#68 感受性を育てる

子育てをするとき、小さい子は薄味で、とか、テレビをなるべくたくさん見せない、ということを耳にすることがあると思います。
なぜでしょうか。

もちろん、体内の水分量が多いから、塩分に配慮したり、目が悪くなってしまうから、という理由もあると思いますが、私は「刺激の多さ」という点が気になっています。

大人もそうだと思うのですが、ハレの日の食事というのは、いつもの料理よりも味が濃いめだったりします。外食も味付けがたいがい濃いめ、その方が美味しいと感じやすいからだと思います。
テレビは、視聴者を飽きさせないように、プログラムが作られているので、ぼーっと見ていても、楽しい気持ちにさせてくれたりします。

生活を取り巻く色々な刺激、五感について、見ていきたいと思います。

味覚

上にも書いたように、外食や特別な日の味付けは、こってりしていたり濃いめだったりします。離乳食では、味をつけずに素材の味を楽しむところからスタートします。離乳食が終わっても、幼児の食事は薄味です。
わが家では、幼児ではなくなった今も、素材そのものの味を食卓に並べるようにしています。運動ざかりの思春期の男子には、ほかのところで塩分をおぎなう代わりに、ゆで野菜や、塩だけふってソテーしたもの、ほっとするような薄味の切り干し大根などの煮物など、1日の中で、どこかに素朴な味のものを出します。
もちろん、化学調味料や添加物などを使わないことも大切ですが、薄味のもので美味しいと感じられる味覚でいることが、他の味がきたときに「変だぞ」とか、本物が分かる舌を育てていくと思っています。料理人になる、とかではなくとも、本物の味が分かるようになっておくことは、生きる力につながると思っています。
すべてが、ではなくて、薄味のものも美味しく工夫して食卓にならべることから、味覚を育ててみませんか。

視覚 色について

子どもは原色のおもちゃが好きだったりします。が、あえて、淡い色のものを周りに置くようにしています。見立て遊びをするときに、色がついていないものの方が、想像力を働かせる機会が多く、遊びが広がりやすいです。

保育園に勤めているとき、年長児が水彩絵の具を使って描画をしていました。そのとき、なるべく淡い色を使うように声かけしていました。色の感受性についても(ここで詳しく思い出せないのですが)、淡い色を使って表現することで育つ感性があると教わりました。色を濃くしていく、パッと鮮やかな色を使うことのほうが、カンタンなんですよね。濃くしていくと、薄い色使いで表現するようになるのは大変だけど、薄い・淡い→濃い、はできるようでした。

視覚ということで言えば、受動的な刺激に慣れてしまうと、自分から創り出す遊びをするのが面倒になってしまいがち。テレビや動画をたくさん見ている子どもは、遊びを与えられないと「つまらない」と感じがちになってしまいます。ブルーライトを発するような画面は、刺激が強いんですよね。
同じメディアを使うなら、なるべくならゲームや動画よりも、音声。音声よりも本や絵本。できれば実体験、という風に心掛けています。
これも、テレビはダメだと言いたいわけではなく、刺激が強いと知っていることが大事で、どうしてものときには私も見せることもあるし、子どもの様子に応じます。お兄ちゃんたちが、メディアに触れることが多かった後は「もっともっと」となりがちで、そうなったら、メディア断ちではないですけど、少し、そういった情報から距離をおくようにさせています。でないと、大人でも引っ張られてしまうメディアに、子どもは引きずり込まれてしまいます。

聴覚 音について

メディアのことと重なることもありますが、何かを聴かせるときには、なるべく小さ目の音にするようにしています。音についても、大きな、迫力のある音は、刺激が大きく、時には楽しいのですが、いつもそうだと大きな音でないと満足できないようになってしまいます。
小さな音にも気づくようでいられると、遠くの飛行機の音、鳥の声、風の音など、自然音に気づけるようになります。小さな音で流している音楽でも十分満足できるようになったりします。

次男は、思春期に入りかけているのですが、動画など見るとき、小さめな音で見ていたりしますが、感情を入れて聴きたい音楽は、ヘッドフォンで爆音で聴いていたりすることもあります。場合に応じ、だと思いますが、親が与えるときには、大きな音、聴こえやすい音にする必要はないかもしれません。

気を付けていること

私が気を付けているのは、中毒になってしまう刺激です。
スクリーンと、砂糖などは、「もっともっと」となります。仲良くしている周りのお子さんや環境によっては、完全に避けられないとは思いますが、これらは、できる限り、出会わせる時期が遅い方がいいなと思っています。
自分自身も、自分で意識的にならないと疲れているときなどついつい刺激を求めがちになるので、気を付けるようにしています。

砂糖は虫歯の原因にもなりますが、中毒になることは意外と知られていないんですよね。だから、自然な甘みを与えたいものです。甘いもので、ストレスを発散するようにしていると、知らず知らずのうちに、低血糖症っぽくなっていることがあります。血糖値が急に上がって急に下がったときに、眠くていても立っていられなくなったりとか、異様なほど甘いものを欲っするときには低血糖症っぽいと自覚して、そのときには、私は砂糖を断つようにしてリセットします(同時にそんなときは小麦も断つことが多いです)。

終わりに

今回、子どもの送迎をしているときに「音楽流して」と言われて、スイッチを付けたときに、音量を下げたときに、そういえば、と、ふだん心掛けていることを思い出して、そのことについて今日は書いてみました。

決して、刺激が強いことは悪いのだ、と言いたいわけではありません。ふだん、刺激の量を減らしておくことが、感覚を育てること。ハレとケの日を作って、刺激をコントロールすることが、大事だなと思っています。

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それでは、また明日!

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