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〈短歌〉2024年3月
変わらずにいられるようにあんなにも願った頃の夢は見なくて
熱があるときだけ気づく輪郭線こんなところに骨があったか
情けない日も血液は燃えていて生きろ生きろと心を撫でる
マンションの影に追われてベンチからベンチへ猫の昼寝みたいに
一万キロ先か隣か知らないが誰かも独り眠れずにいる
この角を曲がれば春に辿り着く嘘がほんとになるまで見ていて
〈短歌〉2024年2月
冬の朝イオンタウンの長椅子は私の読書のためだけにある
サボテンて死ぬんや(笑)と口にして取り戻せない言葉が増える
ここまでの小さな旅と知っているしゃぼん玉をもう追ったりしない
もう一章読むには足りずパズルゲームするには長い夜のバス停
ヘッドフォンしたまま触れる鍵盤のとすんとすんと雪解けの音
小説をめくる一人の寝室に車窓から見た春野が香る
◇感想(セルフ)
電車から見る景色って、窓閉ま
〈短歌〉2024年1月
あの人の腹にいた子はあの人の温度のままで光になれる
ぷかぷかと尻を並べて爆撃のことなど知らないような水鳥
雨雲とビルの縫い目を抜けた陽がドバトと私だけを照らした
君は今どこだ正月は能登なのかうちにはそろそろ寿司が来るのに
タンポポもシンニンギア・スペキオサもあなたは等しく名前を呼んだ
〈短歌〉2023年、秋冬
◇退職
下敷きと名付けた板も役割を終え菓子箱の切れ端に戻る
やればやるほどすり減った薄くても磨かれるなら考えたけど
私のこと見てなかったじゃん最後だけ訳のわからん動画撮ってさ
熨斗付けたクッキー開けてバリバリと食べてやりたいそう思うだけ
今できた曲なら誰も知らないと歌う・走る・冬・堀川通
◇お笑い
本日も残業Chromeのタブ増やし彼らの決勝進出を知る
テンプレのお祈りメールに被さってふざけたク