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作家の日々

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2019年11月の記事一覧

毎日小説を読んだら〇〇になる件 2019年11月

毎日小説を読んだら〇〇になる件 2019年11月

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 皆さんは、わたしがこんなエントリを連載していたのを覚えておいででしょうか……?

 毎日のように小説を読み続ける生活を行なった谷津がどうなったのか、というモルモッ……企画でした。念のため言っておくと、これはわたしを対象にした実験でして、吉と出るかそれとも凶と出るかは誰にも分かりません。もしかしたら一年後には作家として大爆死している可能性すらありますが、それすらも一種のエンタメとして楽

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そろそろ和服に戻ります

そろそろ和服に戻ります

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 この前のサイン会でも多くの作家さんや書店員さん、お知り合いの方から

「あれ? 谷津さん、和服じゃないの?」

とびっくりされてしまいました。
 参考までに。

 このお写真のコアラ(佐藤青南先生)の右で顎に手をやっている眼鏡若作りおじさんがわたしなのですが、そう、最近私服で歩き回っていました。
 もちろん遠方という事情もありましたし、取材に行っていたということもあったのですが、実は

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瓶詰めの手紙を受け取ってくれた人がいる(紀伊國屋書店久留米店合同サイン会にて)

瓶詰めの手紙を受け取ってくれた人がいる(紀伊國屋書店久留米店合同サイン会にて)

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 先日は、紀伊國屋書店久留米店さんでの合同サイン会でございました。
 実はそれより前に取材に行っていたのですが、すみません、着手前の仕事なので具体的なことは何一つ申し上げることができません……。というわけで、サイン会のお話だけ。

 本当に良いサイン会でした。
 九州の皆様温かい! たぶん皆さんもお察しの通り、わたし谷津矢車はとんでもないコミュ障作家なのですが、テンパり気味のわたしをな

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今、己にとって切実な

今、己にとって切実な

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 よくわたしが話している逸話なのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、デビュー時に本を担当してくださった編集者さんが、デビュー作の企画の際(注:わたしは受賞デビューした人間なのですが、受賞作があまりに地味だったので作品化せず、新規に企画書き下ろしをしてデビューしました。それが『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』だったのです)こう言いました。

「今の谷津さんを書いてください」

 実は受

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節酒しようと思います

節酒しようと思います

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 作家になってからというもの、酒好きで通っています。
 いや、作家になる前はむしろ不得手でした。いや、サラリーマン時代は日本酒で乾杯は当たり前、明日も仕事なのに三次会まで飲むのがデフォルトの環境で、作家になってから、「こんな温い飲み方で酒豪扱いされるのか!」と驚いた次第です。おかげで現在、割とお酒周りでは楽をさせていただいており、基本的には致命的なことにならずにやっていけております(い

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電動歯ブラシを買ったぜ

電動歯ブラシを買ったぜ

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 すまん、日常ネタなんです。
 タイトルそのまんまなのですが、電動歯ブラシをまた買いました。
 実は人生の中で、何度か電動歯ブラシを買っています。安いものは400円、高いものは10000円くらい。その都度様々な事情で使わなくなってしまっていたのですが、ふと思い立ち、3000円くらいの、ブラシが回転するタイプを購入したんですよ。
 今回の事情は……。まああれです。使っていた普通の歯ブラシ

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専門バカと理性のチキンレース

専門バカと理性のチキンレース

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 ある編集者氏が打ち合わせの最中、はたと思いついたかのように
「谷津さん、専門バカってどういう人のことか知ってますか」
 と謎かけをしてきたことがあります。
 その編集者さんは三年後のわたしなら即答できるであろう問いをわたしにぶつけては楽しむのを趣味にしているに違いない人なので、当然わたしは答えられないわけです。うーん、『ずっと自分の専門のことに打ち込んでいる人のことかしら』と頭をひ

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作家は取材と称して何やってんの?

作家は取材と称して何やってんの?

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 実は、今週の金曜から九州を見て回るつもりです。
 17日の日曜日に紀伊國屋書店久留米店さんでサイン会があるので、ついでに取材をしようと思い立った次第です。とはいっても、用意できた時間は僅かに二日弱(金曜日に現地に降り立ち、土曜日まで自由時間、日曜日にサイン会で月曜朝に帰る)なので、気になっているところを重点的に見ることしかできないのですが……。
 さて、「作家が取材」と言うと、「飲ん

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ハワイのIさんみたいになれているだろうか

ハワイのIさんみたいになれているだろうか

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 詳しいことは話せないんですが、専業になる半年くらい前、わたしは観光目的でハワイの土を踏みました。つまるところ2015年。タイミング的には『曽呂利』『三人孫市』の単行本版の手直しをしているそんな時期です。いやお前、そんな時期にどうしてお前はハワイなんかに行ったんだよ、ふざけんなよ、という当時の編集者さんたちの怨嗟の声が聞こえてきそうなんですが、本当すみません、お許し下さい。いろいろあっ

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『特別展 ミイラ』を観に行きました

『特別展 ミイラ』を観に行きました

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というわけで、昨日は東京上野の国立科学博物館で開催されている『特別展 ミイラ 「永遠の命」を求めて』の展示を見に行きましたよ。

 不良学生であったとはいえ、わたしは一応考古学専攻を卒業しており、歴史クラスタというよりも考古クラスタのつもりでおります。まあ、どうしたわけか歴史小説家になってしまい必死で文献史学の勉強をしている今日この頃ですが、たまには考古学的なものに触れておきたい、と

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秋の花粉が始まりましたよわいわい2019

秋の花粉が始まりましたよわいわい2019

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 何がわいわいじゃい、いわすぞワレ、って話です。

 実はわたし、春先には梅・杉・檜のジェットストリームアタック花粉症に翻弄され、秋はブタクサアレルギーにしてやられる、花粉症体質でございます。
 春の花粉症は相当きつく、正直仕事に差し障りがあるレベルなので、毎年かなり対策をしまくっているのですが、秋に関しては軽いのでほぼ放置していた……のですが。
 どうしたわけか、今年の秋の花粉は相当

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「鋼」を選別せよ!

「鋼」を選別せよ!

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 「折れず曲がらずよく切れる」とは良い日本刀の条件ですが、では、この三つのうち、どれが優先されるべきか、という議論をある本で読み、腑に落ちたことがありました。

 曰く、

「よく切れずともよい、できることなら曲がってほしくはないがそれでも道具としての遣いようはある、一番まずいのは折れてしまうことだ」

 つまり、折れない → 曲がらない → 切れる 順に重要度が高いという話でした。

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谷津さん、賞に落ちたって? ねえねえどんな気持ち?

谷津さん、賞に落ちたって? ねえねえどんな気持ち?

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 文藝春秋『オール讀物』主催の第九回本屋が選ぶ時代小説大賞の結果が発表され、川越宗一先生の『熱源』(文藝春秋)の受賞が決定しました。川越先生、おめでとうございます。

 光あれば影あり、拙作『奇説無惨絵条々』(文藝春秋)は落選という仕儀となりました。

 ねえねえ谷津さん、今どんな気持ち?

 落選作家の腹の内なんてそうそう聞けないと思います。というわけで、落選作家谷津が正直な胸の内を

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小さな物語の時代に生きる作家のひとりごと

小さな物語の時代に生きる作家のひとりごと

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 哲学者(というよりは現代思想家といったほうが適当でしょうか)リオタールが1979年に「大きな物語/小さな物語」という概念を提唱しました。すごく簡単に言うと、それまで、人類は宗教的価値や政治的価値といったイデオロギーである大きな物語が優越していたものの、現代社会が進展するに従い、むしろ個人の興味や人生といった小さな物語が存在感を持ちつつあり、やがては大きな物語は役割を終えるだろう(=大

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