何歳からでも挑戦しないと生き残れない社会は酷だよな

 日本の硬直した社会の雇用システムに嘆く人間はちょいちょいいて、そして海外の何歳からでも挑戦する姿勢を評価し、日本と比較し日本を批判する人間はそれなりにいるが、ちょっと考えなくても何歳からでも挑戦しないといけない社会は酷だよなと思う。

 少し前に何かの記事で見たが、シンガポールと言う国が40歳以上がレイオフ(解雇の意味)されても、雇用の幅が広がる様に、確か職業訓練期間中の生活費を全額補填する制度を国を挙げて開始した様だ。

 これ自体は素晴らしい事だが、何歳からでも挑戦しないといけない、挑戦しないと生き残れない社会は、多くの人にとって酷だろう。何故なら年齢を重ねれば体力や思考も落ちる。

 聞いた話でしか物を言えないが海外なんて、役職関係なく経営が悪くなければ問答無用で解雇される様なので、汎用性のあるスキルがある人間もそうでない人間も、新しい環境に飛び込んで行くのは、年齢経過毎になかなかキツいと思う。

 かと言って未だに残っている日本型雇用の、昭和の和を重視する様な、他人のビジネスに自分事の様に、大したメリットも無いのにコミットさせられるのもなぁ。以前俺もやっていたが、何の興味も欠片も無い他人のビジネスを、真面目に取り組んでいる振りってキツいんだよね。何故なら自分を騙しているからさ。だが喰う為には心を無にしてやるしかないんだわ。

 日本さんもアメリカさんの植民地だから、リスキリングリスキリングと五月蠅くなってきた。そうしなければ生き残れない世界と社会になっているのは分からなくはないんだけど、大抵の人間がもう淘汰と選別を産む勉強なんてしたくないでしょ。

 あれだ、日本人は勤勉で真面目とかって言うイメージがあるけど、その感覚は戦後の焼け野原から、偉人達がやるか死ぬかの二択を迫られて、結局やらないと死ぬしかないから、勤勉で真面目になったに過ぎないんだよね。

 今の様にほぼ何でも揃っていて、単純奴隷労働でもそう簡単に死なないとなると、大抵の人間は堕落するに決まっている。でもその堕落もインフレによりいずれ出来なくなるだろう。

 かといって先の事をちょっとでも考えると、国の力が落ちて生活保護なんて簡単には貰えなくなるのは容易に想像できるし、金銭の価値も今以上に落ちているだろうから、ほぼ何も買えなくなるかもしれない。

 で、上記の事を踏まえて最終的に個人が行き着くのは、

 労働力として強くなり続けるか、
 自分の価値を高めてなんらかの価値を提供する側に回るか、
 ある程度の資本を貯めて外貨建て資産を買い続けるか、
 ある程度の資本を貯めたら運用し外貨を稼ぎつつ、フルタイムから離脱し、少しでも自分で食料を生産しつつ、軽微な労働で体の負担を減らし生きて行く、

 しかないのかなと。

 俺を含めて頑張りたくない人間が恐らく大半だろうけど、死ねないのなら生きる為に頑張らざるを得ない社会になってしまっているので、これもこれで酷だよなぁ。文字通り死ぬまで働かされるからよ。
 
 何かの動画で観たけど、本来は縄文時代の様に農耕や狩り、自給自足で食料を賄い、一日4時間労働の方が日本人にとっては幸せだったのかもな。

 縄文時代も縄文時代で争いや不便は十分にあったと思うが、それでも今の時代の様に朝から晩まで奴隷の様に酷使され、病気になったり健康を損なうリスクまで負い、他人の本当はクソどうでもいいビジネスの為にコミットさせられるよりかはマシだと思う。と、夢想してみるが、現実に戻れば、やはり金はある程度必要なので、頑張るしかないのである。

 金至上主義の、奴隷労働推進人権蹂躙国家のヘルジャパンは、貧乏人には鬼の様に厳しいからなぁ。それでも北朝鮮やアフガニスタンの様な地獄に産まれるよりかはマシと考えても、少し調べるとどこの国もその国固有の苦しみはやはり存在する様だから、どこにも楽園はありませんな。せいぜい人間が本当の意味で救われるのは、死ぬ時くらいだろうね。