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万有引力の力なのだろうか? ~集うということ~

年末が押し迫って、人と会う機会がぐっと増えています。もちろんリアルで。不思議なもので、コロナ禍真っ只中の時にほぼすべての集まりがオンライン上で行われることになったことが過去のものになろうとしているような、そんな気がします。

オンラインの便利さは一度知ってしまったらやめることはできないだろうと思います。行き帰りの手間が無いし、上着さえ来ていれば(笑)ちゃんと画面に登場できます。データのやりとりもその場で瞬時に送受信が可能だし、やろうと思えばみんなで一緒に画面にお絵描きをすることすらできます。

でも、やっぱりオンラインはリアルで会うことには及びません。オンラインは何かがもの足りなくて落ち着かない・・・。目線が交わらない。相手の空気感が伝わらない。遠いものを見ているような気持になる。などなど。

今年はコロナ禍における感染対策もかなり緩和されてきたためか、リアル回帰のような現象もそこかしこで見られたと思います。私も感染予防には十分に気を払いつつ、積極的に様々なリアルの集いに身を置くようにしました。講座、研修、勉強会、農作業ボランティア、市民活動、学校の部活動支援、懇親の場・・・、振り返ってみると随分と参加したものだと。ありがたいことです。

最近思うのは、「人はお互いに惹かれている」ということです。精神的にも物理的にも、お互いに引き合うものがあるように思います。これって万有引力のなせる業なのかな?とも思ったり。カウンセリングでは、最初に適度な距離を確認します。「このくらいでお話ししやすいですか?」のように尋ねます。近すぎても、遠すぎても、落ち着かない。地球と月が引っ張りあっているように、集まった人同士の間に、相互作用(互いに惹かれる)が起こっている。この相互作用という現象が「やっぱり、リアルで会うのっていいよね。」の源泉になっているのではないだろうか?と想像します。

人と人の間で起こることは、氷山のイメージで例えるなら、水面上に現れて見えやすいもの、喫水線のあたりで見え隠れしているもの、水面下で目には見えないものがあると言えます。もう少し専門的な言葉ですと、見えやすいものをコンテント(内容的側面)、見えにくいものをプロセス(関係的側面)と表現したりします。例えば、話している話題そのものがコンテント、話している話題に対して人がお互いに感じていること(あるいは感じていても話されないこと)がプロセスにあたります。

人が集うということは、そのような、人と人との相互作用(コンテントとプロセスの動きの中で起こること)が色んな方向に作用して、それが集まることの豊かさだったり、嬉しいことだったり、時には残念だと感じることだったり、様々に変化してゆくのだと思います。このように人が集う時に大事なことは「そこにいる誰もが尊重されること」ではないでしょうか。ああ、自分はここにいていいんだ!と思えることが、お互いを思いやり、話を聴き合い、その場が一層豊かな相互作用で包まれてゆく、そういう感覚です。いわば、その場への安心感や信頼感のようなものでしょうか。

気遣い、ということが集いの中ではしばしば行われます。相手のグラスに飲み物を注いだり、相手の顔を見て丁寧にうなづきながら話を聴いたり、途切れそうになった話題をお互いに譲り合う、相手の時間を慮る・・・などなど、お互いを尊重する言動や行動が集いの空間の中で展開されてゆくと、お互いの信頼関係が深まります。ああ、いい仲間に囲まれて幸せだなあ、自分がしてもらっていることに感謝し、自分がしてあげられることはなんだろう、と。

さらに相互作用が深まってくると、お互いに感じていること(プロセスのこと)を率直に話し合えるようになると思います。ここまでになるには集いの時間もそれなりに長いものになるかもしれませんが、お互いのコンテントとプロセスをじっくり味わう、そして自分の中に起こっていることを相手を尊重しつつ素直に伝えることが可能になる、意味がそこに生まれる、といった境地のようなものです。

実はオンラインでもそのような現象は起こります。コロナ禍を経験して、人類は仮想空間を利用したコミュニケーション能力をさらに拡張したのだろうとすら思います。人間の適応能力には目を見張るものがあります。オンライン上でも意味が生まれる場面を何度も見てきました。すごいことです。

それでも、何というか、私自身は人肌恋しいというか、人がそばにいる温度感や空気感を大事にしたい人間です。オンラインのコミュニケーションにはすっかり慣れましたが、やはり本当にお互い手の届く空間で時を共にする、共にいることの喜びは譲れない価値があります。集うことで生まれてくる意味を大事にしたいなあ、と心から思います。

もしカウンセリングの場合であれば初回はできるだけ対面で、それ以降は対面とオンラインのハイブリッドでもよいかもしれません。初回で来談の方と良好な関係性を構築することが大事なことであり、それ以降は来談の方の意向を尊重して対面でもオンラインでも関係性の維持をきちんとしてゆくことは可能でしょう。

このように書いていると、これまでの様々な集いでの相互作用が浮かんできて、何だか幸せな気持ちになります。そのような場を求め、身を投じ、人と人との相互作用が生んだ豊かさに気づくことで、さらに自分が成長させてもらっている実感です。だからこそ、自分もそのような集いをつくり、みなさんが豊かな時を同じくできるように役立ちたいのです。余談になりますが、私は地元で年に数度、ドラムサークル(輪になってみんなで太鼓をたたく集い)の活動をしていて、これもそのような思いを抱きながらこつこつ続けています。

今回は集うことについてお話しました。私は2023年9月からライフキャリアデザインカウンセラーを名乗り、個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いをしようと決意し、今の会社での仕事を続けながら複業をすることにしました。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげようと考えています。

私は来談者の方に今回お話ししたような支援でお役に立つことを使命とするライフキャリアデザインカウンセラーでありたいと思っています。ご関心を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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