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アマチュアピアニストのオンラインレッスン体験記

ピアノを本格的に再開した2019年。最初に受けたのはオンラインレッスンでした。コロナ禍で、いろんな分野でオンラインレッスンが普及した今、「ピアノのオンラインレッスンってぶっちゃけどうなの?」は、今でもいちばんよく聞かれる質問だったりする。

ピアノを弾いてみたいけど、大人の音楽教室とかに通うのには抵抗がある…
オンラインレッスンを受けてみたいけど、実際どうなの…?
という人は、ぜひ参考にしてみてね。


オンラインレッスンプラットフォームに登録

私が利用していたオンラインレッスンのプラットフォームはCafetalk(カフェトーク)。

なぜCafetalkなのか?
→高校の先輩が音楽教室で講師をする傍ら、ここでも講師を勤めていたから。
なぜオンラインレッスンなのか?
→Cafetalkさんが主催する音楽発表会に出演するには、オンラインレッスンを受けなければいけなかったから。

そんな単純な理由でCafetalkに登録。登録料もかからない。
Cafetalkさんの発表会に出演する経緯はこちらの冒頭で触れています。

レッスンを受けるまで

私は先生も弾く曲も決まっていたので、すんなりといったけど、新規でレッスンを受ける場合、登録後の手順はこんな感じ。

①レッスンをしてくれる先生を選ぶ

自分で学びたい領域と先生の得意領域が一致していることが何よりも大事!

先生を選ぶコツはプロフィールページをちゃんと読むこと!
・どんなことを学んできたか
・どんなレッスンを提供しているか
・どんな生徒さんを対象にしているか
の3つはとても重要なポイント。
Cafetalkでは講師別にレッスン実施回数も公開されていて、回数が多い先生ほどオンラインレッスン歴が長い傾向。初めての人への対応もスムーズ。

②受けるレッスンを選ぶ

自分のレベルや学びたい内容から、受けるレッスンを決めましょう。

例えば、
・楽譜の読み方を学びたい!
 →音楽理論やソルフェージュのレッスン(30分くらい)
・初めたばかりで今弾いている曲を見てほしい!
 →初心者向けレッスン(30〜45分くらい)
・ある程度弾けるので、本格的なクラシック曲を弾きたい!
 →中級者以上向けのレッスン(60分くらい)
という感じ。

③先生のレッスン可能時間を確認して申し込み

受けるレッスンが決まったら、先生の空き時間から自分の都合が良い日時を選んで申し込み。レッスン前後に10分くらい余裕が持てるスケジュールで申し込むのがポイント。

直前で都合が悪くなってレッスンを受けないと、キャンセル料が発生する無断キャンセルはレッスンを受けられないこともあるようです。キャンセルポリシーは利用するプラットフォームや先生によって違うので、事前に確認しておきましょう!

④弾く曲の楽譜をPDFで先生に送信

最後に先生に弾く曲の楽譜をPDFで送る。楽譜のPDF化はスマホやタブレットのスキャンアプリが便利!送るときに曲名と使っている楽譜の出版社名(ヘンレ版とかウィーン原典版とかとか)を伝えましょう。

出版社が異なると、楽譜に書かれている指示などが違います。先生と生徒の楽譜が違うと、レッスン中に口頭で楽譜に書いてある内容を確認しながらレッスンすることになって、とーーーっても効率が悪い。

弾きにくいところや重点的に見てほしいところも合わせて伝えると、レッスンがスムーズ。

カメラのアングルと音の入り方に注意

私がいちばん困ったのはカメラのアングル。オンラインレッスンはPCやタブレット、スマホを使うゆえ、ちゃんと映る&音声が入る距離に端末を置くのがポイント。

カメラにどこまで映ってたらいいの!?

音だけではなく、指や腕のフォームも見るので、顔出しは必須。ベストなアングルは上半身が映るくらい
ピアノの場合は、ざっとこんな感じ。
座って上半身が映る
手元がちゃんと見えるように真横に置かない。気持ち斜め後ろくらい。
鍵盤の端(いちばん高い音)まで映る距離

ここでお気付きだろうか。オンラインレッスンを受けるには、ある程度の高さに端末を置かなくてはいけないことを。
スマホなら三脚があればOK!PCなら机やテーブルより少し高いくらいのサイドテーブル、タブレットなら高さや角度が調節できる譜面台に置くと良いです!

レッスン前に先生にカメラでピアノが映っている状態をスクショして、聞いてみるのも手です。アングル調整で時間がかかると、レッスン時間が減ってしまうのでね。

私が最初にレッスンを受けたときは、ちょうど良い高さのものがなく、椅子にそこそこ厚みがある楽譜、辞書、本を積み上げた。

どうなってるかは先生に見えないから、レッスン中に崩れ落ちなければ見た目はどうでもいい。

外付けマイクは必要?

ピアノの音量も不安要素。イヤホンなどで直接音が入るオンライン会議や英会話レッスンとは訳が違う。
結論、外付けマイクはあってもなくてもいい。ちなみにマイクはスピーチ用だと音が割れるので、使うときは要確認!
生ピアノは弾いている間に先生の声が聞こえるように端末の音量は上げたほうが安全。

私のように自宅の電子ピアノを使用する場合は、音量に要注意。
我が家で使用しているのはRolandの電子グランドピアノ。

自宅は楽器NGだけど電子ならOKと管理事務所に言われて置いています。
そもそも電子ピアノは音が軽いので、音を小さくすると、音色がさらに軽く聴こえてしまうのが難点。
かといって、音量を大きくしすぎるとご近所迷惑になったり割れてしまう可能性もある…
レッスン開始時に音が問題なく聞こえるか確認してもらうと良いです!

ドキドキのレッスン開始…!

時間になったら指定のURLやSkype通話でレッスン開始。
初めて受けてみた感想は、全然オンラインでも支障ないじゃん…!対面だと移動時間も考慮しないとだし、まとまった時間が取れないときは、オンラインで全然いいじゃん…!

PDFでのフィードバックに感動

対面レッスンならその場で言われたことを自分で楽譜に書き込むか、先生が書いてくれることが多いので、双方でどこに何がどう書かれているかが分かる。
オンラインレッスンではそれができない分、言われたことに対して、自分がどう解釈しているか伝わらないのでは…?認識齟齬があると、次回のレッスンが非効率になっちゃうなー。なんて思っていた。

レッスン終了後に先輩からフィードバックコメントが届いて、画像が添付されていた。楽譜にレッスンで言われたことや、練習方法などが書き込みされたものがスクショに…!
あとは自分の書き込みに不足している部分を楽譜に転記するだけ。
オンラインレッスン、めちゃくちゃ画期的じゃないか…!!

※先生によってフィードバック方法は違います。PDFでフィードバックを返して欲しい場合は、先生に事前に伝えて対応可能か確認しましょう。

コロナ禍のオンラインレッスンチャレンジ

オンラインレッスンの恩恵をガッツリ受けたのは、やっぱりコロナ禍。
対面がメインだち、オンラインレッスンの準備ができるまで休講になったり、感染リスクを冒してレッスンに行ったり…となる。
オンラインでいつも通りのレッスンを受けられたのは本当にありがたかった。

発表会が中止になったとはいえ、ずっと同じ曲を弾いているのも時間がもったいない。次の曲をやってみよう!とドビュッシーのベルガマスク組曲で、オンラインレッスンだけで曲を仕上げるチャレンジに出た。

チャレンジの結果、オンラインレッスンだけでも、曲を仕上げられた
人前で弾くクオリティを求めると、やはり対面が良いかも。微妙なところだけど、曲を仕上げるという観点では成功かな。

私はもうひとり、別の先生にも師事していて、コロナ禍でのレッスン割合は、先輩のオンラインレッスン70%、師匠の対面レッスン30%くらい。
オンラインで譜読みや指使い、音楽の組み立て方や弾けないところの練習方法を固めて、対面で生ピアノでの音色の作り方や表現方法を固めたという感じ。

オンラインレッスンのメリット

オンラインと対面を行き来した私が感じる、オンラインレッスンのメリット。

自分で先生を選べる、合わなかったら変えられる

個人的にはこれが最大のメリットだと思う。オンラインレッスンでは15〜20分程度の体験レッスンやカウンセリングを1000円前後の安価で提供している先生も多い。
本格的にレッスンをお願いする前に気軽にカウンセリングで相談をしたり、体験レッスンで相性を確かめられる。生徒も先生にもメリットは大きい。

数回受けて「なんとなく合わないな…」と感じたときも、精神的にもレッスンを受けるハードルが下がると思う。

移動時間がいらない

自宅にピアノがあるなら、30分〜1時間程度の時間でレッスンが受けられる。ちなみに私はコロナ禍に、どうしても仕事後や土日に時間が取れず、お昼休憩にレッスンを受け、お昼ご飯は仕事しながら食べる!という詰め詰めスケジュールにしたこともある。これは対面じゃ絶対にできない。

対面レッスンは移動時間を含め、なんだかんだ3時間は必要。大人の生徒さんは平日の仕事終わりではレッスンに間に合わない、土日は先生のレッスンが埋まっている…なんてことも。

自宅やピアノスタジオで受けられるので、特に男性にとって抵抗感があるであろう、子どもたちがたくさんいる音楽教室に大人が入っていく…ということもないのがいいよね。笑

通話なしのレッスンもある

オンラインで演奏のレッスンはもう3年くらい受けていないけど、音楽理論レッスンを受けた。

弾いている曲の和声判定をする課題で利用したけど、本当にスムーズ!メッセージのやり取りだけで完結するので、隙間時間で課題をやって送るだけ。
私は先輩が相手なこともあって、普段のLINEでのやり取りの合間に課題を出してフィードバックをもらう便利さにとても感動した。

詳細はこちらの記事に書いています!

楽譜をちゃんと読めるようになりたい!自分が弾いている曲の解釈ができるようになりたい!という人には、音楽理論やアナリーゼのオンラインレッスンは超オススメ。

普段のレッスンの補講的として使える

師事している先生と予定が合わなくて、レッスンができてない…!
コンクールや本番前に他の先生に演奏を聴いてもらいたい!
なんてときでも、オンラインレッスンはとても役立つ。

普段、レッスンしてもらっている先生に聞きにくいことなどを質問する場としてもオンラインレッスンは使えると思う。

動画を送ってフィードバックしてくれるレッスンを提供している先生もいるので、レッスンを受ける時間がない人は動画を送ってコメントをもらうだけでも、全然違います!

オンラインレッスンのデメリット

子どもの頃から対面レッスンに慣れてしまっていることもあって、どうしてもオンラインでは不足していると感じる部分もある。

先生と距離が離れていると対面レッスンが受けられない

地方に住んでいて良い先生が見つからない、大人向けに教えている先生が近くにいないケースなどはオンラインレッスンはとても便利。
とはいえ、それがデメリットでもある。

先生と生徒の居住地が離れている場合は、対面レッスンができない。
そこまで大きなデメリットにはならないけど、対面レッスンができない距離だと他の先生を探すことにもなりかねない。

海外在住の日本人の方で、英語よりも日本語でレッスンを受けたい!という方にはめちゃくちゃ適していると思います。

音の強弱や音色が伝わりにくい

実は、私は3回だけオンラインレッスンを受けた後、対面レッスンへの切り替えを言い渡されている。
なぜなら、生の音が端末を通してデジタル音になってしまうので、細かい音質や強弱の微妙な違いが分かりにくくなるから。

最近は端末のマイク性能も上がっていて、ノイズをカットしてくれる。その機能のせいなのか、ペダルを踏んでいるのに「そこペダル少しだけ踏んでね〜」と言われたこともあった。
ペダルの踏み加減がハーフペダル以下になると、音の微妙な響きをマイクが認識してくれないのかも…

上級者はオンラインだけでは無理

上級者は高い技術や表現が求められる、大曲や難曲と言われるものを弾くことが多い。
上級者向けの曲を人前で演奏することが多い身としては、正直なところオンラインレッスンだけでは限界があると感じたこともあった。
前に挙げた音色も含めて、細かい表現はやっぱり対面がいちばん

小学生や中学生や大人の趣味で「弾きたい曲を弾けるようになる」レベル感であれば、オンラインレッスンだけでも良いかもしれない。
音楽高校や音大受験を控えている、人前で演奏する機会がある、コンクールを受ける、などの場合は対面レッスンも受けることをオススメします。

という感じで、オンラインレッスン体験記を書いてみました!
「これからピアノを初めたいけど、教室に行く勇気はない…」
「仕事の合間にサクッとレッスンを受けたい」
という方は、ぜひ一歩踏み出してオンラインレッスンの体験から初めてみてはどうでしょう。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただきました費用は音楽活動や書籍購入など、自分のアップデートに活用させていただきます!