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意識低い会社員の昇進試験合格戦術【課題解決試験】


1. はじめに

本記事は以下記事の続編的な立ち位置です。

 近年、問題を素早く取捨選択する能力に加えて本質的な課題(インシデント)を抽出して解決する力が求められて来ています。 情報収集能力、課題設定能力を判断し、さらにインバスケットの要素を加えて解決能力を把握する、というように、インバスケットとインシデントを併用して、管理職としての適性を判断する企業が増えています。

 私も某製造業の会社員として働いていますが、同じ様な試験がありました。合格率は30%ほどで、しかも不合格になればなるほど下駄をはくことができるという会社でしたが、意識の低い私はリモートワーク中に仕事そっちのけで対策に対策を重ねて一発合格できました。

 本記事でそこで重ねた対策の具体的な方法のうち、「課題(インシデント)を抽出して解決する」方の試験(以下、課題解決試験)の合格するための戦略をお伝えします。


2. 合格戦略を編み出すまでの経緯

2.1 試験概要を把握する

 戦略に入る前に、まずは試験の概要を把握することが大切です。

 この課題解決試験の概要は次の様なものです。インバスケットのようなケーススタディとして、貴方はとある架空の会社・組織の社員という設定。前任の課長や部長レベルの人が事故などで不在になり、代わりにあなたが急遽そのポジションに着く。
そこで事故の後〜着任までの間の未処理のメールを処理する。"インバスケット試験"は目の前の仕事を速やかに処理をするのに対して、この課題解決試験は中長期的にやるべきことを定めてその具体的な施策を記述する試験です。

課題解決試験の専門家の日本経営協会総合研究所によると、評価項目は以下の表の様なものになります。

表1_課題解決採点ポイント
表 課題解決試験評価項目

2.2 意外な落とし穴 -わかるのに伝えられない-

 採点基準も理解した上で、数問ほど問題に取り組んで見たのですが、これが想像以上に厄介。問題文を読めば頭では「あれはここと関連して、こっちはここの解決手段で・・・」とわかるのです、いざ採点者にわかる様に書き出そうとするとなかなかうまくいかないです。

 過去の試験に合格済みの先輩見てもらっても回答の意図が伝わらないことが多かく、回答を整理する力も無くてはならないると感じました。

 多くの方は回答を整理する力を付けずに試験に臨んでしまい、合格点を取れないという落とし穴にハマるのでは無いでしょうか。


2.3 合格戦略概要

 上記の体験を踏まえて、情報の整理方法や課題や施策の書き方といった回答方法を型・テンプレート化し、早く確実な合格点を叩き出すという戦略を構築しました。
 テンプレになぞってなるべく思考停止したい!それが意識低い合格戦略!

3. 合格戦術概要

 上記戦略を受けて、実際にどの様なテンプレートを作成して利用していくのか(戦術)を記載します。現状分析パート課題設定パート、施策設定パートの大きく3つのパートに分けて考えます。
 以下の2つの図は回答用紙の書き方テンプレートです。

図1 分析
図2.具体的施策png

3.1 現状分析パート

 ケーススタディの問題や各案件に明記された大きな情報を整理するパートです。書き出すことで自分の頭を整理しながら採点者にも正確に伝わるようになります。また、課題設定・施策設定に取り掛かる前の前提となる部分を作成するものなので確実に押さえるべき重要部分。
 自分の立場 + 3C分析 ということで次の4つで構成
①自分の立場を定義、②市場の状況、③競合の状況、④自社の状況
このパートは他2つのパートに比べてオリジナリティが出づらい部分。それ故にフォーム(テンプレート)を身につけて確実に、そして早く整理することが可能な部分と考えます。


3.2 課題設定パート

 自社の目指す姿(理想・目標)に対して、それがうまく行かない原因(現実)を各案件から抽出して整理するパートです。その各原因の中でもクリティカルなものに焦点を当てます。問題分析力として採点対象になる部分であるので超重要。昇進試験を受けるレベルの人なら因果関係は誰もがわかると思うので差別化し難いのですが、これを整理してまとめるとなると話は別。フォーム(テンプレート)が定まっていないと、せっかく因果関係を理解していても整理に手間取って時間切れになってしまいます


3.3 施策設定パート

 上記で設定した課題に対して具体的にどの様な施策を実行していくかを記載するパート。色々考えればオリジナリティも出せる部分ではあるのですが、基本的に上記で設定した課題で書くことの大部分は決まる印象。無理にオリジナリティを狙うよりも王道をテンプレ化して確実な得点を狙いたい。

4. 合格戦術詳細

 上記では割と抽象的な内容ばかりなので、イメージが沸かないと思うので、以下で具体的な例を書いていきたいと思います。

2024/3/7 追記
本記事の内容も網羅した完全版の記事を作成しました。
そちらをご参照ください。


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