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ピルを飲み始めて3年半、QOLが爆上がりした

最近よくあちこちでピルに関する話題を見聞きすることが増えた気がする。
ピルといえば「避妊薬」のイメージが強かった昔に比べると、今は月経困難症やPMSの症状緩和で使われることも増えているし、服用していると言う人も増えた。
私も色々な症状緩和のためにピルを服用しているひとりです。服用して本当にQOLが上がった。

飲み始めるまでの経緯から、3年半が経過した今の状況をあれこれ書いてみようと。
以前の私と同じように悩む方への参考になればいいな。

PMSと生理の症状のデパート

生理不順・PMSの諸症状・生理中の諸症状には、ずっと悩まされてきた。
一言でいえば、症状のデパート。

【生理不順】
ルナルナを筆頭にいろんな生理日予測サービスを使ってきたけど、全く当てにならない。
2週間前に生理が終わったのにまた来た。
1〜2ヶ月生理が来ない。
なんて、当たり前だし、生理の日数もバラバラ。

【PMS(月経前症候群)】
頭痛、情緒不安定、むくみ、倦怠感、肌荒れ、お腹の張り、止まらない食欲と睡眠欲。
そして、ワンサイズ変わるレベルの胸の張りに痛み。
ひどいときにはめまいを起こすことも。
PMSではなくて、PMDD(月経前不快気分障害)の域かもしれない。

【生理中】
起き上がれなかったり、声を出して泣いてしまうほどの生理痛。
おむつみたいな大きさの夜用ナプキンを1日に何度も交換するほどの、4日目くらいまで続く大量出血。
貧血、血圧低下、腰痛、頭痛、倦怠感、吐き気、情緒不安定、肌荒れ、立ちくらみやふらつき、止まらない食欲と睡眠欲。
更になぜか、お腹がゆるくなる。

という感じで、ググったら出てくる症状が一気に現れる。
1ヶ月の半分以上はこんな症状に悩まされるから、たまったもんじゃない。
「今日生理なんだよね〜」と言いながらも、ケロッとしている友達が羨ましくて仕方なかった。

生理日移動が当たり前だった学生時代

高校時代、オーケストラの授業中に、生理痛がひどすぎて、顔面蒼白で冷や汗をかきながら、ヴァイオリンを演奏。
早退して大学病院に行き、呼ばれるまで待合室のソファに横になってうずくまってしまうほどだった。

検査結果は異常なし。
先生に症状を話すと「いくら生理がひどいとはいえ、ここまでになるなんて、パガニーニ* でも弾いたの?w」と半分冗談を言われるくらいには、痛みに耐えながら、かなりの体力を消耗していた。
その時に、生理日移動ができると知る。

ロキソニンを服用しても生理痛が治まらないことは頻繁にあり、学校を休むことも何度もあったし、レッスン中に薬が切れて、思うように弾けないことも。
生理がきたら、演奏どころか動くことすらできない私にとって、生理日移動は救世主が現れた気分だった。

学校の実技試験、コンクール、演奏会などで生理がかぶりそうになる度に、生理日移動の処置をしてもらいに大学病院へ。
お尻に注射を打ち、生理を早めに起こさせてから中容量ピルを服用し、本番1週間前くらいまでに生理を終わらせる方法。
制服のスカートをめくられて、お尻丸出しで注射を打たれるときのなんともいえない屈辱感。
この注射の数日後にやってくる生理は泣くほど痛い生理痛と、吐きそうなほどの気持ち悪さを兼ね備えていた。

でも、とにかく本番とかぶらなければ、何でも良かった。
病院側は事情を考慮して、毎回適切に対処してくれたけど、今思えば、思春期の不安定な身体にムチを打ちすぎ…

*ニコロ・パガニーニ:人間離れした技術と音色で「悪魔に魂を売った」と言われた、ロマン派を代表するヴァイオリニスト 兼 作曲家。高度な技術を要する激しい速弾きなどが曲中にあり、体力の消耗が激しい曲が多い。ラ・カンパネラやカプリスなどが代表作。

低用量ピルが身体に合わず断念

通っていた大学病院では「年齢を重ねたら、ホルモンバランスが安定してくるから軽くはるはず」と言われていたものの、高校を卒業して上京してからも、まったく症状が軽くなることはなく。

婦人科で低用量ピルを処方してもらって、副作用のひどい吐き気、肌荒れの悪化、全身のむくみに、飲んで3日で後悔。2週間くらい飲んでも慣れる気配はなかった。
当時の私の職業は銀座ホステス。荒れた肌にむくんだ顔と身体に、気持ち悪くてお酒が飲めないのでは仕事にならない。
この頃はピルもあまり種類が多くなかったので断念。
早々に鎮痛剤に頼る日々に戻ったのでした。

25歳を過ぎても、生理痛や貧血で仕事を休むのはほぼ毎月のこと。
年に一度は子宮内膜症や子宮筋腫などの疑いがないか、検査もしたけど毎回結果は超良好。
どこの婦人科でも「体質かもしれないね〜」と言われ、ロキソニンを大量処方されるだけで終わっていた。

鎮痛剤を飲んで倒れ、救急搬送

あまりにも生理痛が治まらず、ロキソニンも効かない日がたまにある。
親知らずを抜いたときに、付き合いの長い歯医者の先生が「生理痛がひどいときに飲んで大丈夫!」と少し多めに出してくれた、超最強の鎮痛剤ジクロフェナク(ボルタレン)を寝る前に服用したある日。

服用して10分後、急なめまいと嘔吐で立ち上がれなくなり、夜中に救急搬送された。こんなことは初めてだった。

診断は「軽度のアナフィラキシー」とのこと。
救急の先生の話によれば、体調次第で薬の効き具合などは違うので、強い薬でのアナフィラキシーなどは起こり得るらしい。
特に危険な要素はなかったので、その日は吐き気止めを処方されて帰宅。

ヤーズフレックスを服用開始

朝から、ひどい生理痛と貧血で、起き上がることもできず、うずくまったまま泣きながら痛みを訴える私。
見かねた母が救急車を呼ぼうとしたけれど、コロナ禍真っ最中。
救急車が来てくれるかも、搬送先があるかも分からない。

その日は仕事を休んで、鎮痛剤を服用してから、お腹と背中にホッカイロを貼って、かかりつけの婦人科へ。検査結果は、やっぱり異常なし。

先生からやっと、ピル服用の提案をされた。
その時、私はパニック障害の休職明けで3ヶ月経過したくらい。
通院と服薬はまだ続いていて、果たして服用して良いものか、相談してみた。

すると先生から思いもよらぬお話が。

PMSや生理でホルモンバランスが崩れて、パニック障害や不安障害の発作が誘発されることがあるので、なおのことピルを服用した方がいい。
現代人は初潮が早い&出産年齢が遅いことで、生理の回数が増えている。
出産予定がないまま、毎月の生理で子宮内膜が剥がれ落ちる=卵巣や子宮の老化原因になり、将来的に妊娠を考えた時に不妊に繋がる可能性も低くない。
生理を3ヶ月に一度くらいに止めて、ホルモンバランスの崩れと卵巣や子宮の老化を緩やかにできる。

今の状態では服用したほうが良いと判断して、ヤーズフレックスを服用することになった。

服用を続けたらQOLが爆上がりした

血液検査とピルの処方で、2万近くお金がすっ飛んでいくけど、血液検査は年に一度。ピル処方分は月経困難症の治療で保険適用なので、3ヶ月分で8,000円くらい。
これで楽になるなら安い出費。
最初の1週間は気持ち悪さに悩まされたけど、すぐに治まった。

ヤーズフレックスは超低用量ピルと呼ばれる部類に入るらしく、最初の半年は2ヶ月生理を止めることができず、1ヶ月半で生理が来てしまっていた。
それでも、動けないほどの痛みと大量出血が抑えられただけで、全然違う。

今は3ヶ月連続で生理を止められるようになった。
正直、3ヶ月間服用した後の休薬期間の4日間は本当にしんどい。メンタルも体調もガクッと不調に陥ることもある。
生理症状のデパート状態にはならないものの、それなりに痛みに悩まされることもあるけど、服用前とは比較にならないくらい、私のQOLは爆上がりした。

まず、生理を理由に仕事を休んだり、レッスンなどの予定をキャンセルする必要がなくなった。
本番と被ることも運良くなくなり、被りそうなら自分で服用する日を調整すれば乗り切れる。
生理が来ても鎮痛剤を飲めばなんの問題もなく仕事ができるし、コロナ禍のおかげでテレワークができるようになったことも大きい。

PMSの症状がなくなったことも生活面ですごく楽になった。
暴飲暴食で急激に体重増加することもなくなり、めまいや血圧の急低下で救急搬送されることも、この3年半でゼロになった。
情緒不安定になったり、パニック障害や不安障害の発作が起こる頻度も激減。
圧倒的に生活がしやすくなった。

このnoteを読んでいる、生理痛やPMSに悩む人はぜひ一度、婦人科で相談してみてほしい。
「生理は病気じゃない」とよく言われるけれども、辛い人にとってはものすごく辛いので、仕事や生活に支障が出ているなら、相談するだけでもしてみてほしい。
先生の見解はそれぞれなので、私と同じ処方になるかは分からないけど、少しでも、頼れるところに頼ってみてほしい。


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