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できることできないことーお箸の持ち方

何が出来て何が出来ないのかを知る 

どんなに頑張っても人には出来ないことがある訳ですが、特性を持っていると普通なら難なくできる事もできなかったりするので、比べ物にならないのでした。

その一つが箸の持ち方でした。

何をどうやっても、ムスメは箸を正しく持てませんでした。彼女の箸の持ち方は今もほぼグーです。ほぼグーの持ち方は将来、人から指摘を受けるのは間違いないと思われますが、直せないし、問題なく使えているので良しとしています。

彼女は小さい頃からいろいろなことでつまづくことが多かったのですが、箸が上手く持てないのもその一つで、それでもそのうちできるようになるだろうと矯正箸を使わせましたが、まさか何年使っても矯正できないものだとは知りませんでした。

矯正箸も成長に合わせて何段階かありましたが、小6くらいまで使っていたので、子供用は全て使い、次は大人用しかないとなった時、これからどうするかをムスメに聞きました。

実物を見ないと分からないと言うので、売っているお店に連れて行くと、彼女は、大人用の矯正箸を前に考えた末、矯正箸はやめると言ったのでした。

子供用の強制箸は、トング形式で指を輪っかに入れれば簡単に使えましたが、その大人用は輪っかもなく見た目的には普通の箸だけれども使うのは難しそうでした。

ムスメは「今まで使っていた子供用のは普通の箸とは全然違って簡単に使えた。 この大人用のは普通の箸っぽいからうまく使えそうにない」と言うのでした。

私は「あ、そ。 じゃ、帰ろっか」と言って何も買わずに売り場を離れましたが、あまりの呆気なさに今まで長い間、矯正箸を使わせていたのはなんだったんだろう、と唖然としてしまいました。

矯正箸の原理は、似たような構造で持ち方を指に覚えさせるというものですが、ムスメの場合、そもそも応用が苦手なので、似ていると言われても同じではない為、それをどんなに使っても正しい持ち方は習得できないという訳でした。

ある日、私はムスメの持ち方でどれだけ出来るものなのか知りたくなりました。そこで小豆を一粒づつお皿からお皿へ移動させるテストをしてみたのです。

すると、なんと見事にできてしまったではないですか。タイムを測ったらほぼ正しい持ち方の私と変わりなく、驚いたのは、運び方が私よりしっかり確実だったことです。私もこんなことをしたのは生まれて初めてでしたが、私の箸の使い方の方が怪しいという結果になってしまったのです。笑いました。それ以後、ほぼグーの持ち方は見た目以外遜色なしということで、我が家では認められています。

「ほらね!」というムスメの誇らしげな顔が、私の長年に渡る”箸を正しく持たせる親の使命”に終わりを告げたのでした。

できないことが多い子供であっても、挑戦させることは大事だと思っています。
ただ頑張り過ぎると私のように骨折り損になってしまいますから、できない時は早々に諦める事も忘れてはいけない、と頭では分かっているのですが、その見極めは今も難しいように思います。

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