花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白い…

花手毬

自分の中から出て来る言葉を外に出したくなりました。 いろんな世界観を表現出来れば面白いな..

最近の記事

朝の音

朝の音は季節によって変わる 朝の音は何かを伝える 朝の音に耳を澄ませる 朝の音は命の音 朝の音に鈴の音が仲間入りする春      新しい生活を始めた命の鈴の音 朝の音が楽しみになる

    • 言葉

      祖父に見守られながら遊んだ川に自然と足がむいてしまった。 自然と言い訳をしながらも心の奥底では理由が判っている気もする。 ゆっくりと腰を下ろすな否や一羽の白い鳥が美しい羽根を広げて舞い降りて来た。 人慣れしているのか余りにも近い距離と目線をしっかりと合わせて来る様子に驚いた。 瞬間に頭へ映るイメージは高級ホテルの優秀なベルマン。 嫌味の無い気高さに荷物を預ける安心感がある 見透かされている。 「あのね」...... 音にしない言葉で聞いてもらう事にした。 自分が何か

      • 桜の花びら

        桜待ち侘びて 桜咲く 桜のカーテンが日本を覆う 桜の下で沢山の笑顔が咲く ポンポンっと音がする様に愛らしく咲く 桜の木に緑の小さな葉飾りを感じる頃 桜の花びらが終わりを繋ぐ 柔らかな小風に躍る様に舞い 真新しい制服の肩に留まり ベンチに腰かける人の横に降り 配達荷物を抱え働く人の手に忍び留まり 段数の多い階段を見上げた光景は 階段を上がる事に心が躍る様な 踏む事を躊躇う様な 登りたい気持ちと遠回りする気持ちが 交差する ベランダの床に一枚のはなびら こんな上まで 「

        • 初めての舞台(小さな記憶)

          「道路に出たら危ないさかいにな。        出たらあきませんで。」 「う..ん...。はい。」 「大人しい子やな。何や皆と遊ぶの嫌か。」 「いや...。......」 (まさか、意地悪されるとは言えんな...) 京都の昔ながらの日本家屋と長い路地。 着物姿を貫く凛とした祖母と孫である少女 の会話が響く。 「お酒を配達してくれはるから、      来たら言うてな。 ほなな。」 「う...う...ん。 はい。」 祖母の背はお楽しみがある。 それは帯の柄。家

           春の待ち方

          冷たい風が吹く春の日。 皆が口々に桜を待つ話しをしている。 桜の気持ちはどうであろうかと想い 桜の木の下に行ってみる。 桜に問いたところで返事など無くただ眺める。 桜が喜びの音を奏でる様に咲くと命達は喜ぶ。 桜の帯が日本を包む頃には命達の喜びは 満開となる。 全ての壁を超えて与えられる喜びは奇跡の風景。 命達は、喜びに溢れるからこそ咲く姿を待つ。 改めてその奇跡に感謝をする。 立ち去る前にもう一度、桜の気持ちを想像する。 咲くまでの時間を何とする。 咲くまで待てるか。

           春の待ち方

            呼吸

          いつもの朝の空を見上げる。 数日前から続く身体の不調を少し引きずり ながらも迎える朝。 今日を生きる小さな覚悟をの為に 力みの無い深呼吸を意識する テーブルに置いた透明の花瓶。 厚みのあるガラスが誘うレトロ感が好きで 数年前に購入した。 上半身を左右に揺らしながら解放して 眺めると目の錯覚が面白い。 ガラスが作る不思議な世界を一瞬楽しむ。 ガラスの内側に出来た気泡の数は呼吸の証。 自分が眠っている夜に側で生きていて くれた証。 自分では水を運べ無い所に連れて来たのは

          空色の恋

          ワシは楠木じゃ。 数年前に都会にある若い中学校の中庭に植えられた。中庭の楽しみがあまり無くてのう... 枝を鳥の巣作りの為に賃貸する代わりに 小枝で綴る秘書を頼んだのさ。 何を綴るって?...。 キラキラした瞳の子供達を眺めた日記さ。 まぁ、読んでみておくれ。幸せになるぞ。 そら来たぞ!来たぞ! 背が低い女の子での、顔だけ少し見える。 毎日毎日、中庭を見下ろす子なんじゃ... 面白い子なんじゃよ。ではのう......。 校舎の中庭を見下ろせる廊下はタエ子の お気に入りの

          木蓮の花

          春便りが届く頃 少しずつ日暮時が足踏みをしてくれる そんなゆったり時間は心が喜ぶ お目当てのパン屋さんで お目当てのブルーベリーの入ったベーグルを一つだけ買った。 そのベーグルを公園で元気に遊ぶ子供達の姿を 見ながら、3口の摘み食いをする事をお昼間に決定していた。 公園に近づくと雨上がりだった事に気が付く。 お昼間は忘れてしまう程の小雨だった。 霧の様な小雨も降ったり止んだりすれば 木々に沢山の潤いをもたらすものだよと 木で出来たベンチが語りかけてくれた。 お約束のベー

          木蓮の花

          空に放った言葉達

          春を迎える準備の霧雨の夕方 お気に入りの紫色の傘を広げたいからさす。 週末の仕事帰りの夕方はいつも人通りが少ない 道行く人は皆ご機嫌な顔をしているから自分ではお気に入りの時間。 お気に入りの紫傘をクルクル回して歩いていると 前から笑顔の親子連れが歩いて来た。 自転車の補助席に幼子を乗せ、母であろう若い女性が美しい母性の笑みで見つめる。 横に寄り添い歩く父であろう若い男性が2人に雨カッパを優しくかける。 自分の分は無いよっと両手の脇を締め、手の平を空に向けて戯ける。 次

          空に放った言葉達

          黄色

          黄色が好きです シンプルな宣言に蓋をしたのは友達の小さな 否定する言葉だった 今となれば笑い話である この世界にははじめから色の付いた物体は無いらしい 物体に色があると感じさせるとは光の作用 人間が見えているのは 物体に吸収された波長以外の残った波長 色が伝わる人間の不思議に感動した日がある 人の目は明暗のコントラストに特に敏感らしい その中の黄色の存在 黄色は色の中で最も明るく 背景が黒であっても1番明るい色 太陽やお月さまも黄色 生きとし生ける者全てが闇の中

          赤い林檎

          頭の中に浮かぶ言葉は沢山ある 書き留めた紙が増える 最近は、不思議と自分の外に出す事を休んでいた 理由は自問自答しても出て来ないまま 差し替えに隙間時間があれば絵を書いていた 人様に見せる事の無い絵 絵を描きながら初めてデッサンを学んだ日を 思い出した 赤い林檎を前に描いた時間 今では当たり前の事に感動した日 視野を広く 引いて引いて見る 全体を見ると絵のバランスが解る 下手なりに目の前の林檎が手元で複写される 不思議に感動した 大人になって思う事 赤い林檎を見て1

          赤い林檎

          小さな虹

          早朝、キッチンの隅に小さな虹が写っている 驚きと喜びに手元を止めて振り向くと 朝を告げる光が差し込んでいた 僅かな時間で消えてしまう幻想をどうしても 堪能したくて見つめていた 7色の小さな虹の中に8色目を探す 数分間の挑戦は自らの力になった 8色目はきっと自分の中にあるのだろ 自分が良ければそれで良いと思う 静かに 優しく 消えていく虹 表現する言葉を探した

          小さな虹

          出来た〜

          父の転勤で一年間社宅の団地に居た。 まだ幼稚園児だった私は、 頭の中が好奇心のワンダーランドでキョロキョロ していた。 頼み込んで貰った5円を握って駄菓子さんに行く と名前も知らない子達が集まっているから 小さな楽しみだった。 5円を如何に生かすか...真剣なミッションなんだ。 今思うとあの時の数字に向き合う姿勢があれば 数学博士になっていただろう。 まずは、皆と遊べる物を一つ買う。 次に長持ちするお菓子を買う。後はお腹の虫を収める為のお菓子を買う。 ピッタリ5円にする

          出来た〜

          お母さんの手 ①

          ガタン ゴトン ガタン ゴトン 同じ単調の音と人混みに押され目に映るのは 人の重なる服と足元。 電車の人混みに踏ん張る少女の名前はミコ。 ミコは時々満員の地下鉄に乗り、お母さんの通院に一緒に通っていた。幼いミコにとって最大級の難関の中で救いは変形している母の手だった。 変形しているから握り方がわからない。 けれど、絶対に温かくて嬉しい感覚。 難関を突破すると次の巨大なピラミッドの様な階段を下りまた上がるミッションが待っている。 足の悪いお母さんと歩幅の狭いミコは、1番壁

          お母さんの手 ①

          自動

          昨今、あらゆるジャンルで便利な物やシステムが溢れている。 専門家では無いので詳しい事は何もわからないがとにかく四方八方に自動がある。 その中でも1番身近な道具はスマホやパソコン。 生活空間では照明、お風呂、キッチン、エアコン と上げればキリが無い。 ただ...時々、心が置き去りになる。 何故ならば、自動化されている事柄の中には喜びが含まれている様に感じるからだ。 例えば、すっかり身近に溶け込んでいるAI機能。 お助けを求めれば思考と提案の無限パートナー。 私は文章を考え

          自分に名前を付ける

          いつも面白いと思う事があります。 昨今はSNSをはじめ、沢山の発信方法が あります。 その時に、必ずアカウントやコミニティーの 中で名前を付けます。 名前とは、親や然るべき人が産声を上げた時に 名付けてくれるもの 共に生きる小さな命にも名付けたりします。 名も無き者に名付ける... 余りにも日常に繰り返している事に気が付き 心が反応した日があります。 名付ける時はどの様な気持ちであろうか... 願いを込め、想いを乗せ、何度も考え書き換え 付ける名前。 名付けの対象は命

          自分に名前を付ける