本来なら価値を生み出す能力のある人間だけ働けばいい

 能力の無い割になんだかんだ日本の奴隷労働で生き延びてきたが、その中でそれなりに多くの人間を見てきた。入社出来た企業があまり言葉は良くないが、今で言う所の底辺企業だというのでなんの参考にもならないけど、それでも個人的な考えを言うと、会社の中で価値を生み出す、能力の高い人間はほんのわずかだ。

 ほんのわずか。ほんの一握り。俺にも当てはまるが、それ以外は正直いなくてもいい。ただ、そいつらが存在する意味を持たせる為にも、言い訳として労働をしているだけに過ぎない。俺を含めた、超ドライな言い方をすると、なんら価値を産み出せない人間が存在する為の言い訳として、労働があるだけだ。これはきっとどこの国でも当てはまるんじゃないかな。

 周りを見渡してみても、正直この人いてもあまり働いていないなとか、この人いる意味あるのかと言う人、またこの人いったい何をしているんだろうかって人、結構いないだろうか?

 その感覚は間違っていない。働いても何も具体的に価値を生み出していない、繰り返すが俺を含めた価値を生み出す能力の無い人間は、正直働くのを辞めた方がいいんだよね。

 だがそういう奴らでも生きて行かないといけない。金がいる。その為の、聞いたことがあるかもしれないが、最低限の所得保障であるベーシックインカムだ。

 でもベーシックインカムが実現するには、きっと気の遠くなる年月が掛かるだろうから、まぁ期待なんてしない方がいい。少なくとも俺が生きている間は実現しないだろうから。

 日本人には自分の人生の本当の幸福について、考えたくない、むしろもっと突っ込んだ事を言うと、自分の人生にすら責任を取りたくないと言う思考がある。自分の人生に対して責任を取るのが怖いから、日本人に宗教の様に蔓延している、根強い正規雇用信仰で、それ以外の人間はゴミ扱い、むしろ存在していない者として扱っているんだよね。

 何故なら皆、自分の人生に責任を取って、自分の人生の幸福の為に何かしらリスクを負って行動する事を実のところはやりたくない。考えたくもない。何故なら考えない方が楽だから。これもさらに言うと、労働をしていて自分の人生の時間を売れば、毎月必ず給料が入ってくるからだ。労働は麻薬みたいなもんなんだよね。誰かに従っていれば何も考えなくていいからさ。

 断っておくが働いている人を否定するつもりもない。今のところ多くの人間が働かないと金を貰えないからだ。だがいつか働くことは最小限になり、多くの人間が自分で何か価値を生み出していくことでしか、完全に生きていけない世の中になると思う。と言うか、既にそうなっているか。

 自分で価値を生み出すのは大変なことだ。しんどいことだ。だけど、嫌な気持ちを押し殺し、毎日奴隷労働をし続けた先に、虚無感や自分の存在意義の崩壊が待っていると想像できたのなら、何かしら自分の興味のある事を少しずつ始めていくしか、きっと自分を救う方法はないんじゃないかな。

 少なくとも、国が言う所の子供がいれば幸せ、家があれば幸せ、と言った持てば幸せと言う価値観に従った先には、当人が思う所の幸福は存在しないだろう。

 しかしこうした考えもあくまで俺の考えなので、いま現時点でそれなりの所得と物を持っている人間は、その状態でいいのかもしれない。ただ満たされない気持ちがあり、それでも嫌な労働をし続けた先に、人生の正解はあるのかは誰にも分からないので、死ぬときに後悔したくないのなら、きっと考える必要がある。それほど日本人に蔓延した、こうあるべきと言う呪いは強い。俺もそんな呪いの所為で苦しめられている。自分で何かしら産み出したいとは思い、行動しなければと考えているがな。やっぱ歳を取り過ぎたね。金も無いし。でもこれも言い訳だからさ。