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コロナ問題の出口

世界中がコロナウィルス問題の渦中にあり、日々状況が変化する大変な毎日が続いています。

私は普段からニュースを読むのが好きだったこともあり、これはただごとではないかもしれない…と思うようになり、3月から自己隔離を始めました。買い物を含めた外出も2週間に1度ほどにしていましたが、それでも今振り返ると、もっと早めに準備し行動に移すべきだった、と思うこともあります。

出口の見えない不安でストレスフルな毎日が続いている中、たまたま目にした記事に一喜一憂してしまうのですが、先日The Atlantic の科学をカバーしているライターが書いた「私たちは皆、これは’いつ’終わるのか?が知りたい。しかしそれは正しい質問じゃない。正しい質問は、私たちは‘どう’コレと付き合っていくか?だ」という視点で書いた「パンデミックな夏」という記事を読みました。

アメリカでは、コロナ問題をパールハーバーや9.11と比較して報道するメディアがある中、この記事の書き出しは「これはハリケーンや森林火災じゃない。パールハーバーや9.11でもない。これは場所や時間が限定的な災難ではない」という一節があり、とても共感できる内容でした。

これは、日本にも同じことがいえると思うのですが、ある知事は「阪神大震災のときのように力を合わせよう」と呼びかけ、ある知事は「我々は3.11を乗り越えてきた」と呼びかけいてます。私がこの記事はいいな、と思ったのは「これは第二次世界大戦後、誰も経験したことのない世界レベルの災難だ」という呼びかけを積極的に行っていたからです。

アメリカではビル・ゲイツが自己資金を投資し、ワクチン開発を始めています。最もラッキーなシナリオは、ワクチンが12ヶ月から18ヶ月で完成し、ゲイツが世界を救うことですが、エイズやSARSのようにワクチン開発に失敗するシナリオも考えられます。ですので、私は安易に長くて18ヶ月の我慢、と考えるのは危険だと思うのです。

オバマ政権時のヘルスアドバイザーや元FDA(厚生省の医薬品部門)の理事が率いる研究グループは、ロックダウン解除の前に、コロナウィルス検査能力のキャパを上げ、病院への支援を強化することを、強く促しています。アメリカはここ数週間、毎日14万5千人を検査し続け、Abottというラボが15分以内に検査結果が判るキットを開発。しかし検査件数のキャパシティーを増やすスピードより、感染拡大スピードの方が早く、追いついていないのが現状です。

全ての検査キットには、共通の科学物質が使われていて、すでにその物質の不足が生じているようです。これはお金があれば作れる、という単純な問題ではなく、この物質を生産するのに時間が掛かる、という問題があるようです。

アメリカ国民全員検査には数ヶ月掛かる見込みなため、何人が感染しているのか正確に把握する為に、アメリカは抗体検査を実施することを検討中。抗体検査は、少しのトレーニングで誰でも出来るようになるようです。検査のキャパを一気に広げるために、コロナの影響で仕事を失った人達を雇い、一時的に救済することも出来る可能性をジョンホプキンス大学は訴えています。

抗体獲得者から順に経済活動の前線に復帰することを、感染爆発中のニューヨーク、クオモ知事は検討中。現在、抗体獲得者以外が働けなくなる不公平さをどう解消するかが議論されています。

ただ、1番の問題は抗体がどれぐらい持続するのかは現時点では分からないことです。つまり、予想より早く抗体が無くなると再感染する可能性が。これらを踏まえて韓国が導入し、ウィルスの封じ込めに成果を上げている、携帯のロケーションシステムを使用した警報システムの導入をアメリカも試みています。感染者が出た場合、携帯の位置情報を元に行動を遡り、その周囲にいた人の携帯に警報と次に取るべきアクションを示すインフォメーションが届く仕組みになっていて、アップルやGoogleが既にプロトタイプを完成させ、ローンチ済み。現在、テスト中のようです。

位置情報のプライバシー問題を懸念する声もあるようなのですが、私は出口が見えない「今」がまさに悪夢だと感じているので、戦略的に一部のプライバシーを犠牲にし自由を得るのは、もしかするとベストな方法なのではないかと思います。

一旦PCR検査、抗体検査、携帯警報システムが上手く機能し始めると、より正確な感染者数や感染場所を把握でき、ソーシャルディスタンスをより正確にフレキシブルにできる可能性があります。

ハーバード大の感染症モデラーは「コロナは夜の天気予報と同じようになる。ハリケーンが来る前に、数日間の避難を要請するように、ICUが圧迫され医療崩壊する数日前にソーシャルディスタンスを要請するようになる」といっていて、安全に全く動けない状態から、少しでも安全に動ける希望を口にしています。

日本はまだ、たったの6万人、人口の0.0005%しかPCR検査出来ていません。このままPCR検査を増やせる見込みがないなら”自粛”と”自粛解除”を繰り返すだけで、またどこかで感染が爆発するのを、ただ待つことになる気がしてなりません。

世界共通で経済の問題は山積みですが、日本はコロナ問題を具体的にどう解決していくのかアナウンスしないと、全く出口が見えない。ニューヨークが今、感染ピークを抜け出せそうなのは、クオモ知事が「ひとりひとりが責任ある行動を取ることにより、世界は必ず変わる」という希望を毎日毎日繰り返し訴え、それがニューヨーカー達の心に響き行動を起こしたからこそだと思います。

希望がないと未来は切り開けない。

日本は政策がまとまらず荒れに荒れていますが、私たち日本人はきっと今、コロナ問題の出口へ向けて希望を持って大胆に舵を切るとき。私たちひとりひとり、できることは違うと思いますが、私たち皆が声をあげることで’変化’を起こすことができる、と思います。

最後になりましたが…不安でストレスフルな日々が続きますが、くれぐれもお体に気をつけて下さい。

1日も早く、安心して皆んなで集まることができる日がきますように。

   

Bibliography :パンデミックサマー

Bibliography :ビル・ゲイツ、数億ドルの出費にも関わらず7つの可能性あるワクチン開発に投資。




















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