ジャネール・モネイ

年末年始の休みの間に、たまたまNetflixの映画「グラス・オニオン」を観ていたので、このインタビュー記事を読んで、Janelle Monaeさんのファンになってしまった。彼女は俳優、そして同時にミュージシャンの顔も持っている。この記事を書きながら、彼女の2018年の作品「Dirty Computer」を聴いている。

今回は記事の内容に触れない事にする。というのも映画「グラス・オニオン」のネタばれになる内容なので、観ていない人は面白いので映画を観てから記事を読むといい。ということで、英文が読みやすくなるように英語表現の解説をすることにする。ここにある表現が使えれば格段に英語力は上がるだろう。この記事の日本語版は既に、ここにあるので原文と読み比べるのもいいだろう(*後で気がついたけど、ちょっと酷い翻訳記事だった)。しかし、原文インタビュー記事の5分の1も翻訳されていないので残念だけど…

Enveloped in a faux-coyote-fur armchair, she wore a houndstooth top hat over her dyed-blond hair, a tweed black-and -white skirt with a matching tie, and platform saddle shoes - Catholic schoolgirl meets "A Clockwork Orange"

モネイさんの立ち振る舞いを表現した文章であるが、「Enveloped in〜」という使い方は私にはできないから、こういう使い方は覚えるしかない。「Catholic schoolgirl meets "A Clockwork Orange"」という表現も若い人は分からないかもしれない。私の大好きだったスタンリー・キューブリック監督が同名小説を映像化した作品だ。まずもって、今の若い人はスタンリー・キューブリック監督を知らないだろう。私が最初に観た彼の作品は「2001年宇宙の旅」だ。リアルタイムに劇場公開を観たわけではないが、リバイバル公開を劇場で観た記憶がある。ワイドスクリーンで迫り来る宇宙空間の広さと、宇宙ステーションに閉じ込められた少数の人々の制限された生活、この対比に強い印象を受けた。まだスター・ウォーズも公開される前だ。私がスタンリー・キューブリック作品をリアルタイムで観たのは、ジャック・ニコルソンの「シャイニング」。ジャック・ニコルソンも大好きな俳優の一人で、彼が徐々に猟奇的な殺人者に変わっていく様は、今観ても恐ろしい。なぜか、この冬休みに私の中学生の娘が、「シャイニング」を観たいというので、彼女と一緒に観た。彼女曰く、映画の序盤からジャック・ニコルソンは気持ち悪くて怖いという。まあ確かに、笑顔であっても目は笑っていない彼の表情は不気味だ。おっと、私の映画評論を書く場ではないので、話を「時計仕掛けのオレンジ」に戻そう。この映画は、かなり後になって観たけど、セックスと暴力に溢れ、欲望を果たすという自由が秩序という社会の中で折り合いがつかないという話を前衛的な影像で描いているので、教会の教えを信じてやまないカソリック教の高校生が、この時計仕掛けのオレンジを観て衝撃を受けてしまった例えとして、「Catholic schoolgirl meets "A Clockwork Orange"」という言葉が出たのだろう。じゃあ、私のような無宗教な人間が同じような表現をするなら、「Chaste schoolgirl meets "A Clockwork Orange"」と言うべきか?でも理解できるかな? 何にしろ、いつでも、自分で言える表現法を考えながら文章を読むといい。(*上述で紹介した翻訳文は、「Catholic schoolgirl meets "A clockwork Orange"」を無視している!仕事早くても、ちゃんと訳されていないと、原文を書いた記者の表現者としての立場を否定しているように感じるので嫌だ。だから、原文が読めるようになると、いいよね。機械翻訳かな?)

With her tuxedos and protruding pompadours,

彼女の容姿を説明している文節の一部だが、「protruding pompadours」という「protruding」という使い方を知っているといいかも。私だったら「jutting pompadours」って言うかもしれないが、こう言ってもいいのだろうか?

she came out as pansexual, and last April revealed herself to be nonbinary.

ここで、「pansexual」も「nonbinary」も初耳だった。多様化するセクシャリティーに目を向けたことが無かったので、もう少し意識しないといけないね。

"freeassmuthafucka"

nonbinaryとしての彼女が、第3者を指す時に使う言葉だ。モネイさんの造語なんで、翻訳記事でも何もできていない。まあ、私も何もできない。なんて発音したらいいのかも分からない。まあ、これは私も原文のまま、放置する事になるだろうか。

Monáe has embarked on a surprisingly earthbound acting career.

ここで「embark」の使い方は知っているといいだろう。「乗船する」という意味だけ覚えていても、「embark on」と使えなくなる。キャリアを始めるという意味になるので、使えるようにしよう。

「deglamorizing」もちょっと難しい単語だろう。「glamorize」は美化するという意味なんで、その反意語に成り、「魅力を失う」でいいような気がするが、翻訳記事では、「軽蔑する」になっている。うーん、なんか違うと思ったが、皆さんどう思う?

「bells and whistles」は慣用句として覚えておかないといけないだろう。私は当然のように初めて知った表現なので、覚えるべき単語リストに追加した。

「whodunnit」も私は知らない単語だったけど、推理小説という意味だ。翻訳記事では、「フーダニット」と訳している。え!そりゃないでしょ。

Our conversation—which ended with its own surprise twist—has been edited and condensed.

ここで「condensed」の使い方が私にとってポイントになる。私なら「summarised」を使ってしまうだろう。自然に、「condensed」と言いたい。

Yeah, spoiler alerts!

「spoiler」は、ネタばれ、そして「spoiler alert」は「ネタばれ注意」なんで、覚えておこう。

この翻訳記事は、この「spoiler alert」を「スポイラー警告」と訳しているが、ちょっとこれは酷いと思う。実は、変な訳文に溢れていて、何を言っているのか分からなくなる。次の文章で英文書ける?

ボーイズ & ガールズ クラブでも働いていたので、高校を卒業したばかりの子供たちにお金を稼ぎ、ニューヨーク市の学校に通うように教えていました。

GAMINGDEPUTY

原文は、「I also worked at the Boys & Girls Club, so I taught kids fresh out of high school to earn money to go to school in New York City.」なんで、無茶苦茶な翻訳文だ。「living paycheck to paycheck」をそのまま直訳の「給料から給料まで生活し、」にしている。いやあ、多くの人が給料から給料まで生活しているけど、そういう意味じゃ無い。

But as I’m continuing to climb I try to stay grounded and remember where I’ve come from—and also talk to the people in the room who are taking care of us, from the janitors to the teachers to folks like my grandmother and my mom and my dad, who put on uniforms every day.

この文章の訳文も酷いものだった。もうこれ以上解説は止めておこう…

翻訳文はここで終わっているけど、原文のインタビュー記事は長く、話題は展開しいて面白い。

翻訳文の質の悪さを弄っていたら長くなってきたので、今日の話題はここで止める。多分、この翻訳文は機械翻訳だけで校正無しで公開しているのだろう。もし、翻訳者が手掛けているのなら、残念な事だ。

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