40代消防職員が転職活動してみた

消防職員が転職活動をしてみました

2023年に40歳を迎えた消防士が転職をした経過をお伝えします。
まず、前提として
年齢 40歳
性別 男
最終学歴 大学
消防職員として16年目の田舎の中規模消防本部に勤務
救急救命士として8年目
階級 消防司令補
その他属性 独身
と言うことで転職の経緯から始めていきます


転職活動をするきっかけ

まず消防職員は地方公務員ですし、給与も安定している。なんなら2024年になって給与改定でちょっと上昇傾向さえある。
しかしその安定した職務を投げ打って転職することに決めました。
理由はいくつかありますが、一つ一つ紐解きます。

このままでいいんだろうかというぼんやりとした不安

まさにそのとおりですが、40歳を迎える年になり、その前に離婚を経験し、一人で生きていくことになった状態から少し落ち着いて、将来について考える時間が多くなりました。
田舎の暮らしは素晴らしく、趣味の波乗りも満喫している。
でも離れて暮らす両親のことや、子供たちのことを考えると
『本当にこのままでいいんだろうか』
と考えるようになりました。

何に不安を感じていたかと言うと?

まず仕事。決して忙しくない救急件数、前回出場したのいつだっけ??っていう程度の火災件数(2年間まともに出てない、事後聞知※とか多め)。予防の仕事は主体的に取り組めて自分のペースを掴んできたところでしたが、この先のスキルアップや昇格・昇任を考えるとあまり魅力的ではない気がしてきました(予防技術検定も取ってしまったし、次は設備士か?という状況)。※事後聞知は火事が起きたけど、消防署による消火の必要がなくて火事があった状態を何らかの理由で消防へ通報して知りえた火事のこと。

自分への可能性
このまま歳だけとって、毎年変わらないルーティンを過ごすことを考えると思い切って新しい何かに挑戦しようかと。
救急救命士になった頃、まだ小さかった子供に
『パパの将来の夢ってなーに?』
って聞かれて
その時、正直動揺したし、もう叶っちゃった感があって返答に困ったことがありました。
海の近くに家を建てる、犬を飼う、充実した仕事
そんなに贅沢ではないからその時はこれ以上を求めていなかったです。
でもね、一人になって時間があるから勉強したり、本読んだり、知識を得ると人生一度きり、挑戦してこそいい人生になるんじゃないかと思えました。

そして経済的環境
昔住んでいた家が9月に売却することができ、住宅ローンがなくなり、いつでも退職できるという環境も整いました。

職場に退職する旨を伝える

所属長には春先の面談で家が売れたらやめようと思っていることを伝えていました。そして9月に売却の目処が立ったので、すぐに報告し、退職の手続きを取ることにしました。若干の引き留めはありましたが、決意が固いことを申し伝え納得してくれました。退職願の様式があって、その書類にサラサラっと名前や退職希望日を記入してズバッと提出。
すると10月1日には退職承認の書類がレターボックスに入ってました。

転職活動開始

10月の2週目あたりから、実際どんなふうに転職活動すればいいか調べ始めました。
転職サイト、転職エージェント、求人サイトなど色々目を通して、何がいいのかよくわからないなりに、転職サイトを数社登録しました。
どんな仕事があるのか。どんな仕事につけるのか。
そんなことを考えるとワクワクする反面、条件面で合わないこともあるのかもしれないなという不安も少なからずありました。
これも調べもせずになんとなくその転職サイトの一つからエージェントサービスに登録することにしました。するとすぐに僕が住んでる近くの支社のエージェントさんから電話がありました。
そこで今後の流れや希望の転職期間、退職予定日、職種などの確認をしてサイト上で職務経歴書と自己アピール文の作成をしてくださいという指示があり、早速着手しました。
また某SNSを見ていると転職エージェントの紹介が流れてきて、ふと気になったのでそちらも登録してみました。同じようにすぐに連絡があり、ウェブで面談したい旨相談されすぐに日程を調整しました。

キャリアの棚卸し

職務経歴書や自己アピール文を書いていくにあたり、東京でしていた仕事を振り返ったり、消防職員としての今までやってきたことを振り返ることってとても有意義でした。何が有意義かというと、15年積み重ねてきた時間を振り返ることは今までなかったし、できるようになったこと、成功したこと、失敗したことを思い出し、それを文章にすることで客観的に自分に対して自信が持てました。
そしてエージェントさんにオンラインで提出し、添削してもらいました。特に直されることもなく、体裁を整える感じで調整してくれました。
これでエントリーの準備が完了したようです。
「どんどん、気になるところにエントリーしちゃってください。あんまり募集要項に適しているかっていうところは気にしなくていいので」
というアドバイスがあり
ふーん、そうなんだ。そういうものなんだ。と素直に受け取って10社くらい選んで応募しました。
もう一つのエージェントさんとウェブで面談しました。年齢は30代半ばで感じの良い方で、色々質問をしてそれに答えていくような形でした。あらかじめキャリアの棚卸しをしていたこともあり、回答もスムースにできました。偶然、消防設備士の更新講習の講師をやった経験を伝えたら
「それめっちゃいいですよ。いいアピールになりますよ」
とかなり食い気味でした。そういうものなんだな、消防職員って世の中に知られていなくて、もっと社会のニーズに応えることができる人材はたくさんいるのかもしれないなんて感じました。

メールめっちゃ来るじゃん

エントリーしたり、その書類選考の結果についてのメールが来たり。
おすすめの仕事の案内のメールが来たり。
登録している他の転職サイトからもおすすめ求人が届いたり。
こんなふうになるとも思わず。
そして大切なメールが埋もれてしまったり。
すると担当エージェントさんから直接電話がかかってきて
対応を促されたりするわけです。
慣れるまでは大変でした。
適正テストを受けてくださいっていうメールが来ていたのに気づかず期日が迫ってしまったこともありました。
写真付履歴書を送ってください
って時もあったり。すぐに写真屋さんにスーツ着て行きました。
これ、非番日に一日自由になるから対応できるのであって、普通にサラリーマンしてたら無理だったなと感じます。

なかなか通らない書類選考

これが毎日何通か届くと正直しんどい

転職活動を開始して1週間くらい経つと、初めにエントリーした企業からは結果が届き始めました。
まあ予想はしていたけど、選考通過しないとちょっと気が滅入りました。
希望の職種は企業の安全管理の仕事でした。
しかし、求人数がそれほど多くなく、このままいくと全て落ちてしまいそうな勢いでした。要件に製造業の経験やマネジメントの経験が挙げられていることが多かったです。
消防署予防課の方歓迎
なんて募集もあったのに選考に通らず。
これ落ちるってことはちょっと受かる気がしないって思ってしまいました。

エージェントさんと電話

進捗状況や今後の方針をもう一回話すことになりました。このエージェントさんは不動産関係の営業を進めてくるんですが、僕は全然興味なくて。
むしろ不動産関係はむしろ無いなって思ってました。
『何か資格とか取ったほうがいいですか』
って確認すると
『いや、今から勉強するよりも・・・』という曖昧な返事
僕が希望している職種は第一種衛生管理者の資格を歓迎しているところがあったりして、それならそう難しくなく取れるんじゃないかと思い聞いてみたんですけど、あんまり反応は良くない。なんででしょうか。
エージェントさんの意見は無視し、勉強はすることにしました。就きたい仕事で必要な知識であることには変わりないからです。早速ネットで参考書を注文しました。

一方、職場の周りの反応は

職場でも
『どうやら本当に辞めるらしい』
と噂になり始めました。
親しい先輩は実はこんな仕事あるぞっていうことを紹介してくれたり皆さん親切でした。その中でも医療機関の救命士の新規採用があったり、魅力的なものもありました。書類選考も通らないから、難しいよなって思っていた頃です。「なかなか難しいですねー」なんて言いながら上手くやり過ごしてました。
ちなみに直属の係長や係内の同僚には転職することは直接伝えました。
でも他のメンバーには仕事が決まってから正式に伝えようと決心してました。
それは
『なんの仕事するのか?なんで辞めるのか?』
など心配をかけてしまうし、詮索されるのも気持ちいいものではないからです。

初の書類選考通過

10月下旬にまとまった休みが取れたので、千葉の方にサーフトリップに行きました。転職活動中に何やってるんだよ、って感じですが。まあ、そんなに上手くいかないわけでちょっとした気分転換です。4泊5日の長めの旅で、南房総まで足を伸ばし秋の海を満喫。
そんな中やはりメールは来るもので・・・埋もれながらもまあ書類選考通過している企業はないかな
と思っていたら10月26日に
*1次面接のご案内*[10月30日までにご回答ください]
というメールが届いてました。
あれ、今日って28日じゃんってちょっと焦ってしまいました。

初の書類選考通過のメール文

メールに添付されているURLからサイトに接続して日程を調整しました。
ここも深く考えず、早めの方がいいかと思い。11月1日が非番日だったので午後に予定を入れました。
オンラインの面接ってどんな感じなんだろう?って思ったり、面接対策についてちょっと勉強しなきゃなと少し気を引き締めました。
サーフトリップの移動中は衛生管理者の試験のための勉強を動画視聴してたので、このメールを受け取ってからは転職サイトにある面接対策動画に切り替え心掛けや注意点などを確認しました。
いや、便利ですよね。ウェブ面接対策も動画で確認できて。対面との違いはあるものの基本は同じであるようでした。
実際はもっと細かいコツがあったようでしたが・・・後述します。

初めてのウェブ面接

さて波乗りを堪能し、仕事を一日こなしてから面接の日を迎えました。
初めてだから上手くできるかどうかわからないし、まあ失敗してもいいやって気持ちで臨みました。
時間に間に合うように事前にウェブ面接用のアプリをダウンロードしたり、音声や画面のテストしたり。アパートの部屋の場所を選んだり。あまりものがない台所で行うことにしました。
13時からなので10分前には入室し待機していました。

面接開始

画面にマスク姿の女性が現れたのですかさず挨拶をして
画面や音声の確認をしてもらいました。
まもなく、3人の社員の方が画面に表示されました。
自己紹介をしていただいて、一人は人事の面接の案内の方
もう一人は現場担当者(40代くらい)
もう一人は現場責任者(50代後半くらい)
という構成でした。
まあ、緊張しますよね。声が震えたりっていうのはなかったけど、マスク越しの相手の声は少しきこえづらく、正確な役職や名前が聞けませんでした。
ウェブだと一人づつしか発言できませんし、進行に支障が出るのもあまり良くないかと思い、聞き直すことはしませんでした。
「では早速ですが、自己紹介をお願いします」
から始まり、その後、業務内容の説明をしていただきました。
「志望理由を教えてください」
「モチベーションの維持についてどのように考えてますか」
「現在資格試験など取り組んでいることはありますか」
「ストレス解消はどんな風にしてますか」
「円満退職の予定でしょうか」
など淡々と質問が繰り返されそれに淡々と答えていく時間が過ぎました
「最後に何か質問はありますか」
という逆質問がきましたが、そこまで想定していなかったので
面接中に疑問点は解消できました、ありがとうございます
と答えて
初めてのウェブ面接は終了しました。

面接を終えて

いやー疲れた
ただただそれだけ。1時間くらい企業の方と話して、普段と違う表情を保つ。緊張したし、上手くいったかよくわからない。いつ結果が出るのかもわからないけど。とりあえずサウナにでもいって緊張をほぐすことにしました。
面接の振り返りも本当はした方が良かったんでしょうが、もう疲れててそれどころではありませんでした。
資格試験について触れられて
しかも第一種衛生管理者を取る予定ですって答えたら
面接官の反応はとても良かったので、エージェントさんの助言を無視して勉強して良かったと思いました。自分で考えるのが大事だと思います。
この面接は無事通過し、11月下旬に最終面接を迎える運びとなりました。
ちょっと一安心。

次の面接が2社決定

もう一つのエージェントさんの方で書類選考が通った企業が2つあるそうで、面接について確認のやりとりをしました。ちなみに応募も2社のみ。こっちのエージェントさんはLINEでフランクな感じでやりとりできるから気が楽です。
話を聞くと、1社は消防設備士の会社で面接は1回だけ。もう1社はビル管理の仕事の営業でした。その会社は3回くらい面接があるそうで、時間がかかりそうです。
日程を調整して、面接日を迎える前に、ウェブで面接対策をしてもらうことになりました。しかも2回も。
その日程も調整してみると11月は結構忙しく、面接や面接対策が非番や休みの日に入ってる状態が続きました。

面接対策

その担当企業のエージェントさんと面談しつつ、面接対策をしました。
2回やりましたが、感触はよく
大丈夫じゃないですかね
とコメントをいただきました。
あとはパソコンの設定も細かく教えてもらいました。表情がよく映るように、パソコンの高さをしっかりと目線の位置まで高くすることや、顔と上半身が映るように配置すること。ウェブ面接は感情が伝わりづらいので2割り増しくらいでリアクションを取りましょうとアドバイスを頂きました。あと、挨拶は先手必勝らしいです。画面に誰か映ったら、元気に挨拶してくださいっていうことを繰り返し教えてもらいました。

対面面接

1回しか面接がないからできればウェブではなく直接面接をしたい旨、エージェントさんから連絡が来ました。
今後のことを考えると、対面での面接も経験しておいた方がいいなと思い、東京へ面接に行くことにしました。
その流れで次の最終面接を備えている企業のある地域に足を伸ばして情報収集するなど、いい時間になりました。
面接前日に東京について、首都高の渋滞にハマっている時にエージェントさんからLINEがきて
『前日に申し訳ないです。明日は紙の履歴書と筆記用具を持参してください』とのことです。
パソコンを家に置いてきてしまったし、どうしよう
iPadはあったので、サクッと履歴書作成して、写真データを添付して、コンビニで印刷して。ちゃんと出発前に確認すれば良かったです。地味なストレスでした。
面接は15時からでした。現地には14時くらいに入り、会社の入り口や雰囲気を確認してイメージトレーニングしつつ、近くの駐車場で待機してました。時間になったので、ネクタイやシャツをミラーで確認してから、面接に向かいました。10分前くらいに事務室に向かい、挨拶をしてそのまま事務室で面接する雰囲気でした。小規模な会社であり、従業員は8名。そこには事務員さんが2名。少しすると取締役の女性が1名到着しました。
「社長はちょっと遅れるかもしれません、申し訳ありません」
とそのまま事務の総務係長の方と取締役の方と話しつつ、社長の到着を待ちました。
数分後、社長が到着し、面接が始まりました。履歴書を確認しながら、履歴書の内容で不明な点を質問するという内容の面接でした。消防設備の設置の会社なので消防業務についての質問も多かったです。また対面ということもあり、幅広く質問が及びましたが、人柄を知るための質問が多く、考えさせられるようなものはありませんでした。
面接が終わる頃には
「是非、入社していただいて。よろしくお願いしますね」
というようなことを繰り返し伝えられ、ホッとしつつ、内定をいただいたことにとても嬉しく思いました。年収についても、現状よりも数年で上がるとも伝えられました。

一社でも内定が決まると気持ちが楽になる

面接で是非来てくださいと言われると
気分的にとても前向きになれるし、今まで書類選考で落ち続けてた自己肯定感が高まってきた自覚がありました。会社を出る時に総務係長から名刺を預かり
『質問したいことや確認したいことがあったらメールを下さいね』とおっしゃってくれました。
面接のお礼のメールをすぐに送ろうかと思ったけど、少し考えてやめました。
エージェントさんを介してやり取りしてる企業さんと直接やり取りをしてしまったら何か不都合が生じる可能性もゼロじゃないと判断したからです。ましてや内定前に自分の個人情報を伝えることもリスクですし。
自宅に帰る車の運転もハンドルは軽く、アクセルも踏みやすいとさえ思えました。
帰り際にエージェントさんに面接の報告をすると、とても喜んでくれました。もはや演技なんじゃないかというくらいの反応があり、逆にびっくりというか。
そういうリアクションでそこでの内定について決定してもらおうという戦略なのかもしれません。冷静に対応する必要がありますね。
細かい条件の擦り合わせが必要と感じているし、東京に住むなら家賃のこと通勤のこと、住む場所やペット可能なアパートのこと、海まで行ける範囲のエリアに住むか。
いろいろ考えを巡らせました。

次の面接は約1週間後になります。そこが安全管理の仕事に就けるので第一希望の企業です。
内定をもらっていると言っても、内諾はまだしていない状況で、その回答を1週間程度待っていただいている状態です。最終面接に向けて企業研究をさらにし始めました。

企業研究について

この第一希望の企業は今所属している中規模消防本部とは全然違う比較にならないくらいの規模の会社でして。
上場企業なのでIR情報も山ほどあるし、機関誌も発行しているし、就活サイト、転職サイトにも多くの口コミがあります。関連書籍もあったり、いろいろ情報が多過ぎて全てに目を通すことは難しい。厳選して情報を選ぶことを心がけました。
参考になったのはIR情報。今までの株主総会の資料には今後の企業方針や株主からの要望についての回答が載っており、企業の考え方がふんだんに盛り込まれていました。
特に採用に関して組織改革を実行しているという内容があり、自衛隊、消防官、警察官の中途採用の実績があり、今後もその傾向があるのかもしれないという情報を得ることができました。
また機関誌では社風や人材育成についてを学べたし、関連書籍では社の歴史や経緯を学ぶことができました。
完璧な企業研究ができたわけじゃないけど、前回うまくできなかった逆質問を考えたり、どのような人材が求められ、それに自分が適しているか前向きに考えるきっかけになりました。

面接対策について

面接対策としてYouTubeや転職関連の書籍を読みました。感じることは本よりもYouTubeの方が最新の知識が得られうるということ。知識系のYouTubeはよく観ますが、コンテンツが薄いものは淘汰されるので、再生回数が多い人気の動画は見応えがあるし、ポイントがうまくまとまっています。
1次面接と2次面接の違いは
再現性と継続性
というのが何度も強調されていました。
1次面接ではこれまでのキャリアが再現性のあるもので採用した際に応用できるものであるか確認するそうです
2次面接ではそこからさらに再現性だけでなく、継続性を確認する。個人的にはその再現できたスキルを発展させ継続するという認識で面接対策を行いました。
面接を通じて感じたことは消防の仕事は社会的認知がとても低く、救急、消火、救助、予防、消防団事務など多岐にわたり、さらにその中でも人材管理、人材育成、在庫管理、物品発注、予算管理など中規模消防本部では何から何まで経験できる根底があると考えています。しかしその実態を自覚していない転職希望者、または採用担当者がいて面接している時には『そう言ったこともやってきたんですね』と感心されることが多く
『じゃあこんな仕事もできそうですね、実際こういう仕事に関してはどう思いますか』など
より積極的な採用を匂わせるセリフが出てくることもありました。
なので消防職員の仕事は潰しが効く部分がとてもあり、社会人として求められるコミュニケーションスキルなどはある程度経験を重ねている消防士ならかなり高いものを持っていると実感しました。

最終面接のお知らせ

エージェントさんから最終面接の数日前に給与条件のすり合わせのメールが来ました。
現在の住まいや住所
現在の収入について(基本給や残業代、各種手当など細かく)
希望年収とその理由について
大まかにその3件について源泉徴収票を添付しつつ回答しました。
個人的には年収は現在よりも少し上がれば良いかと考えていました。
企業研究するにあたり、年収面ももちろんチェックしたわけですが、能力や経験を重視するものの、年齢も年収に反映される企業のようでしたし、平均年収と平均年齢からこのくらいはもらえるんじゃないかと期待を込めて現在の年収から50万円アップくらいを希望しました。
そのメールに対して、エージェントさんの回答は
『妥当な金額だと思います、採用条件の範囲にも適しているしおそらく受け入れてもらえると思います』
という前向きなものでした。
また面接内容の概要も伝えられ、気をつけておく点や対策をしておくべきことをメールで教えてくれました。エージェント様様です。
週が明けたら最終面接です。しっかり対策してきたのであとはその成果を出すのみです。

最終面接

14時からの面接が組まれていました。その日の午前中に急遽必要な書類がエージェントさんから求められメールのやり取りを何度か行いました。しかもちょっと午前中は出かける予定を入れてしまっていたので外出先でのやり取りでした。
時間的には余裕はあったものの、午前中から気持ちの余裕を保つために予定なんて入れずもっとゆったり過ごせばよかったかと思いました。
スーツに着替えて面接に臨みます。最終面接もウェブ面接です。
パソコンの高さを調整したり暗くなり過ぎないように室内照明を調整し、身だしなみを改めて整え、ネット環境を確認しました。
このためだけというわけではないですが、ちょっと心配だったのでAndroidのスマホを更新し、iphoneを購入してMacBookと接続が良い状態にしました。Androidのスマホのテザリングが不安定な時があり、その不安要素を少しでも改善しようと思ったからです。
その甲斐あってか、面接中にネット環境が不安定になることはありませんでした。
今回は本社人事部面接
女性の方と男性の方の2名でした
女性の方から『シェアオフィスかどこかですか?』
と尋ねられ『自宅です』っていう件からスタート
きっとリラックスして臨んでほしいっていう意図があったのかもしれませんが
その意図通りに緊張がほぐれました。危うく『台所です』と喋ってしまうところでした。
自己紹介を行い、そのあと本日の面接の流れを説明されました。
この転職活動を通じて感じたことは自分のこれまでの経緯の個性について再認識しました。
大学卒業して1社目まで関東で生活し、その後、地方での生活に憧れ東北沿岸に移住・消防士になる。その地元の人と結婚。東日本大震災で被災しつつ消防職員として業務に邁進。救急救命士としても活躍し予防業務を通じで安全管理の仕事に転職しようとしている。またプライベートでは離婚を経験し、まさかの元妻たちが実家近くの関東方面へ引越し。少しでも近くに住みたいと思い転職活動を開始。
という経緯を説明すると
『いろいろ聞きたいことはありますが・・・』という前置きがあったりなかったり
『話しづらいことまで、話していただいてありがとうございます』
と普通なら隠したいことを話すことで好感を持ってもらうことができたりしました。
最終面接でも包み隠さず、明確に自己紹介や志望理由を伝えることができました。

質問内容

さらにこんな時はどうしますか?という質問が多くありました
『少し抽象的ではありますが』という前置きから始まる
・期限のある仕事に対する考え方について
・今までの仕事の中で大きな失敗や成功について
・自分の長所や短所
といったところを中心に尋ねられ、話しました。
面接官の聞き出す能力はとても高く、また話した内容をその場で要約し
『つまり・・・ということでよろしいですか』
というセリフで締めくくっていただきました。
基本的に主張したいことを伝えそれについての事例を紹介するという回答方法をとりました。
期限のある仕事についてはどのように取り組みますかという質問に関しては
うちの消防本部の仕事の中で特に期限が決まっている仕事は火災調査であることを伝え、火災調査についての概要、その期限について、その期限が過ぎやすい状況であることを伝えました。そこから期限が過ぎてしまう状況をどのように調整し、延長を最小限にするかという部分まで話すと
面接官はとても満足した様子で頷いているのを確認できました。
その他の質問も概ね良好に答えることができました。

最後に逆質問について

IR情報で調べた
『組織改革に伴う自衛隊、消防官、警察官を採用した結果、これまでに何か課題や改善事項などありますか?あれば、採用された際自分でも心に留めて仕事に向き合いたいと考えています。よろしくお願いします。』
と質問したところ
『特にそういう情報は人事部には上がってきていませんので心配なく働けると思います』
といった回答をしていただきました。
他にも質問を用意していましたが、一つの質問で面接官も満足した様子だったので
面接の中で疑問点は解決しましたと一言添えて面接を終えました。

第一希望から内定をいただく

面接終了時には約1週間後に結果をエージェントを通じてお知らせします。
ということでしたが翌日の夕方仕事中にエージェントさんから電話がかかってきました。
席を外し、事務室から出て電話に出ると内定の報告を頂きました。
1週間後と聞いていたので驚きましたが、最終面接の場合はこういうこともあるようですね。
細かい条件面はメールで報告することと、明日以降、内定受諾の場合はその手続きを行う旨申し伝えられ電話を終えました。
仕事中だったので条件面など注意深く見る時間もなかったので
次の日、自宅に帰ってからみることにしました。
入社予定日は2024年4月1日
給与は希望提示額より高い
その他手当面の説明などが詳細に記載されていました。

エージェントさんとメールで数種類のフォーマットに入力する内定受諾の手続きをやりとりし、12月1日に転職活動を終了しました。
入社日まで時間があるので2月頃を目処にまたエージェントさんから連絡があり、入社の手続きや準備を進めていくことになりそうです

まとめ

10月中旬から始めた転職活動。
ほとんど初めてと言っていい転職活動でしたが、エージェントサービスという強い武器を使って、書類選考や面接を無事終えることができました。
2024年3月31日に退職が決まっている状態での転職活動はプレッシャーもありながら、その覚悟を企業担当者にも伝えることができ、良い方向に働いたのかとも思います。
40代の消防職員の転職は意外といけるものだと思いました。それは消防職員が高いストレスマネジメント能力、幅広い事務能力、他職種とのコミュニケーション能力、就業後も研修を重ね自己研鑽を欠かさずサービス向上を図る土壌があるからです。
しかしキャリアの棚卸しや、転職後の仕事のイメージがうまくいかないと難しいとも感じます。
転職活動はとても刺激的で面白い。終わってみれば振り返れます。
企業の採用担当者さんや現場担当者さんとの面接は興味深く、普段上司と話している以上に幅広い見識が求められ、自分の伝えたいことをうまく伝えるにはどうすればいいか考えることがとても刺激的でした。実際、面接後は疲れ切っていたのも事実ですが。
転職は平均で3ヶ月〜6ヶ月くらいかかると言われていますが、早めに決まって安心することなく、勉強や自己研鑽を重ね、新しい仕事、新しい職場でもプロフェッショナルを目指し頑張ります。
ここまで読んでくださった方がいるなら
本当に感謝申し上げます。
消防職員としてはあと3ヶ月の勤務になりますが
次は消防職員の潜在的なスキルについて書こうかと考えています。
ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?