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現場視点の広報戦略を作ってみた

noteやTwitterを通じた出会いで、たくさんの広報やメディアの方からアドバイスをいただき、やっと自分で広報戦略や予算を作成できるようになりました。

本当にSNSの個の発信力ってすごいなと感銘を受ける毎日です。
私ならではの視点でなにか発信できる広報のネタがないかな?と思い、最近自分で企画して代表にぶつけた広報戦略を公開できる範囲で書いてみます。

■前提
・会社、組織、広報機能の立ち上げ期
・営業、開発、制作の現場から広報に着任
・各部門の活動内容や自社プロダクトについて概ね把握している
・競合他社との差別化や組織課題などが現場視点で見えている

会社の「今」の課題から「今」の広報のミッションを考える

立ち上げ期は会社全体で諸々流動的になりがち。
私が広報をする上での強みは「営業・プロジェクトマネージャー・制作スタッフ・プロダクト企画のほぼ全ポジションを網羅してきた」こと。
全社、営業&開発現場、社内の視点で課題の洗い出しを行いました。

■現場視点での課題
・プロジェクトや部門間での情報が伝わづらい
・グループ内のリードがメインで新規開拓が難しい
・競合が多く、インパクトを出しづらい
・商談先や求職者に提供できる情報が少ない

■広報視点に置き換えた課題
・社内の情報共有ルートが策定できていない
・会社の認知度が低いため、市場への食い込みが甘い
・強みが明確化されておらず、営業&採用のコンテンツのインパクトが弱い
・情報発信力が弱く、発信頻度やコンテンツが少ない

次はこの課題解決に向けて「私が広報としてできることは何か?」「広報活動を通して、社外・社内がどうなっていたいか」をミッションと活動方針に置き換え。
わりとスタンダードな構想を練りました。

■Mission
会社の知名度アップに貢献し、社内外に向けたブランディングを促進

■主な活動方針
・対外的な情報発信の強化
・市場や競合他社の調査を徹底
・社内の横串での情報連携の土台作り

まずは認知度の向上と情報発信力の強化が急務であると仮置き。
そのためには「ネタを収集しやすい環境」の構築が必要であるため、情報連携の環境構築も活動に入れました。

どんな会社に見られたいか?どう見せたいか?を考える

まずはITスタートアップの業界調査。
昨今の勢いのあるITスタートアップや競合他社の記事やリリースを読み漁り、特色をピックアップ

・エンジニアメインで構成された組織の開発力の強さで独自のサービスを複数打ち出している
・20代前半〜30代前半のメンバーが多数活躍中
・大手企業やベンチャーキャピタルからの資金調達

の大きく3点。

が、自社にはどれにも当てはまらないという現実。
親会社から事業部がスピンアウトされているので、ベテランメンバーが多数でプロダクトも現状は1つ。

親会社とは100%子会社の関係性なので、他社のような多額の資金調達の話題は現状出てこない。

仮に自社に当てはまったとしても、もはやスタートアップ業界では当たり前とも言えるため、ネタとしてはニュースバリューが低いと判断しました。

そこで思いついたのが
「市場の黎明期からある企業、大手企業と長いお付き合いがある安心と信頼の実績」

社名を聞いた時に「あー、あそこ昔からやってて最近スピンアウトしたとこだよね」となるのがベストと考えました。

アクションプランを情報発信先ごとにリストアップ

ここでやっとアクションプランを考える段階に。
見えた課題は他社の広報さんとの情報交換やSNSへの投稿から見るに「スタートアップあるある」な様子。

成功している企業の広報さんが実践したことを記事やヒアリングベースで自社に合わせてアレンジ→リストアップ。

社外(グループ企業を含む)、求職者、社内に分けてアクションプランを振り分け。
できたアクションプラン案は、まさに広報活動で最初にやるべきこと。

■社外向けアクションプラン案
①メディアリレーションの強化
②ファクトブック(会社概要)の作成。
③年間スケジュールの作成・定期的な情報発信の実施

■求職者向けアクションプラン案
①設立時の「求める人物像」のメッセージを見直し
②求職者向けファクトブックの作成
③技術広報の強化

■社内向けアクションプラン案
①競合ニュースリストへ各社のUIの特徴等を追記
②社長、各部門長と隔週 or 月次で1on1の実施
③事例取材時のメモは常に社内に共有

実際はもっと細かいアクションや実施することでどういう結果を求めたいかまでを記載した超大作を社長にぶつけました。
結果として、納得はしてもらえたので、あとは優先度や何をやらないかは経営層で決めてもらうように依頼して終了。
(優先度付けややるべきことを経営層が決められる隙を残しておくことがポイントです!)

この後、大手PR会社のD社の方へも投げて壁打ちをしていただき、合格点をいただいて個人的にもやっと自分の成長を感じられました。笑

現場から広報に着任するメリットとデメリット

現場から広報着任したときのメリットは、会社の事業モデルや実際の作業レベルまでを理解した課題の洗い出しができるということ。
どんなにベテランの広報さんでも、まっさらな状態で入社したらまずは会社のMission・Vision・Valueから経営戦略、事業モデルの全てにキャッチアップすることから始まります。

未経験でも現場から広報に着任すると、既に理解した状態であったり、現場から離れてもキャッチアップの工数が短縮できると感じています。
「広報とはなんぞや?」から勉強をしなくてはいけないので、その工数はかかりますが、業務中に他のメンバーの時間を割いてもらう割合はかなり少ないです。

その反面、デメリットは現場視点に寄りすぎてしまうこと。
広報の基礎を勉強しながら、手探りで課題点を洗い出していた着任当初は
「リードが少ないから情報のリーチ数を増やさないといけない」
「営業が持っていけるネタをリリースしないといけない」
「プロジェクトで他社と比較されたときの材料がないといけない」
などなど、第三者視点を持つことがとにかく難しく、現場に情報共有を強く求めてしまうことも多くありました。

広報は企業と社会の架け橋になって、自社の思想を押し売りにならずに広く伝えていくことがミッション。
着任したらまずは現場から聞こえる声からは一線を置いて、冷静に課題と向き合うことが必要です。

結論:現場→広報は強い!

現場から広報は全く違う畑なので不安でいっぱい。
ですが、創立時から何でも会社のことを分かっている、歩く沿革のような広報さんがいる企業はそこまで多くないはず。

ある程度、現場で経験を積んでから広報に着任したことで、
「自分が現場にいたときに広報がいたらこんなことをしてほしかった」
という想像をしながら、経営層へ話をすることができる超絶強みポイント。

これは中途入社で新しく着任したベテラン広報さんでも難しいこと。
結果として、現場のノウハウを知っているからこその課題のピックアップ、解決策の提示+広報視点で細やかな部分へも少なからず貢献ができる気がします。

まだまだ足りない部分だらけのよちよち歩きの初心者広報ですが、会社に少しでも広報に着任した価値を還元していきたいな。
アクションプランの結果はまた公開できる範囲でnoteにアウトプットしていく予定です♪


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