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ジャニーズは実力勝負の機会を奪ったか

ジャニーズ事務所の問題でみなさんは何を感じるだろうか?

もちろん、被害者であるタレントや歌手の方々の遺憾の意を表するが、
より広い範囲で社会に何をもたらしたか?

これ、茂木健一郎さんの意見が興味深い。

以下引用する。

「文化的な観点から見ると、ジャニーズ事務所がもたらした不利益は、同事務所のスターたちが偽物で、本格的なオーディションを回避し、亡くなった創設者のひいき目に推進され、自己満足で無批判な日本のメディアによって支持されたことだ。その結果、J&A出身の多くが、小津や黒沢の優秀さからは程遠い、怪しげなスターダムを前提にキャスティングされた映画業界を含め、日本のエンターテインメントの質が低下した。偽りの星の王国に別れを告げる時が来ました。悔いの雨が降ったあと、ジャニーズ事務所が残した文化砂漠から、個性と本気の才能の花を咲かせましょう。日本には、ジャニーズ事務所のようなものに支配されたエンターテインメント産業よりもはるかに優れたエンターテインメント産業が必要です。」

簡単にいうと、われわれ日本国民は、実力勝負の本物を楽しむ機会が奪われ、いわば偽物で騙されていた、ということ。悪く捉えればそういうことだ。

たしかに、私もジャニーズに全く興味を持ったことがないし、歌や踊りがうまいとも思ったこともなかった。(華やかさを感じることはあったが)

本質を見る人には問題がないだろうが、それが「凄いもの」として演出され、それを鵜呑みにした人は可哀想かもしれない。たしかに、もっと凄い才能が世の中にあるのに。

これは社会に大きな負の影響を与えたかもしれない。マスメディアの大部分でこういったものが持ち上げられた裏側には、本物が日の目を見る機会を大幅に下げただろうし、本物に対する国民全体の批判の目や感覚を養う機会も奪った。本物を求める素養が国民全体に育つ機会がなくなってしまった。

あくまで仮説だけど、実際、かなり本質的な指摘なのではないか。

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