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もう語学教材の開発やめませんか? 収穫逓減する効果 #英語 #中国語

私は今、語学コーチとして活動している。

語学教材のおかげで助かっている反面、疑問もある。

ここで語学教材とは主に、紙で作られた教科書や参考書と言われるものだ。

語学教材を制作している人は、一歩視点を引いて、もっと本質を見極めたほうがいい。

教材でどんな問題を解決したいのか?

自分の胸に手を当てて考えてほしい。

学習者の語学力を高めるためだろう。

であれば、語学力とは何なのか?そして、それはどういう要素で成り立っているのか。

その本質に目を向けるべきだ。

語学力を、“話せる、聞ける”語彙力だと定義すると、如何にそういった語彙力を身につけられるかが鍵になる。

その場合、効率と学習時間が鍵になる。

まず、最初に「効率」を見れば、それは見やすいとか何の目的で何を目標にどうやるかが明確であればいい。教材の質が問われるのは、その内の一部分だ。教材としてまとめられている発音、文法の知識、語彙学習のための文章、音源などは、良いものであれば、そんな変わらない。

教材については戦後からそれなりの歴史があり、相当作り込まれている。何事もそうだが、収穫逓減の法則により、もうアップサイドが少ない。その使い方の方が伸びしろがある、ということ。

(もちろん、全てをわかりやすい動画にするところはまだ伸びしろがあるが、でも、できる人は動画でなくても本でいい。。)

つまり、効率を考えるなら、目標設定ややり方、集中度のコントロールなどが重要になり、現代の教材では何を使ってもそんなに間違いはない(ダメなのもあるのは事実だが。。)。

そして、もう一方の学習時間について言えば、これは教材とは直接的な関係はない。

つまり、教材の重要度は現代においては低い。

語学力向上に資することをやりたいなら、教材開発はもうインパクトが少ないのではないか。

ポップなアニメやキャラを使って裾野を広げるというような、そういう意図が明確にあるならいいが、ど真ん中の語学力を高めるという視点でいえば、もう語学教材は飽和状態なのだ。

語学に携わる者は、自分がどんな課題を解決しているのかに敏感になるべきだろう。

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