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国公立大学学費150万円+奨学金拡充策がうまく行かないたった1つの理由

いろんな人があーだこーだ言ってる話題に入るのはちょっと気が引けてしまうのだけど,たぶんあまり言われてないと思うので。

まず発言はこちら。国公立と私学の公平な競争のために学費を年間150万円程度にというのが主旨です。

いろいろとSNSで反発が出ているのに対して「いやいや奨学金とセットですよ」としています。

学費は具体的な金額を出すのに奨学金の幅や金額を出さないのは片手落ちですなというのはあるけれど,それに加えてこの案がきっとうまく行かないのは,不確定要素の強さです。

奨学金はきっと十中八九「成績優秀者」が条件になります。良くて「一定以上の成績」です。しかし,授業料の支払いに不安があるような世帯の人が,入学時から150万円かかる可能性がある場合に入学を希望するかというとまずしません。それはリスクが大きすぎるから。

入学後ならGPAによって一応横並びのランク付けもできるけど,入学時だと総合型選抜,学校推薦型選抜,一般選抜と少なくとも3種類,さらに下位分類してたくさん出てくる選抜方式の間でどうやって比べるのか分かりません。「優秀ならそんなこと気にしなくていい」と強弁することもできますが,それはマッチョ思想も度が過ぎるでしょう。

それに今ならひとまず国公立に入ればいいのが,各大学の上位に入らなきゃならず,確実に奨学金がもらえるところが自分の家から通える大学かという運の要素が入ってしまいます。

そういうわけで,リスクが大きすぎる点で「奨学金付き」というのがほとんど救いにならないだろうという話でした。

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