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ベルリンでのレイオフと転職

こんにちは!この記事はエンジニアと人生 #1 Advent Calendar 2023の18日目です🎄

昨年、ベルリンに移住し転職した経緯について書いたばかりですが、わずか1年で別の会社に転職しました。この記事では、前職の経験、転職の経緯、転職活動の詳細、そして今後の展望についてお話しします。

前職について

前職は、ドイツ鉄道の子会社である Mobimeo という社員数が200人弱の会社でした。電車やバスなどの公共交通機関、レンタルできるキックボードや自転車などを利用して目的地までのルート案内をする交通系のモバイルアプリを開発するiOSエンジニアとして働いていました。社員の半分程度がドイツ人でしたが、会社の公用語は英語で、ほとんど全ての会議やコミュニケーションは英語で行われていました。

働き方や、コミュニケーションの取り方など、さまざまな点で前々の職場である日本企業との違いに驚かされたことを覚えています。

タイムカードなど労働時間を管理するものは無く、基本的に、9時に出社すれば17時ごろには退社しますし、会社のパーティは金曜日には行われません。

体調不良で休むことはとても簡単ですし、30日の有給とは別に10日間の教育的休暇、冠婚葬祭、自分や家族の誕生日、引っ越しなど、さまざまな特別休暇が用意されていました。日本人の私の感覚では、休みが多すぎると思うほど、みんな簡単に休みを取ります。

コミュニケーションは、全体を通してかなり直接的ですが、インシデント後の振り返りのポストモーテムでは関係者を傷つけない丁寧なやりとりが印象に残っています。

入社後の数ヶ月はドイツでの生活にまだ慣れておらず、同僚達にたくさんのサポートしてもらいました。週末に少し離れた観光地に行く小旅行、日本食レストラン、BBQ、クリスマスマーケットなど、同僚が主催したさまざまなソーシャルイベントに妻と参加しました。

上司には、最初に入居した家にまつわる問題で、WIFIが使えなくなったり、暖房器具が壊れたりと、ドイツ語が喋れなくクレームをどう伝えればいいか分からない僕の代わりに、エージェントにメールを送ったり電話していただいたり、たくさん助けていただきました。

退職した今でも、ドイツに移住後の1社目がMobimeoで良かったと思えるぐらい素晴らしい人々でした。

最終出社日


レイオフと転職活動

入社してから1年も経たない5月ごろに、今度サービスの継続が難しくなることが分かりました。その後、毎月のように色々な情報が開示され、僕を含む半分程度の社員の仕事がなくなること、ドイツ鉄道内のIT部門や、他の姉妹会社のオープンポジションへの移籍の提案、退職同意とそのパッケージが用意され、行動が早かった一部の同僚たちの送別会がどんどん行われました。

そんな中、行動が遅く楽観主義の自分は、ドイツ鉄道内でポジションが見つかると期待しつつ日々の業務を行っていました。しかし、ドイツ語が話せないためドイツ鉄道内でのポジションは難しいことに気づき、2023年の9月初旬に退職同意書にサインして、4ヶ月程度の働かなくても社員でいられる権利 "Garden Leave" を手に入れました。

Garden Leave期間中は、初めてドイツ語のオンライン集中講座を受けつつ、毎日LinkedInでオープンポジションを探して応募していました。

6月頃に妻が妊娠が発覚しており、仕事を失うことやそれに伴うVISAの失効、妊婦の妻と日本に帰らなければいけなくなる未来を妻と一緒に心配しながら、毎日を過ごしていたことを覚えています。

LinkedInでベルリンのiOSエンジニアのオープンポジションを探し、企業やサービスについて調べ、気になったら応募していました。直属の上司に履歴書をレビューしてもらっていたおかげか、昨年の転職活動時より書類で落ちることは少なかったです。書類で通ったあとは、HR面接、技術課題、LIVEコーディング、技術面接、マネージャ面接、チーム面接、バーレイザー面接など、さまざまな面接がありました。

20社ほど応募した中で、最終的に2社からオファーを頂き、無事、10月中旬に転職活動を終えることができました。

転職先について

現職である転職先は、SumUpという、ヨーロッパを中心に、中南米、アメリカ、オーストラリアなどに多くの国で、Squareのような小売業向けに決済サービスを展開しているフィンテック企業です。さまざまな国で20箇所程度のオフィスがあり3000人を超える従業員が在籍しています。私が働いているベルリンのオフィスが一番大きく、900名程度の従業員がいます。

前職に引き続きiOSエンジニアですが、今回は機能開発チームではなく基盤開発チームで、モバイルエンジニアが必要なさまざまな基盤を開発、保守、運用する仕事をしています。関わっているプロジェクトは巨大で複雑で、慣れない環境の中で刺激的な日々を過ごしています。まだ働き始めて1ヶ月しか経っていませんが、今までの会社の規模では得られなかった多くの経験が出来ていると思います。

今度の展望

3月が出産予定なので、まずは落ち着いて妻の出産のサポートそして育児ができるよう早く仕事に慣れ、無事に試用期間を終えたいと考えています。また、基盤開発チームの一員としては社内のiOSエンジニア達が快適に開発が行え、機能開発チーム達が柔軟に新しい機能を追加し、安定して既存サービスを柔軟に変更できるよう貢献していきたいと思います。そして個人としても、ドイツで経験した事、社内で学んだことなどを定期的に発信できればと思っています。


最後に、今回の経験から得た教訓は、大きな変化が訪れたときには迅速な対応が不可欠であるということです。私は5月の段階で、転職活動を始めるべきでしたが、実際に始めたのは3ヶ月後の8月です。

同僚の中には最初のアナウンス後にすぐに履歴書を更新し、転職活動を始めた人もいました。そして具体的な退職勧奨が始まる前に新たな職場を見つけ、無駄な心配や不安、経営陣との対立が起こることもなく、自分の人生をコントロールしているように見えました。

これからの自分の人生には、期待していない大きな変化もたくさんあるだろうし、その多くはコントロールが難しいかもしれませんが、直接的、間接的に影響を与えられるものも多いと思います。2024年には、新たな挑戦に立ち向かい、職場や人生において積極的な選択肢を持つために、スキルを磨き続け、新しい機会を追求し続けたいと思います。


P.S. 
ヘッダー写真の「Zug fällt aus」はドイツでよく見かける「電車がキャンセルされました」という意味です。意外かもしれませんがドイツの電車は遅延、キャンセルがとても多いです。後続の列車達もキャンセルされていることが多いので他のルートを探す必要があります。


ベルリン移住と最初の転職に関する記事はこちらです。

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