見出し画像

「人生後半戦の泳ぎ方」一周年を迎えて

「人生後半戦の泳ぎ方」という名の Facebook グループを開始して、今日(2020年6月25日)でちょうど1年が経ちました。

始めた当時は、ちょうど話題が盛り上がってきていた副業に関して、時給1,000円程度の最低賃金に近いような安い仕事をしても大して稼ぎの足しにならない、といった論調のメディアの記事が大変多かった時期でした。これに対して疑問を持ったことと、自分自身が50歳で会社を辞め、自分で仕事を始めた経験で、何かお役に立つことを共有できるなら、と思ったことが、このグループを始めたきっかけでした。

Facebook グループの中では何度も同趣旨のコメントをしているのですが、副業は必ずしもその支払われる金銭対価だけで価値を図ることができないものだと思っています。もちろん、お金を目的に副業をするということは否定できない側面ですが、本業以外の経験がない方には、本業の仕事では接することのない人々との交流が出来ることや、あるいは普段の仕事の中では見られない社会のさまざまな一面を見る、といった要素があって、こうした価値は単純に支払われる賃金だけで測れるものではないと、私は自分の実感としてそう考えています。

こうした副業に対する認識は、ここ最近のメディア記事を見ると随分変わってきたように感じていて、こういったことは大変望ましく、1年経つと変わるものは変わるのだな、と思っています。

また昨年は、早期退職の募集をする企業が大きく増え、それにつれて関連する記事も増えた年でした。副業と違って、早期退職については報道のされ方についても私としてはおおむね違和感のないものが多かったのですが、果たして早期退職するべきかどうかということについて、なかなかその判断の指針となるものがないことは気がかりではあります。もちろん人それぞれに異なる状況で生活をし働いているということを考えると、一概にこういう人が早期退職に応募するべきであるとか、あるいはをするべきでないと言ったことを申し上げることは大変に難しいことです。ただ、ご自身の状況に照らして、どういうところが判断のポイントであるのかということについては、ある程度一般的な判断基準・ポイントというのはあり得るのかと思っており、そういった点については、 グループの中でコメントをこれまでにもしてきたつもりです。

1日に2回、朝と晩に、公表されている記事に対してのコメントを私がつけさせていただく形で展開してきました。開始から1年、今まで1日も休むことはなかったかと思いますから、これまでに合計で700本以上の記事のご紹介をしてきています。時には、イベントの告知であるとかブログなどから引用することもありましたが、1年やって振り返ってみると、後半戦を迎える上で一番大事なことは、やはりマインドセットをどのように変えていくかということだと思います。

環境によって個人の違いはあるかもしれませんが、今の40代後半から50代、60代といった年代の人々は、私も含めて少なくても社会人になった頃には終身雇用が前提であり、一つの会社で副業することもなく働いていくことが当然である、という考え方で職業人生を始めた人たちがほとんどであろうかと思います。その「当然」の中には、働き始めて一定の期間が経てば住宅ローンを組んで家を買い、それに対して20年30年、時には35年という長期のローンを組んで返済をしていく、というような人生の(成功の)方程式というものが信じられた時代でした。しかしこれが90年代に入るとバブルが崩壊し、その後長引く経済の低迷で、こうした成功の方程式もだんだんに怪しくなってきました。

こうした中、企業はバブル後に業績が伸び悩んだこととも相まって、賃金を抑制する方向に走り、その一環として非正規雇用を増やすことにもつながり、だんだんに大企業の社員であるということが幸せな人生になるのか、ということについて、経済面においては高度成長期のような訳にはどうやらいかないらしい、ということがはっきりしてきました。例えば残業代がつく平社員よりも課長になって昇進したばかりの人の方が(一時的とはいえ)給料が低くなる、といったことが当たり前に起きるようになったのが90年代から00年代にかけての事象だったように思います。

そして、2010年代に入ると、リンダ・グラットンさんなどが書いた「ライフシフト」という本が話題になりましたが、そこで提唱された、人生100年時代と捉えるべき、という考え方が広まってきました。そこでは、これまで教育・就職そして老後といった3ステップで人生を考えていたものが、人生の中で複数の仕事をしたり、あるいは学び直しの時期があったりしながら長く働いていく、そういった人生観が必要なのではないか、ということが提唱されています。この「人生100年時代」という考え方は、日本でも随分人口に膾炙した考え方であるかと思います。

そうなると、老後という考え方・捉え方も大きく変わりますし、定年も60歳から65歳、そしてこれからは70歳になろうとしており、そういう中で私たちはどのように働いていくのか。終身雇用もここに来てどうやら本当の終わりが来そうな気配になってきています。

当然のことながら、少子高齢化の中で日本に住む人の人口がこのままでは減っていく。そうなると様々なモノの需要も減りますし、ごたぶんにもれず土地の需要も減る。ということは普通に考えれば平均的に地価も下落していく。そうなると不動産の価値も落ちて行き、マイホームの価値が買ったときよりもかなり安くなってしまうというようなことも十分に考えなければいけない、そんな難しい局面に来ています。

この Facebook グループでは、何か正解を提示して、その通りにしましょうということを申し上げるつもりはありません。人それぞれの人生ですので、それぞれの状況にあった暮らし方をしていくのが最も望ましいと私は思っています。その中で、ただ一つ共通して必要なことは「マインドセットのチェンジである」ということ、これだけは万人に共通することではないかと思っています。もちろん中にはすでにマインドセットが変わっている人もいるのでその人にとってはもはや不要なことになりますけれども、多くの方は自分の両親やあるいは周囲の人々の生活あるいは行動に影響を受けていて、なかなか高度成長期の影響を受けたマインドセットから脱し切れてない、というのが正直なところではないかと私は感じています。

2年目を迎える「人生後半戦の泳ぎ方」ですが、今年に関していうと、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響によって経済が非常に大きなダメージを受けているのが現在の状況です。もちろんこれは案外短い期間で回復するのかもしれませんが、一方で日本は雇用面での影響が出てくるのは、今年の後半から来年にかけてではないか、という予測をする人もいます。COVID-19の感染も収束したわけではなく、これから第2波がくるという予測もあります。いずれにしても、未来がどのようになるかは、なかなかわかることではありません。

そうであるなら、どんな状況が起きても自分は自分なりの仮説を持ち結論を出して、三者三様に自分の道を歩んでいけることが一つの理想だろうと思っています。その出発点になるような考え方であるとか、あるいはマインドセットのチェンジ・リセットのためにお役に立つ情報を、これからも提供していければと思っています。

記事に対してコメントをつけるという基本的なスタイルは当面は変えずに続けるつもりですが、去年テスト的に行ったセミナー的なものについては、今年はこの状況ですのでオンライン実施なども活用して、今後やって行くチャンスがあるのではないか思っています。

グループにご参加されていない方で、ご関心のある方については、ぜひ Facebook のアカウントからグループに参加登録をしていただければと思います。公開グループですので、基本的にどなたでも参加できます。

新型コロナウイルスの影響もあって、あらゆることの先行きが分からない時ではありますが、こうした大変な時期にこそ、次の時代を担う企業が生まれてくるということも言われております。そういったことに期待をしながら、足元を見て日々の生活を守りつつ、同時に遠くを見て希望を持ちながら毎日を送っていければ良いのではないかと、個人的には思っています。

最後になりますが、 Facebook グループへの投稿に対し、日々いただいている「いいね」やコメントについては、運営する側としても大変励まされております。ぜひ今後ともこうしたアクション・リアクションを皆様から頂けるなら、主宰者として大変ありがたく思います。

これまでのご参加ありがとうございます。そしてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?