ブックオフに到着すると、今日は何を探しに来たんだっけ？と目的を失念することがよくある。そして大抵の場合、そのまま探すべきものを放り出し、膨大な量の四角がひしめくCDコーナーに吸い込まれていくのだ。

ニューヨーク出身のインディーロック／フォークバンドによる5thアルバム。熱狂的だったグランジが落ち着き、オルタナティブロックの枝葉がさらに細分化を進め、モダンメタルやヘヴィロックというお金の匂いに満ちたビジネスシーンが活性化し、まだまだ音楽シーンが元気いっぱいだった2000年作。LOWにも通じる朴訥さとアンサンブルを兼ね備えたスロウコアサウンドが、夜更けの作業にこれ以上ない集中力を与えてくれる。

嗚呼、結局、探していた小説のタイトルを帰宅してから思い出す始末。滞在5分もその日を完成に導いてくれる優良企業、ありがとうのブックオフ。