見出し画像

リリンにもわかる!新劇場版エヴァンゲリオン

皆さん、シンエヴァンゲリオンはご覧になりましたでしょうか?ご覧になりましたね?本記事は新劇場版エヴァンゲリオンを序からシンまで見た方向けであり、また旧テレビ版からは極力独立した形でエヴァンゲリオンとは何なのか?という考察、解説をしていきます。

劇場版を通して見た方でもエヴァンゲリオンってなんか複雑な話だな~と思っていらっしゃるかもしれませんが、実は全然そんなことはありません。以下の4つの分類を覚えていただければ、エヴァンゲリオンの話は実は同じことをずっと繰り返しているだけだと気づけるでしょう。

1.使徒

使徒とはコアと肉体から構成されており、外界と肉体をATフィールドで仕切った存在です。コアを破壊されない限り不滅であり、人間がどうこうできる存在ではありません。本来使徒が出現した時点で人類滅亡まっしぐらなのですが、後述するエヴァによって殲滅することが出来ます。

ex. 第3~10の使徒


スライド2

2.エヴァンゲリオン

エヴァンゲリオンとは使徒のコアに拘束具を挿入し、それを通じて外界と相互作用(シンクロ)ができるようにした存在です。拘束具の種類は様々なものがあるのですが、(エントリープラグ、ロンギヌスの槍etc.)基本的には使徒に拘束具をぶっ刺せばエヴァンゲリオンの出来上がりとなります。当然拘束具が抜ければ使徒に逆戻りです。

ヴンダーは後述する通り少し特殊なのですが、基本的には巨大なエヴァンゲリオンであると言えます。

ex.零、初、弐、仮設伍、8号機、ヴンダー


スライド3

3.アダムスの器

アダムスの器とはエヴァンゲリオンが覚醒し、コアと肉体の差がなくなった存在です。全身がコアなので全身をすり潰さない限り不滅であり限りなく死ににくくなった存在と言えるでしょう。細かく言うとここから拘束具が抜けた存在が「全身がコア」である第12使徒です。

破での覚醒初号機がこれに当たるのですが、この「全身がコア」である初号機に外装を貼り付けて巨大なエヴァンゲリオンにしたものがヴンダーとなります。ネルフ側ヴンダー、3機のホースマン、ガフの守人も同様の手法で建造されたと考えて良いでしょう。

ex.覚醒初号機、mark6、mark9、第12使徒

スライド4

4.アダムス

アダムスとはアダムスの器の覚醒が更に進み、肉体と外界の差が消失した存在です。作中では「アダムスの生き残り」と呼称されていますが本記事では「アダムス」で統一します。

外界と肉体が同一であるため、死にません。めちゃくちゃ言ってると思いますがそういうものだと思って諦めてください。ATフィールドがない、というのはそういうことで、エヴァがアダムスと相対した時はエヴァ自身のATフィールドがアダムスと自己を仕切る壁そのものになります。

ex.渚カヲル、エヴァ13号機、覚醒ゲンドウ

スライド5

これらを踏まえた上で作中で何が起きていたか?ファイナルインパクトの儀式とはなんだったのか?を推察していきます。

5.リリンでもできる!使徒殲滅

使徒は人間がどうこうできる存在ではない、と言いましたが、なぜ人類は滅亡しないのかといえば当然、エヴァが戦っているからです。エヴァは拘束具、エントリープラグを通じてパイロットとつながっており、パイロットを通じて外界、つまり人間社会とつながっています。それが使徒とエヴァを分かつ唯一の点であり、最大の強みです。アンビリカルケーブルも拘束具であり、「5分間しか戦えない」という制約自体が拘束ということになります。なので4号機で稼働時間延長試験を行った時点で拘束具が外れて爆発してしまったわけです。(おそらくは使徒化する前に拘束具が自爆した)

実際の使徒とエヴァの戦闘の模式図が以下になります。

スライド5

使徒を殲滅するにはコアを破壊する必要があり、コアを破壊された使徒はATフィールドを保てず、外界と肉体の境界を保てなくなって形象崩壊します。これで使徒殲滅完了です。

スライド6

それではエヴァを覚醒させるにはどうすればよいのか、破において第10使徒殲滅時の過程を追ってみたいと思います。

6.リリンでもできる!エヴァ覚醒

第10使徒戦において、使徒が零号機とともレイを取り込み、それを初号機がコアごと引っ張り出すことで初号機の覚醒が起こりました。それを指してリツコさんが相補性のうねりがどうとか言いながら太鼓を叩いていたように思います。これを図に起こしてみると以下のようになります。

スライド7

上図の通り、パイロットを通じて使徒とエヴァが対象的な形になる、ということを指して「相補性のうねり」と言っているのでしょう。ここから更に進行するとパイロットをコアが覆う形になり、パイロットが消失します。それに対応して使徒とエヴァの肉体も融合し、コアと肉体の境界も消失します。これはコアと肉体がシンクロしているために起こる現象なのでしょう。結果として以下ののような形となり、上記のアダムスの器に近い形となります。これをこのまま放置すると肉体と外界の境界も消失していき、全てが覚醒初号機に飲まれていくことになるのでしょう。これは月から飛来したmark6の槍により止められ、覚醒初号機はアダムスの器として留まることになりました。

スライド8

7.リリンでもできる!ファイナルインパクト

ここからがQの内容となります。

その前に、エヴァンゲリオンの作中時系列の最初、セカンドインパクト開始前の地球がどの様になっていたのかの解説をしていきます。

元々の地球の姿ですが、地球に4体のアダムスが拘束具、つまりオリジナルのロンギヌスの槍で縫い付けられ、黒き月にはリリスが、第12使徒が白き月に縫い付けられている形となります。言ってしまえば、地球とはリリスと黒き月をコア、アダムスをパイロットにしたエヴァンゲリオンだったのです。これを図にしたものが以下になります。

スライド9

上の図、どっかで見たことがないでしょうか。そう、シンでラストに出てきたゴルゴダオブジェクトです。アレは元々の地球の姿を図示したものだったのです。おそらくファーストインパクト、黒き月と白き月が地球に襲来した時点でこの図式が成立したと思われるのですが、そこは確かめようがないし作中ではどうでもいいことなので割愛します。この時点で使徒は6体なのですが、合計12体と言ってるってことはおそらくそれぞれに対応する使徒がいて合計で12体なんですよね。この辺はちょっとよくわかりません。ひょっとしたら相補性のうねりと逆プロセスで、6体が12体に分裂したとかなのかもしれません。

ともあれ、セカンドインパクトで一体何が起こったのかを追ってみましょう。

スライド10

セカンドインパクトが起きた時点で4体のアダムスとそれを地球に縫い付けていたロンギヌスの槍が吹っ飛んでしまいました。この時点でだいぶ詰んでると思いますが、ここからがエヴァンゲリオンという作品の始まりになります。

元々槍が刺さってた場所にはネルフ基地ができ、(ベタニアベース、カルヴァリーベース、タブハベース、ゴルゴダベース、ネルフ本部、ユーロネルフ?)槍が抜かれた穴はセントラルドグマと呼ばれたりしています。ここで穴に使徒が入っていかないようにエヴァで基地を防衛する、という話になるわけです。

 また、Qで13号機がセントラルドグマにダイブした時点での状況は以下のようになります。

スライド11

第12使徒を改造した(エヴァのガワだけ着せた)エヴァmark6が自身に刺さっていたロンギヌスの槍(カシウスの槍?)でリリスに接続しました。諦観された神殺しが云々、って言ってるのは多分エヴァではなくて使徒そのものであるmark6にリリスを殺してもらう、ってことなんですよね。ともあれリリスの崩壊は直前で止められ、mark6がリリスにロンギヌスの槍で縫い留められて地球自体がmark6をパイロットにしたエヴァンゲリオンとなった形になります。この時点で地球の境界であるATフィールドがだいぶ弱まっているために地表はL結界と呼ばれる赤く染まったひどい状態になっています。

ここから13号機とmark6(第12使徒)で相補性のうねりをおこした結果が以下になります。13号機とmark6が融合し、地球の内側に入り込んでしまいました。ここまでがQのラストです。

スライド12

いよいよシンとなるのですが、地球内部に侵入したヴンダーおよび初号機によってファイナルインパクトが引き起こされます。これは一体何かというと、黒き月そのものを槍と化し、覚醒初号機と13号機で相補性のうねりを引き起こすことで、地球そのもののATフィールドを消失させます。図示すると以下の通りです。

スライド13

白き月がハブられてますが、おそらく黒き月と白き月はシンクロしてるので、黒き月が初号機&13号機に取り込まれたら白き月も消失するんですよね。それともこいつがカシウスの槍になったのか?その辺はシンを見返してみないとちょっとわかりません。

そして初号機と13号機がシンジとゲンドウを巻き込み融合した姿がアナザーインパクトです。こうなると地球自体のATフィールドが消失し、宇宙に何も無くなります。

スライド14

上の図には示してませんが、ここで消滅したゲンドウとシンジはおそらく黒き月のさらに内側に入ることになり、そこにゴルゴダオブジェクトやらエヴァンゲリオン・イマジナリーやらがある、ということになるのでしょう。

ともかく、これだけまどろっこしいことをした理由は、本来人間が入ることのできない境界(ATフィールド)を突破してどんどん地球の内側に入っていく必要があった、そのために地球に刺さった槍を抜いて、穴の中に潜っていく必要があった、ということになります。

元々のゼーレの計画とはリリス(第二使徒)とmark6(第12使徒)でのファイナルインパクトだったものを、ゲンドウが乗っ取り初号機と13号機で遂行した、ということになるでしょう。

ここまでがゲンドウの計画になるわけですが、ヴィレの槍というのは黒き月を槍に変換したように初号機を包む肉体だったヴンダーのガワを槍に変換したもの、となります。エヴァの肉体は槍に変換できるわけですね。ここまで来てようやく「ロンギヌスの槍」がどうやって作られたのか、という推察ができます。元々使徒とエヴァが同一個体だったときに包んでいた肉体の一部だったもの、人間に当てはめて言えば「臍の緒」に相当するもの、ということができるでしょうか。元々自分の肉体の一部だったので当然境界も突破できるわけです。

ここまで、極力わかりやすくシンエヴァンゲリオン作中で何が起きていたのか?を解説してみました。当然これが正解とは限りませんし、質問、反論、新たな妄想など、その他ございましたらコメント欄に書き込んでいただくか、Twitterにリプライでもしただければ幸いです。

スシッ!スシヲ、クダサイ!