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容器のヒミツ☆ヨーグルトの容器には色々な制約があるのです⑷

乳製品の容器について、知っていたらちょっと得するヒミツをご紹介しています。前回は食べるタイプのカップのヨーグルト容器でしたが、今回はその他の容器について。

ボトルタイプの容器

食べるタイプとは別に、飲むヨーグルトも今ではたくさん市場に出ています。ヨーグルトを撹拌して液体状になったものが飲むヨーグルトです。
さらっとしたものから、とろ~り濃厚なものまでいろいろな種類の商品があります。飲むヨーグルトの容器は口径が小さい、飲みやすいボトルタイプが主流です。


口径が少し大きくなると食べるほうのヨーグルト容器になります。
ちょっと贅沢な「自分にご褒美」的なヨーグルトがこのようなボトルに入っています。

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ボトルタイプの製造方法は、樹脂を金型に入れ、そこに空気を入れて膨らませるダイレクトブロー成型と、口部は最初の工程で作り、次工程で別の金型を使って胴体部分に空気を入れて膨らませるインジェクションブロー成型があります。
作り方の違いは、検索するとたくさん動画が出てきますので、詳細はそちらをみていただいたほうがわかりやすいので割愛します。


ダイレクトブロー成型は初期費用の金型が安価ですが、偏肉(樹脂の厚みの偏り)が発生する可能性があり、成型の精密度は少し下がります。
インジェクションブロー成型は初期費用の金型が高価ですが、大量生産が可能です。またダイレクトブローに比べると精度は高くなります。
ボトル口部がねじ式の場合は成型の精度が高くなければいけません。その場合、出来上がりの公差に幅があるダイレクトブローではなく、インジェクションブローで成型します。インジェクションブローの金型は2工程あるため、製造できる形に制限があります。

ボトルタイプの蓋

飲むヨーグルトの場合は、アルミでシールしたり(アルミ蓋)、内蓋口部についているリング状のものを引っ張って開口するプルトップキャップなどがあります。(タイトルの上の最初の写真がその2種類です。)
大きい容量のボトルは一般的に一度では飲み切れないため、ゴミなどの異物混入防止のために、上蓋がついているプルトップキャップタイプか、アルミ蓋の上にプラスチックのオーバーキャップをつけることをお薦めします。
プルトップキャップタイプ、アルミ+オーバーキャップのいずれも、リキャップできますが、あくまで異物混入予防であり完全再密封ができないものが多いです。横に置くと中身が漏れる可能性があります。立てて保管してください。

食べるタイプの蓋はほとんどがアルミでシールします。その上に飲むヨーグルト用よりも大きいサイズのオーバーキャップをしている商品もあります。

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コップタイプの容器

コップタイプの飲むヨーグルトは容量が200ml前後で、材質がプラスチックか紙製のコップ本体に、上部をアルミでシールしているものが多いです。
コップの縁(フランジ)は、アルミを熱シールできる形状になっていることが必須です。ホットコーヒー用などの紙コップは飲み口が丸まっていますが、その形状では熱シールできませんので、シールできるフランジの容器を探してください。

異素材を組み合わせた新容器

大手メーカー様では脱プラスチックの取り組みが進んでおり、本体は紙、蓋部分はプラスチックという容器が増えています。このような容器に中身を充填するには特別な機械が必要です。「いいな!使いたい!」と思ってもその容器だけを購入することが出来ません。その容器が出始めた頃、わからずに以前にお名刺をいただいたそのメーカーの方に、容器を売ってもらえるのか電話したことがありますが、今考えると怖いもの知らずですね。規模が違いすぎました。

パウチタイプ

最近はアルミパウチに吸い口(スパウト)がついているものも出ています。さらさら液体タイプなら最後まで飲み切れそうですが、とろ~り濃厚タイプだと底に残ったりして最後まで吸いきれずにもったいないことになりそうです。
スパウトのあるものはスパウトの口径が狭いと、充填が難しいためどうしても口径が大きくなってしまいますが、大きくなるほど高価になりますし、吸いにくい。この容器で一番コストが高い部分がこのスパウト部分です。

スパウトがついていない食べるタイプのアルミパウチも最近増えてきています。チャックの部分でぴったり密封でき、冷蔵庫の置き場所に困りません。また、使い切ったらクルクル丸めて捨てられるのでゴミの減量化にもなります。
アルミパウチという名前ですが、材質的にアルミよりもプラ樹脂の方が多いので、ゴミに出すときには「プラ」で捨てることが出来ます。

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ヨーグルトの容器としては、現在のところ、
カップ型 / ボトル型 / コップ型 / パウチ型 /異素材複合型
の5タイプでしょうか。

プラスチック容器包装の目指すところは3Rです。
Reduce(ごみの削減)・Recycle(再資源化)・Reuse(何度も使う
今はヨーグルト容器のほとんどがプラスチック製です。プラスチック自体はRecycleが進んでいますが、脱プラスチックの流れを考えると、今後新しい容器が生まれてくるのでしょうか。

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