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6/7頃発売『駆け入りの寺』(澤田瞳子 文春文庫)の解説を担当しました

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 少し告知が遅れて申し訳ありません。
 今日はお仕事のお知らせです。
 『駆け入りの寺』(澤田瞳子 文春文庫)の解説を担当いたしました。

 時は江戸時代、比叡山の麓にある比丘尼御所(皇女、王女、公卿の息女などが出家して住持となった寺のこと)を舞台に、浮世の苦しみを抱えてやってくる俗世間の人々と、聖の側に属しながらも色濃い俗を残したままの人々との心の交歓を描く人情時代小説です。
 著者さんにとっては異色作(古代史もの、絵師ものの印象が強いですもんね)でありながら、読み進めるうちに「著者さんらしい」となる連作短編で、著者さん最初の一冊にしてもよいのではという間口の広さを誇る小説となっています。普段江戸人情ものを好んで読まれる方にとっては変わり種の時代小説としておすすめできる一冊です。

 わたしも小説家の端くれ、こうした解説に登板させていただく際にも「小説家らしさ」を追求する癖(へき)があります。有り体に言うと、「わたしにしか書けないもの/わたしの視座からしか描けないもの」をついつい原稿に投入してしまいたくなってしまうのです。解説ってそういうものじゃあるまい? ともう一人のわたしがツッコミを入れている今日この頃ですが、そういう張りがないと作家が出来ないのもまたひとかたの真実……。というわけで、

 こうしたことになっちまうわけです。
 本解説は(というかわたしの担当したすべての解説は)著者さんのご海容によって成り立っております……。

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