)のカテゴリーに
出場して無事完走しました

トレランをはじめてはや3年
念願のマイラーになることが出来ました

40km一周のコースを
1・2・3・4周回のいずれかを選択し
ぐるぐる回り続けるラウンドレース

ネーミングとは裏腹に
そこは奥武蔵が舞台
中々過酷で鬼のようなコース

4周回は11人しか出場してないし
ローカル感満載だけど
アットホームな感じで
とても素晴らしいレースでした

エイドに着くたび
芸能人にでもなったかのような
あたたかい拍手と声援

再出発を後押ししてくれる元気な激励
見えなくなるまで拍手でお見送り

33時間もの間一人で走り続けているので
ボランティアのみなさんの応援は
とてもありがたく感謝しかありません

キツすぎて2度と出ないと思ってたけど
一日経つとぐるぐるロス・・・
また来年も出場してたりして

目標のTW彩の国マイル完走に向けて
大きく前進できました

それにしても
奥武蔵は景色がなくて最高
大好きです


【備忘録】



ジャングルぐるぐるMAX(SG:4周回)
2022年10月22日-23日(晴れ)

160km 33:16′37″ D+9,400m
4位 / 11人 完走:4人(完走率36.4%)


大会探していたら
奥武蔵で100マイルの大会を発見
調べると第2回大会のようだ

第1回大会は2020年
ただしレース中滑落事故が発生して
途中中止だっだらしく
レースの詳細があまりわからない

同コースのナイトラン試走会があったので
とりあえず参加してみた

コースは馴染みのあるオクムな感じ
TW彩の国やFTRと一部コースがかぶる
運営によると100マイルエントリー状況は
この時点でまだ数名らしい

スタート地点に
少人数で立っている姿を想像してみる

UTMFなんて1,500人なのに数名って・・・
エリートの選考会のようで笑える
ローカル感満載な感じもまた良い
しかもITRA公認のレース

途中でDNFしても周回数に応じて
ITRAのポイントも付与されるらしい

ポイントはいらないけど
TW彩の国の練習だと思い
エントリー条件も満たしているし
せっかくだから4周回100マイルを選んで
気軽にエントリーしてみた


【前日】

2〜4周の出場者はテント持参が必須

控えの会場が無いので
自分でテントを用意して
なにかあったらそこで寝なさい
そんな感じ

オリジナルエイド設営できるので
気に入ったポイントのひとつ

火気以外のテン泊装備用意し
快適なオリジナルエイドを作った

私設エイドも完成したし
仲間と一緒に早々とホテルに戻り
明日に備えて早めに就寝

と思ったけど1時間でトイレに起きて
そこから寝れない・・・
最近レース前は寝れてたので油断してた

結局それ以降寝ることが出来ず
普通に仕事してから会場入りだったので
ほぼ24時間寝てない状態で
スタートする羽目になった

DNFを視野に入れて練習だと思い
行けるところまでがんばってみよう

そんなゆるい感じでスタートした


【1周目】

1〜3周はそれなりに参加者いるけど
結局4周は11人
想像してた通りローカル感満載

軽く主催者から挨拶があり
いきなり15秒前を宣告されてあたふた

グダグダな感じがいい

これから長い旅がはじまる
AM8:00 後方からスタートした

出だしから走れる登り基調
強者達は速攻で消えていった

追って3人ほどパックなって
少し喋りながらゆるく走る

1周目どれ位で回る予定か聞いてみた

というのも今回のレース
距離や高低差はもちろん
34時間以内の制限時間が一番の難関
寝ることすらできない

レースペースで試走した際は
1周に7:30′かかった

このタイムを基準にして
事前にシミュレーションしてみると
制限時間以内にゴールできない

エクセルで何度も数値入れ直しても
計算上完走できない・・・

話しを戻すと他の選手は
1周目は6:30′予定で考えているようだ

2週目以降は夜間走行と疲労で
さらに時間がかかる

やはり1周目で7:30′だと完走は無理
マイル組はみんな速いな・・・

愕然となったが
開き直って走ることにした

10km付近からすでに一人旅
前後には誰もいない
マイペースに走れて気分も楽だ

ナチュラルハイもあり
身体の調子もよく足取りも軽い
なにより天気が最高

またこのコースの良いところは
川・湧水や水道など水場が豊富なところ

事前試走で場所を大体把握してるので
眠気覚ましに川に頭を突っ込んだり
掛水を繰り返し要所でリフレッシュ

奥武蔵の山深い感じがすきで
木々の隙間から差し込む光も気持ちがいい

27km地点の第1エイド八徳まで
あっという間に到着

手厚いおもてなしを受けて
スタート地点のオーパークに向けて再スタート

残りはあと13km
ここまではトラブルもなく順調だ

ゴールまであと僅か
ふとお稲荷さんが祀られているのに気がつく

薄暗くてちょっと不気味
夜は怖いんだろな・・・と思いつつ
完走祈願でペコリと一礼

最後のトレイルを走り抜け
眠気や垂れることなく
オーパークへ戻ってくることができた

6:23′で想定より1時間も早く
走り終えることができた

40km 6:23′ 8位

A1 / 八徳 : 4:06′(区間:4:06′)
A2 / オーパーク : 6:23′(区間:2:16′)


【2周目】

エイドに戻ってくると
ボランティアの皆さんによる
拍手喝采でのお出迎え

少し恥ずかしさもあるが
嬉しくもありホッとする

私設のテントエイドで補給の入替え

お知り合いのスタッフさんもいるので
談笑しながらカレーライスをいただき
再出発した

まだまだ調子が良い
このまま行けるのではないかと錯覚する

山深いコースは暗くなるのも早い
PM4:00を回ると
場所によっては暗くなりはじめた
いよいよヘッドライト点灯

ハイカーさんもいなくなるし
集中して走ることが出来る
楽しいナイトラン

足元に照らされた光だけを頼りに
丁寧な足捌きだけを心がける

楽しい時間も束の間
八徳エイド手前で睡魔が突然やってきた

覚悟はしていたけどちょっと早い

またこの頃からジェルなどの補給を
受付けなくなってきた

なんとか八徳のエイドに着くが
どうにも眠さが解消されない

温かいスープをもらい
胃も少し落ち着いたので
とりあえずオーパークに向けて再出発する

八徳からオーパークまでは
急登・激下りが2回ある
しかも崩落箇所もあり意外と危険

慎重な足取りで進むが
眠さもありふらつきはじめた

睡眠不足では危険だし
なにかあれば迷惑もかかる
翌月には次のレースも控えている

80km走ったし十分練習にもなった
辞めるなら無理せず早めにと
DNFモードでオーパークへ進む

なんとか挨拶したお稲荷さんまでたどり着く
ここまで来ればオーパークまではもう少しだ

「2周で辞めることにしました」と
一礼した瞬間にズルッと滑って尻もちついた

これ本当の話

お前まだ走れってことか?と勝手に解釈 
ポジティブな自分が戻ってきた

おかげで目も覚めたし
このまま行けそう・・・

要は理由をつけて
まだ走りたかったんだと思う

3周のカテゴリーに出場した仲間も
まだ頑張って走っている
気持ちを切り替え
もう1周だけ走ってみることにした

結果的に今回のレースで
転倒ましてや滑ることすら無く
後にも先にもこの一回だけだった・・・

160kmもの長い距離と時間で
ちょっとあり得ないくらいの奇跡では?

理由はともかくお稲荷さんのおかげで
気を持ち直すことができた

スタート地点のオーパークにつくと
うどんを2杯いただき
カフェインを投入して気分を一新
3周目に突入する

80km 14:47′ (周回T:8:23′) 6位

A3 / 八徳 : 11:45′(区間:5:22’)
A4 / オーパーク : 14:47′(区間:3:02′)


【3周目】

カフェインが効いてきた
この瞬間の為に
コーヒー断ちをした甲斐がある

眠気も覚めて調子も戻ってきたけど
経験上長くは続かないことはわかっている

ターボがかかっている間に
なるべく先を急ぎ飛ばして走る

3周すれば120km
今までで最長の距離になる
ここはなんとしても3周完走したい

問題なのは胃腸のトラブル
ジェルなど補給を全く受け付けなった

そんな時
前日に仲間のレース備忘録を読んでいたら
胃腸のトラブルで補給を受け付けず
コーラでレースを乗り切った人の話が
書いてあったのを思い出した

幸いもうすぐ自販機がある
カロリー高そうな飲み物を5本購入

2,500mlをザックに詰め込み
重いけどドリンクだけで
補給を凌ぐことにした

あとは睡魔が訪れないことを祈るが
やはり突然やってきた

2周目の睡魔の比ではない・・・
どうにもこうにもならない

座って寝る事も考えたけど
起き上がれなくなるので
グレートレースなんかでよく見る
立ちながら寝る作戦をとった

トレイルでは立ち止まって数秒目を閉じる
ロードでは目を閉じたまま歩く

繰り返していたが限界もきたので
木に寄りかかって寝ていると
後方にいたマイルの選手が追いついて来た

しかも軽快に走っている

羨ましい・・・とおもっていたら

眠さは波があるから必ず復活する
がんばって耐えて!

と声をかけてくれた

3周目を後悔していた時だったので
この言葉に救われた

すでに視界から消えて行ったが
その人を追いかけるように
また歩き出すことができた

その後は寒いのを我慢して
頭に水をかけながら眠気をしのぎ
なんとか八徳エイドにたどり着いた

水分しか摂っていないので
振る舞いのトマトパスタが胃に染みる

やはりDNFをしよう・・・

妻に3周で帰る報告をLINEで伝える

仲良くなったスタッフさんにも
3周で終えることを告げた

スタッフさんは自分の速報を
チェックしてくれていたらしい

区間タイムの情報などを元に計算し
まだ間に合うと何度も励ましてくれる

もしかして
オーパークまでAM8:00までに着けば
その後4周完走できるかもしれない

ただし2時半で到着しないと間に合わない

疲労困憊の中
2周目と同等のタイムで走ることが必須

スタッフさんの後押しもあり
ダメ元でがんばってみることにした

再度カフェインを投入し
夜も明けてきた事も手助けし
眠気も吹っ飛び調子が戻ってきた

ほぼ歩いていたので幸い足は残っている
負の波も終え足取りも軽快に動く

途中お声がけしてくれた選手に追いついた

お礼と一緒に完走することを約束し
後を去った

自分でもビックリするくらい
復活して走る事ができたので
なんとか目標時刻に間に合いそう

お稲荷さんに着くと
再チャレンジすることを報告して
オーパークにたどり着く

時刻は8:06分
少しだけオーバーしたけど
なんとか首の皮を繋ぎ止めた

120km 24:06′ (周回T:9:19′) 5位

A5 / 八徳 : 21:29′(区間:6:22′)
A6 / オーパーク : 24:06′(区間:2:37′)


【4周目】

残るはあと一周
ここまで来たらやるしかない

とはいえ関門時間がある
ゴールの34時間よりも
実は八徳エイドの30時間以内の方が
制限時間は厳しい

素早くエイドワークを終え
八徳エイド関門制限のPM2:00まで
残り時間は5:40’

1周目 4:06’
2周目 5:22’
3周目 6:23’

現実的にかなり難しい・・・

今回は最後まで諦めず
再スタートの一歩踏み出した

幸い胃の調子も復活して
普通に補給を取れるようになった

眠気もなく足もまだまだ残ってる

天候も見方して気分もいい

周りの状況や路面もよく見える

開き直ったせいか
レース中一番気持ち良く走れている

このまま行けば間に合うと信じて
最後の力を振り絞って走り抜けた

なんとか八徳エイドまで
制限時間15分前に戻ってくる事ができた

2周目とほぼ同タイム
火事場の馬鹿力ってこんな感じなんだろう

後押ししてくれたスタッフさんに
お礼を言おうとしたら
夜勤明けで帰宅したらしい

夜通しレースのボランティアをしてるので
残念だけど仕方がない

他のスタッフさんにお礼の言付けだけして
まだ後方を走っている残り2人を
ギリギリまで待つことにした

PM2:00
残念ながら時間内に通過出来ず
2人ともここでDNFとなった

声をかけてくれた選手は
後6分間に合わなかったらしい・・・

同じ時間を共有し励ましあったので
残念で悔しくてたまらい

ゴール閉門まであと4時間
気を取り直して再スタートをしたが
ここからが一番の地獄だった

全てを出し切っているので
足が完全に売り切れ

登りはなんとか歩けるけど
平坦や下りに関しては
まともに歩く事すらできない

オール歩きで一歩ずつ進み続けて
なんとかお稲荷さんまで
辿り着く事ができた

最後のお礼とお賽銭をおき
深々と一礼してゴールに向かった

残りはあと2km
最後くらいは走ってゴールしたい

力を振り絞って走っていると
前方に人が立っていてる

ライトが眩しくて誰だかわからない
何か話しかけている

スタッフさんの誘導かと思いきや
40kmに出場し総合優勝
TW彩の国も共に走った仲間だった

ゴール後昨日帰宅したのに
わざわざ応援に戻って来てくれたらしい

これには涙腺崩壊しそうになったけど
恥ずかしいから我慢
最後ゴールまで一緒に歩いた

4周のランナーは自分がラスト

計測器にセンサーを当てて音が鳴る
ゲートをくぐった

ゴール

これで念願のマイラーになる事ができた

ボランティアの皆さんの拍手喝采を浴びて
うれしいかぎりだ

ふと見ると目の前に
八徳エイドで励ましてくれた
スタッフさんがいる

戻って来たらしい

これにも涙腺崩壊しそうになったけど
号泣して泣き崩れそうだからグッと我慢

直接お礼を伝えられてよかった

思い残すことなく出し切って
ようやく長いレースが終わった

死ぬほど疲れた・・・

160km 33:16′ (周回T:9:10′) 4位

A7 / 八徳 : 29:46′(区間:5:28′)
GOAL : 33:16′(区間:3:30′)


【結果】

今回は無事完走できたが学ぶことが多かった

ボランティアの皆さんのサポート
周回は異なるが走っている仲間の選手
SNSを通じて応援してくれるトレラン仲間
そしてレースに送り出してくれる家族

皆の力なしでは
完走することができなかった

こんな感じのコメントをよく聞くし
熱すぎて恥ずかしさもあるが
改めて本当にそう思う

160kmなんて距離走れば
多かれ少なかれトラブルは発生する

24時間以上走るんだから
前日に寝ていたとしても眠くなる

走りながら補給するんだから
胃腸やお腹だって壊すこともある

不整地を走るんだから
転倒や足首捻ったりもする

致命的な怪我さえなく
不意に起こるトラブルと向き合い
対処していけば
必ず完走はできることがわかった

また今回は睡眠不足を理由に
何度もDNFするつもりでいたけど
結局は辛くなった時
辞めるための言い訳を探しているだけ

最終的にはメンタル勝負だった

メンタル面についても
ちょっとしたきっかけで
どっちに転ぶかわからないので
やはりゴールしたいという強い意志が
一番重要なのではないかと思う

気の持ちようでどうにでもなる
そう思うことが出来た

フィジカル面では
最低限の走り込みは必要だと思うけど
TW彩の国の時のように
練習し過ぎて直前に怪我して台無しになる

テクニカルな面でいえば
自分はまだ経験が浅いけど
色々な人の経験談を聞いたり
今時ネットで調べれば
色々な情報が引っ張り出せる

これらを元に
色々と組み合わせ試行錯誤してみれば
自ずと自分に合った正解が導き出せる

長い距離走るって辛いことも多いけど
得るものの方が多い

100マイルのレースを通じ
そんな経験をすることができた


【補給】

■ Start

MAGMA:1本
カツサプ :2袋

■ 1周目

〈45分毎〉

ANDO:5本 ○
おにぎり:1個 ○
SF:ギンビス+ナッツ(800cal) ○

カツサプ:1袋/20km ○
スポーツミネラル:1袋/2h

TOPSPEED + 水 ○
おいエナ + ジャスミンティー ○

〈エイド〉

いなり寿司


■ 2周目

〈45分毎〉
ANDO:5本 △
おにぎり:1個 ○
SF:ギンビス+ナッツ(800cal) ○
カツサプ:1袋/20km ○
スポーツミネラル:1袋/2h△

TOPSPEED + 水 ○おいエナ + ジャスミンティー ○
〈エイド〉
豆乳
カレーライス肉うどん


■ 3周目

〈45分毎〉
ANDO:6本 ×
おにぎり:1個 ×
SF:ギンビス+ナッツ(800cal) ×
カツサプ:1袋/20km ○
スポーツミネラル:1袋/2h ×
TOPSPEED + 水 ○おいエナ + ジャスミンティー ○
〈自販機で追加〉

ミルクティー×2本
りんごジュース×2本
サプリ系ドリンク×1本

〈エイド〉

豆乳

トマトパスタ
ロールキャベツ

■ 4周目

〈45分毎〉
ANDO:7本 △
おにぎり:1個 ○
SF:ギンビス+ナッツ(800cal) △
カツサプ:1袋/20km ○
スポーツミネラル:1袋/2h ×

TOPSPEED + 水 ○おいエナ + ジャスミンティー ○
〈エイド〉
おにぎり弁当


■ 途中自販機

微糖コーヒー
ファンタグレープ


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