高校サッカーのゴールってなんやろ

高校サッカーのシーズンも終わりに差し掛かり、毎年毎年、この時期に思います。「高校サッカーのゴールってどこなの」って

埼玉県リーグに所属している市立浦和で例にとると、

1月:新人戦支部予選(1月後半)
2月:新人戦県大会(2月前半)
3月:プレシーズン期
4月:前期リーグ開幕、関東大会県予選(4月後半)
5月:リーグ戦、関東大会本大会(5月後半〜6月前半)
6月:インターハイ県予選、リーグ戦(6月後半)
7月:リーグ戦(7月3週目くらいまで)、インターハイ本大会
8月:後期リーグ開幕(8月後半)
9月:リーグ戦
10月:選手権県予選開始
11月:選手権県予選終了(11月前半)、リーグ戦再開(11月後半)
12月:シーズン終了、選手権本大会(12月末〜1月末)

見てわかるように、シーズンの大半が公式戦で埋められてます。プロよりも高校生の彼らは忙しいかもしれません。当然、勝ち上がればずっとタイトですし、早期に敗退すると少し日程に余裕は生まれます。

県1部リーグに所属し、県内である程度強豪として地位を確立し続けるにはこの非常にタイトなスケジュールのなかで勝ち続けなければなりません。

しかし、彼らの本業は学生。スポーツ推薦でスポーツだけをやればいいというわけではなく、彼らは進学校の一員。これに毎週月曜日は8時間授業、2週に1回は土曜授業。各科目の週間テストや、定期考査。そして更には模試も入ってきたりと高校生は大人の我々よりも真剣に、そしてゆとりがないなかで懸命に24時間という限りのある時間を有効に使おうと努力してくれています。こんななかで現役で難関私立大や国公立大学に進学するのですから、彼らが高校3年間で培うバイタリティはとても高いものになりますし、社会人になったときに各企業で活躍しているのも頷けます。だって彼らすごい高校3年間過ごしているんだもの。

で、真の文武両道を手に入れるために一生懸命努力している彼らに、僕のような外部コーチが要求し続けるわけです。「シーズン最後までやりきってほしい」

U18年代である彼らは育成年代における完成期です。

そして例年見ているとわかるのですが、高校3年生の秋から冬にかけての期間(ここでは10月〜12月)に彼らは見違えるほどに成長します。

もちろん選手たちにとって、この時期の心理的なサポートは大きいでしょう。「最後の選手権だ」「集大成だ」この気持ちは明らかに成長を後押しします。

しかしながら選手権で敗退してしまうと、リーグ戦が終わっていないにも限らず引退をし、受験勉強にシフトする選手が多いです。

もちろん、全国的にみれば公立高校に籍を置いておきながらインターハイ予選で一区切りにする選手が多い中で、選手権の時期までプレーを続ける。立派です。彼らは高校生活、前述のような非常にタイトで要求が高い日々を送っているので、受験期の最後くらい、勉強に舵をきる。わかります。

ただ、、、同時にこうも思うのです。

「目標は1月の全国選手権じゃなかったっけ?であるならばリーグ戦最後までやりきってほしい。その最後の瞬間のためにずっと文武両道のタイトな日々を送っていたんじゃないの?」

ひとりのサッカー人としては彼らのU18年代の最後の伸びを見たいし、その成長する喜びをもって次のカテゴリーに進んでほしい

ひとりの指導者としては、選手の希望進路も理解したなかで選んだ道を応援したい

ひとりの大人としては、浪人したって遠回りじゃないし、今しか出来ないことを全力でやりきってほしい



この時期はいつも、高校サッカーのゴールに悩まされます。

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