三甲美術館『女流画家展』と常設展示・その2
上村松園『春駒』
名都美術館にも上村松園の春駒図はありますが、こちらは扇面。
春駒は、新春の門付からお座敷の出し物にもなった芸。縁起物の画題なので、初釜の茶室の掛物などには、さぞ映えることでしょう。
ここでは、洋式の展示室をちょうど出るあたり、白い柱に額装されてかけられていますが、それでも扇面という形から、初春の穏やかな風が薫るかのよう。
女流画家展の〆ともいえる場所にありましたから、たっぷりと個性を味わった後に添えられる、ゆかしい上村松園の小品は、まるで、揺蕩う残り香に見