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簡単に伝わらないのは、当たり前

沖縄県の学童クラブで働いている学童保育士です。 #学童の日常 を、noteとtwitterにて気まぐれに更新中。

元気いっぱいでユニークな子どもたちと、毎日を過ごしている。一斉休校の影響で1日保育が続いた先月、子どもたちにこんな声かけをしている自分に気づいて、ハッとした。

「話しているとき、しゃべるのはやめて!」
「危ないから、走らないで!」

「〜しないで」は、伝わりにくい

私が前職(発達障害のある子に対する療育指導員)で学んだ伝え方は「具体的に、肯定語で。」

「〜しないで」「〜はやめて」というような否定語は子どもに伝わりづらいし、かえって望ましくない行動が増えてしまうこともある。(例えば、「転ばないで!」と言うと本当に転んじゃう、みたいなこと)

やめてほしい行動の代わりに、やってほしい行動を伝えるべし。

そうだったそうだった。一呼吸おいてから、言い直してみる。

朝の会でおしゃべりの止まらない1年生たちに向かって

「お口チャックで話を聴いてね」

大興奮して室内を走り回っている男の子たちに向かって

「歩くか座って、遊んでね」

するとやっぱり、ずっと伝わりやすい。

「〜しないで!」と10回怒鳴るより、「〜してね」と3回はっきりと言ったほうが伝わるのだ、実際のところ。

言うは易く行うは難し。人間だもの

とはいえ、頭でわかるのと実際に行動できるのは別問題だ。第一、こうした否定語が出るのはだいたい、こちらが切羽詰まっているときである。

「ああ危ない、早く止めさせないと…」
「時間がないのに、全然静かにならない…」

焦りがあるときこそ、「〜しないで!!」という言葉が出てくる。

それでも一度息を吸い直して、「やめてほしい行動」を「代わりにやってほしい行動」に変換してみる。なかなかの鍛錬が必要だ。

ちなみに、同じようにやってしまいがちなのは抽象的な伝え方。「ふざけないでちゃんとやって」「正しく片付けて」こう言ってできないときは、伝わっていない可能性がある。「おへそを前に向けて座って」「ロッカーにかばんをいれて」など具体的に言い直すとすんなりできてしまうことは多い。

前職でもお世話になっていた、こちらの声かけ表。久しぶりに見たけれど、改めて参考になる。

もちろん「伝え方」がすべてではない。伝わっているのにあえて違う行動をしているときもあって、その場合は、「なぜその行動をとるのか」とその子の行動の理由を考えて、関わっていくことになる。(これについては、またいつか別の記事で…)

いずれにせよ「何度言ってもなぜわからないの?」と相手のせいにする前に、まず「この言い方では伝わっていないのでは?」と考え、こちらの伝え方を変えてみること。伝わらなければ、何も始まらない。

書きながら思うけれど、これは対子どもの話だけではなく、大人に対してもまったく同じことが言えるよなあ。対・家族、恋人、友人、同僚、その他もぜんぶ。

仲の良さには関係なく、人の情報処理の仕方や受け取り方はみんなちがうから、簡単に伝わらないのは当たり前。試行錯誤して「伝える」ほかないのだ。

人間だもの、はじめからうまく伝えられないこともある。焦ったりイライラしたりして、考える前に言葉が飛び出てしまうこともある。

そういうときは、何度も伝え直してみたら良いと思う。一度でうまくいくことを目指すよりも、うまくいかないときにちがう方法を試せるようになろう。

そんなことを思い、「伝わったつもり」になっていないかどうかを、今日も振り返る。

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