プレスリリースの配信ミスが起きてしまったら・・・
広報の仕事で避けて通れない、プレスリリース。
企画を考えて、調査や情報収集をして、原稿を書いて、上層部のチェックが入って…とそれなりの工数を費やして、いざ配信ツールに登録して配信予約!
予定通りにいかないことも多い、広報のお仕事。
つい先日、こんなことがありました。
このツイートを見ただけでヒヤヒヤした広報パーソンは少なくないはず。
ミスっていつでも誰でも起こすもの。
万が一のために、経緯と対処方法をnoteに書き留めておきます!
(最後にやることリストを作っておいたから活用してね!)
ぜひ、自分のシチュエーションに置き換えて読んでみてください…背筋が凍ります。
リリースまであと3日…
そもそも配信予定が延期されていた今回のリリース。
無事に内容がFIXしたので、配信ツールに入稿し、最終調整も終わって配信予約完了!あとは月曜日の配信を待つのみ!
余裕を持ってリリースの用意ができると気持ちにも余裕が出るな〜。
リリースまで2日半…
次の日の午後、社長から連絡が。
「ごめん、やっぱりリリース延期…7月に入ってから修正して配信したい」
まだ間に合う!
急いで配信会社さんにメッセージを送信。
配信予約を保留にしました。配信日時が決まりましたらご連絡ください。
コーポレートサイトにアップしていたリリース記事も下書きに。
よし、これで完璧!私もちょっとの予定変更で動じなくなってきたぞ♪
と、これから始まる悪夢を知らずに、週末をエンジョイ。
悪夢が起きた月曜日、配信完了。
安心しきって仕事をしていたら、配信会社のシステムから1件のメールが。
【配信完了のお知らせ】
プレスリリースの配信が完了しましたので、ご報告いたします。
・プレスリリースタイトル
◯◯△△□□✗✗◯◯△△□□✗✗◯◯△△□□✗✗◯◯△△□□✗✗
・プレスリリースURL
https://〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時計を見ると10:07、配信からすでに7分経過。
システムから自動で送られたメールで実際はリリースされていないことを祈りながら、リンクをクリック。
公開されている…
Googleで社名を入れてニュース検索…
しっかりと最上部にリリースが出ている…
配信ツールでリリースをすると、提携しているメディアさんや選定されたメディアさん合計数百社に同時に一斉送信されるシステムがほとんど。
リリースと同時に一斉配信され、メディアが転載などをし始めているに違いない。
こ れ は 大 事 故 !
今回の対処と影響範囲
まずは配信会社に即電話。こういうときはやっぱり電話です。
IT企業ですが、チャットボットだとかメールだとかデジタルだとか言ってられません。
こういうときは電話です。(2度言います)
クレーマーと思われたとしても、すぐに対処してもらわねば!!
予測される影響範囲は↓
①配信会社さんのサービスサイトとTwitter
②配信会社提携のメディア
③ツールから一斉送信されたメディア350社以上
④リリースを自動取得するメディアやTwitterアカウント
⑤Googleの社名でニュース検索した結果
担当者に確認してから取り下げします、と言うオペレーターさんに申し訳ないと思いつつも、食い下がりに食い下がって即時取り下げを依頼。
無事に電話中にサービスサイトからの取り下げは完了。
保留で待たされている間に社長にSlackで報告。
ここまで5分。公開後12分。
それでも①のTwitterから⑤まではまだ残っているはず。
配信ミスが起きた原因は不明。
私が電話で依頼したのは下記。
①影響範囲の確認
②Twitterの投稿削除
③一斉配信されたメディアから転載削除、未転載のメディアへの非公開依頼
④Googleへ検索結果からの削除依頼(キャッシュ削除依頼)
⑤今回のミスが起こった原因調査
⑥経緯報告書と再発防止策
これらの進捗を必ずシステム上のメッセージで報告をお願いしました。
障害やエラー対応ではエビデンスが何より重要です。
言った言わないがあったら、たまったもんじゃありません。
依頼をしてから2時間弱が経過した12:00頃、①②③④までが完了。
影響範囲は予想通り。
保留の対応をした担当者は正常に処理していたが、何らかのエラーで配信されてしまったそうで、原因は引き続き調査が必要。
その日のうちには解決しないという連絡が。
翌日に経緯報告書を受け取り、原因は担当者間の引き継ぎミス。
『何らかのエラー』ではなく『単純な人為的ミス』でした。
まとめ:配信ミスが起きたらやること
ミスやエラーはいつでも起こりうるもの、そして自分も起こし得るもの。
もし、これを読んでいる方が同じようなことが起きてしまった、起こしてしまった時のために、やることリストを下記に置いておきます。
スプレッドシートなどにコピーして自由に使ってね!
【配信ミスが発覚したら最初にすること】
①配信会社のサービスサイトを確認
②社名でGoogleニュース検索
③①&②で配信されていることを確認したら、配信会社に即電話&上長に報告!
【配信会社に依頼すること】
①影響範囲の調査(メディア、SNS、その他)
②元記事・一斉配信されたメディアやSNSの転載記事・投稿を削除
③Googleへ検索結果のキャッシュ削除依頼
④配信後からの対応を時系列で報告
⑤配信ミスやエラーの原因調査と経緯報告
※上記は必ずメールやシステムのメッセージで送ってもらうように!
経緯報告書はPDFなどの文書でもらいましょう。
【配信会社への連絡が終わったらすること】
①プレスリリースのタイトルでGoogleとTwitter検索
②①でヒットするURLを全てリスト化→配信会社へ追加連絡
③上長へ連絡した結果と依頼内容を報告
④必要であれば社内にも共有、SNSなどで拡散しないように周知、投稿されていた場合は削除を依頼
★補足★
配信ミスはとにかく時間勝負。当たり前ですが、時間が経過するごとに情報は拡散されます。
自社のミスで誤配信が起きた場合は、①④⑤⑥は自社で対応しましょう。自社のSNSも要チェック。
配信会社経由で公開されたものは配信会社さんに依頼した方がスムーズに削除依頼などができると思います!
(自社起因や自社ツールの場合は、配信後は対応不可の可能性もあるので、自社で利用しているサービスやシステムの概要や規約を把握しておきましょう)
今回、30分以内に元記事は削除されたものの、経緯報告書によればまだ対応中のものも残っている様子。
私が所属する会社はSNSを積極的に利用していないメンバーが多く、誰も拡散などをしていなかったことも不幸中の幸いでした。
公開時間がたったの15分程度でも数日がかりでの対応で、ネット社会の現代は本当に情報の拡散力が強いと実感した事案でした…
瞬時にここまで対応ができたのは、PM時代に障害や不具合対応を経験していたからこその反射神経みたいなものだな…と後からしみじみ。
危機管理広報にもきっと活きるスキルなので、気になる方はプロジェクトマネジメントの基礎やシステムの障害対応について学んでみると良いかもしれません!
2年目を迎えたひよこ広報が大きな配信ミスを経験したというお話でした!
またね〜!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただきました費用は音楽活動や書籍購入など、自分のアップデートに活用させていただきます!