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セオリーを部下育成に活かすコツ

これまで10回にわたり「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」を参考に、リーダーとして部下の目標達成力向上に向けた指導へのエッセンスを綴ってきました。これまでのnoteはこちらのマガジンをご覧ください。

まとめとして、本書の「あとがき」より各章のエッセンスを引用します。

本書で紹介してきたように、目標を達成できる人には、9つの共通する習慣があります。

1.明確な目標を持っている。
2.if-thenプランの形で「いついつになったらやる」と計画している。
3.現状と目標までの距離に目を向けて「目標に近づくために何をすべきか」に焦点を当て、モチベーションを維持している。
4.成功できると信じている。同時に、成功は簡単には手に入らないと考えて、努力を怠らない。
5.最初から完璧を目指さない。失敗を恐れることなく、少しづつでも進歩することを考えている
6.どんな能力でも努力で身につけられると信じている。どんな困難でも「やり抜く力」を持って当たることができる。
7.意志力も鍛えれば強くなることを知っていて、習慣的に鍛えている。筋力と同じように、意志力も使いすぎれば消耗することを知っている。
8.誘惑をできるだけ近づけないようにしている。意志力で誘惑に打ち勝とうとはしない。
9.「やらないこと」ではなく「やること」に焦点を置く。

改めてまとめてみると、これは一人の人間としての目標達成セオリーであると同時に、リーダーとして考えるべき組織の目標達成セオリーにも成りえると感じました。上記の主語を「自分は」から「我々は」に置き換えることで、チームとして今補うべきことを考える参考になると思います。

いづれにしてもこうしたセオリーを効果的に活用する最大のポイントは、過剰に期待しすぎないことです。「これをやれば誰でも絶対成功する!」なんていう、個人や状況の違いを超えて再現性が完全に担保されている便利な方法論なんて、あるわけないのです。

こうしたセオリーは「ゼロベースで試行錯誤するよりはまし」ぐらいのものであり、「車輪の再発明をしない」とか「巨人の肩に乗る」などの表現もありますが、やってみて今よりうまくいけばラッキー!ぐらいに考える方がうまくいきます。

部下にこうしたセオリーをインプットする時は、この期待値のコントロールに十分配慮しましょう。「参考の一つと思って聞いてほしい」として、「もう少し詳しく知りたければ本を読んでみて」と主体を本人を渡しましょう。

何にせよ、社会人における指導においてまず優先すべきは、情報提供だと思います。山本五十六の「やってみせ・・・」よろしく、背中を見せるのも情報提供の一つですし、部下が困っていることに解決策を持っている人や書籍を紹介することでも全然良いと思います。

「その部下が成長したのは自分の指導のおかげ」だと思いたいがゆえに自分で直接教えたいという気持ちは誰にでもあります。自分もかつてはそうでしたが、それはエゴだと気付きました。リーダーが部下にするべきことは、部下やチームが今より少しでも前進するための情報提供、その活用や鍛錬のコーチングです。自分がその主語である必要はありません。

ちなみにこうしたセオリーに対してだけではなく、かつて偉大なカリスマリーダーのいた組織の部下などに対してもそうですが、絶対的な信仰はいつしか盲目的になり、人から自由な思考を奪うと同時に発想を制約してしまうことがあります。

言われた指示をこなせばよい、事前に覚えたスクリプトを読めばよい、シチュエーションに会ったフレームワークをはめればよい、、、

また「守・破・離」の教えを誤解し、特に「守」を盲目的従属のロジックに仕立て、とにかく黙って言うことを聞けというリーダーは、結果的に人を活かせないことも少なくないのではないでしょうか。

まずは自分に起こった結果を全て主体的に引き受けることが成熟への第一歩であるという価値観が整えつつ、こうした先人達や実験の結果から得たセオリーをチームメンバーの育成支援にうまく活用していきたいものです。

お薦め書籍

部下の目標達成力を高めるための武器を一つでも多く手にしておきたいというリーダーに、もちろん自身のそれを更に高めたいという方にもうってつけの本です。何といっても簡潔で読みやすいのがお勧めです。

本の概要を知りたい場合はこちらの動画がおすすめです。

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