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福岡には新しい形を目指す神社もある

紅葉八幡宮を後にして、福岡の街をめぐる旅を続ける。
旅先では行く先々でお参りを。九州の旅で各地の神社
に訪れた。日本建築のもつ時の流れを感じつつも、また
新たな時代の扉を開く建物や空間にもひかれている。


道路沿いのコンクリートの壁が連なるデザインの建物は
角度を変えればまったく異なる印象に
打ち放しコンクリートの風合いを感じつつ奥へと進む
この建物は鳥飼八幡宮に併設された
祖霊殿という施設。3mの高低差のある敷地に沿って建つ
建物を分節し変化を持たせる壁の連なり

手掛けられた二宮設計のサイトにて内部の写真も

2021年のグッドデザイン賞にも選定されている

境内を進むとガラスと木で構成された建物
透過性の高いガラスによって圧迫感を抑えた意匠に
その対拝殿の隣に建つ本殿の拝殿

あらたまった鳥飼八幡宮

参道の先の斬新なデザインの拝殿は
茅葺の壁で覆われている
式年遷宮の際には葺き替えられる茅葺き

現代的な建物と茅葺きといえば花西海を思いだす

拝殿を支える10本の石柱。10mを超えるものもあるという
そこは信仰の対象にもなる巨石に囲まれた神聖な空間へ
石とコンクリートと茅葺きの現代的なデザインにより
世界に対してのランドマークにとなることが目指されている

この建物も二宮設計によって手掛けられた

吉野の檜で新しく組み上げられた本殿は
神明造の様式で、そそり立つ千木と9本の鰹木
行く先々でお参りをして、鳥飼八幡宮を後にする

令和四年度の遷宮計画にて生まれ変わった鳥飼八幡宮

古と今  そして未来へ。神社のあるべき姿への熱い思い

筑前藩主黒田家の氏神として崇敬され、神功皇后との
交流がきっかけで創建されたと伝えられているという
歴史のある鳥飼八幡宮。開かれていて人が集う場所。
開催される定期的なイベント。祈りの持つ場の再現。
ススキによる茅葺の壁。巨石が配置された空間。土に
還る素材。今の時代、そして未来をみすえたデザイン。
ここにしかない素材で、ここでしかできない体験を。
様々な人の想いが重なり、集まって生まれ変わった
鳥飼八幡宮。福岡には新しい形を目指す神社がある。


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