青山泰

Aoyama Tai。ライター&編集者。山口県生まれ。慶応大学法学部法律学科卒業。週刊…

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Aoyama Tai。ライター&編集者。山口県生まれ。慶応大学法学部法律学科卒業。週刊誌で事件取材、皇室取材などを担当。月刊誌や季刊誌、医学書や実用書の編集。趣味はスパイスカレー作り。32種類のスパイスを常備し、究極のカレーレシピ作成のための試行錯誤を続けている。

最近の記事

青山泰の裁判リポート 第5回 独身と偽って婚活パーティーで知り合ったシングルマザーを、自殺に見せかけて殺害したのか?

2024年3月4日、東京地裁715号法廷。 渡辺被告は、両脇を警察官に挟まれて、まっすぐ前を向いて無表情で入廷してきた。 被告人の渡辺毅(仮名・45歳)は、婚活パーティーに参加して、シングルマザーの石本真由美さん(仮名・37歳)と知り合い、2018年から交際を始めた。 2年後、真由美さんは妊娠したが、渡辺の希望で中絶。何度か別離と復縁を繰り返して、真由美さんは再び妊娠。 被告人はプロポーズして、新居を探すために一緒に内覧会へ行ったりしたが……。 渡辺は、8年前に結婚していた

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    • 青山泰の裁判リポート 第4回 友人の10歳の娘に性的暴行を繰り返した男。卑劣すぎる犯行は、8年後にようやく発覚した。

      2023年4月10日、東京高裁720号法廷。 被告席に座ったのは、濃いグリーン色のセーターに白いシャツ姿の中年男性。被告の青田康司(54歳・仮名)は大柄で、眼鏡をかけたロマンスグレーの紳士のようにも見えた。 青田被告は、一審で懲役5年6月の判決を受けたが、判決に不服で控訴していた。罪名は強制性交等罪(※犯行時の罪名は強姦罪)で、被害者のA子さん(当時10歳・小学4年)に性的暴行を加えた容疑だ。 ※2017年7月に施行された「強制性交等罪」は、それまでの「強姦罪」で適用外だ

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      • 青山泰の裁判リポート 第3回 劇団女優を夢見て上京した22歳女性は、なぜ同棲相手のホストを刺したのか?

        2023年3月7日、東京地裁715号法廷の傍聴席は満員だった。廊下には、15人以上の傍聴希望者が列を作っている。 被告人の名前は内藤亜紀(仮名・22歳)で、罪名は殺人未遂。 法廷に現れた亜紀は黒パンツスーツに白ブラウス姿。小柄で丸顔、肩までのストレートヘアの前髪をサイドに流している。きりっとした眉が印象的な彫りの深い顔立ちの女性だ。 2022年6月、亜紀は同居していた高橋祐樹さん(仮名・29歳)の背中をペティナイフで何度も刺した。2人は、ホストクラブのキャスト(ホスト)と

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        • 青山泰の裁判リポート 第2回 母親を暴行死させた36歳の息子は、10歳から家事と育児に追われる“ヤングケアラー”だった。

          ≪実の息子から50回以上も暴行を受けた母親は、意識不明のまま5か月後に死亡した≫ 検察官による冒頭陳述で、傷害致死事件の概要が読み上げられた。 2022年7月、佐久間康彦被告(仮名・犯行当時36歳)は、自宅で実母(55歳)の顔や身体を一週間にわたり、計50回以上、殴ったり蹴ったりした。被告人が「母親にしつけのつもりで暴行したが、今日は当たり所が悪かったのか、意識がなくなっている」と119番通報して病院へ。顔や身体に多数のアザがあり、胸骨・肋骨骨折、全身打撲などの重傷だった。

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        青山泰の裁判リポート 第5回 独身と偽って婚活パーティ…

          青山泰の裁判リポート 第1回 リベンジポルノをめぐり、元カレを刺殺。19歳女性の遅すぎる懺悔

          東京地裁810号法廷。傍聴席には若い女性の姿が目立った。 女性弁護士がゆっくりと優しい口調で、被告の山岸彩乃(仮名)に質問した。 ――お母さんに言いたいことはありますか? 「人を殺した娘になってしまい、申し訳ありません」 静まり返った法廷に、証言席から涙声が響いた。 ――亡くなった高井健太さんに対しては? 「絶対に許されないことをしてしまって……。もう会えないのか、と思って。でも会えない状況にしてしまったのは私なので……」 彩乃は黒のパンツスーツに白シャツ姿。小柄で丸顔、

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          青山泰の裁判リポート 第1回 リベンジポルノをめぐり、…