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木蓮の花

春便りが届く頃
少しずつ日暮時が足踏みをしてくれる
そんなゆったり時間は心が喜ぶ

お目当てのパン屋さんで
お目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。
そのベーグルを公園で元気に遊ぶ子供達の姿を
見ながら、3口の摘み食いをする事をお昼間に決定していた。

公園に近づくと雨上がりだった事に気が付く。
お昼間は忘れてしまう程の小雨だった。
霧の様な小雨も降ったり止んだりすれば
木々に沢山の潤いをもたらすものだよと
木で出来たベンチが語りかけてくれた。

お約束のベーグル3口の摘み食いと子供達の
元気な姿を堪能して立ち上がる。
空はモダンな大人の雰囲気で色気まで感じる
と言えば大げさだろうか...呟きながら目線を移した先に見えた一本の木蓮の木...

自分が見つめているだけなのに
強くクローズアップされる感覚になる
雨にしっかり濡れた木蓮の枝の色は凛として
力強く、とてもハンサムに見えた。

深い深いその色味のが支える真っ白な木蓮の花
はまるで白い羽根が付いている様に見えた。
その姿は可憐で少し哀愁の優美さがある。

木蓮に見惚れていると日暮は次の夜へ繋がれていった。真っ白な木蓮の花を更に引き立てながら。
木蓮の花
感じた少しの哀愁は一日の疲れを包んだ。
               

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