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『恋心は玉の如き』 中国ドラマ 鑑賞記録

恋心は玉の如き
錦心似玉
2021年 腾讯视频
45話

トップ画像 錦心似玉 公式微博

現地配信時から人気が高かった本作、自分的一番の視聴動機は主演 钟汉良 ウォレスでした。
2020年に我が推し 王一博と共に『这!就是街舞』第3季のキャプテンを務めていた彼。当時、時代劇のカツラが夏の撮影で如何に暑いかを楽しいジェスチャー付きで説明してくれたのを思い出します。

その钟汉良が、現在御年48歳にはとても見えない年齢不詳な魅力を爆発させて、主人公 徐令宜を好演なさってます。
一方ヒロイン羅十一娘 を演じるのは 谭松韵、32歳。結構な年齢差ですよね! わたしは『家族の名において』以来2作目の鑑賞ですが、本作でも圧倒的な存在感を醸し出す演技力に脱帽でした。




庶子だけど正妻に

主人公十一娘は羅家の庶子だったが、嫡出子である姉が正妻として嫁いだ徐家で病に倒れ、その後釜として政略的に結婚させられる。相手は永平侯という大将軍で名家の跡継ぎ、朝廷では宿敵 区家との攻防が繰り返されている。そんな大家の正妻が、がんじがらめなしきたりに屈することなく、周囲を味方につけながら一歩一歩自分の世界を広げていく物語だ。

夫には亡くなった正妻の他に複数の側室がいて、中国時代劇あるあるの数々のエグい策略に陥れられる。が、彼女の強みは、持ち前の知性と庶子として育った忍耐力、それに当たり前に成されるべき事柄を真っ向から主張できる誠実さ

そんな彼女に少しずつ心を寄せていく夫。武芸に秀で聡明なのだが、感情が表情や態度に全く出ない、良家によくいがちな男性。十一娘も最初は謎の死を遂げた母の敵討ちのために嫁ぐことをOKしたのだが、隠れた夫の優しさや思いやりに何度も接するうち徐々に心を開いていくのだった…
静かで穏やかな徐令宜に钟汉良の演技がはまってたなぁ。


乗馬シーンがカッコいい!

徐令宜は将軍なので戦いで地位を固めてきた男。刀使いも弓術も抜群なのだが、何がすごいって乗馬シーン
中国時代劇に乗馬は付き物だけど、俳優さんは馬に「乗る時」と「下りるとき」以外は上半身のみが多かったりする。馬まで映っていてもゆっくり歩いてる程度。
でも钟汉良は違う!ちゃんと乗って走るところも全身映る。乗馬のことは分からないけど、前傾姿勢でめっちゃカッコよく乗りこなしてる!
こんなに素敵に乗馬する俳優さんはなかなかいないんじゃないかなーと思った。


騎馬姿が凛々しい徐令宜 錦心似玉 公式微博



ドロドロもほどほど

中国ドラマ、わたしはどんなジャンルも特に気にせず、面白そうなら何でも観る雑食系だが、宮廷ものやお屋敷系の女性同士のエグい落とし合いだけはどうも苦手だ。子供の命とか絡んでくると本当にイヤ。目には目を歯には歯をで、やられたら更に狡猾なやり方でやり返して気分爽快!…とは、わたしはならないのだ(泣)つい、もっと別のやり方でポジティブな解決方を取った方がよくない?と思ってしまう。

そんな自分的には、このドラマのドロドロは許容範囲。なぜなら主人公の十一娘の思考が建設的だからだ。自分の得意な刺繍で社会に貢献していきたいという望みを捨てず、時間をかけて最善の方法を探っていく粘り強さがある。そんな彼女を見て夫も周りも徐々に感化され理解を示すようになる。
女性も自分の道を諦めなくていいんだ、というメッセージ性がこのドラマの人気を支えているのかもしれないと思う。


正妻&側室 錦心似玉 公式微博



その十一娘を演じる谭松韵が流石だった。大きな目から発せられる、ずっしりとしたリアリティービーム。セリフや涙が軽くフワフワと漂わない。言葉や表情の一つ一つに真実味を息づかせる人物造形が素晴らしくて、この女優さんが出ればある程度ドラマが引き締まる保証になるんじゃないか、と思えるほどの演技力だと思う。
徐々に心を通わせ合う様子も、お互いやや堅物で誠実なこの二人だからこその微笑ましさがあり。

それぞれの侍従、侍女である临波と冬青の恋も微笑ましく、琥珀は綺麗。
照影は将来が楽しみな役者さん、と思ったら『且試天下』で楊洋演じる丰兰息の子役などにも出演してる马柏全くん!なるほど美形な訳だわ(笑)


左上から時計回りに 临波、冬青、徐令宜、照影、琥珀、十一娘(全て役名)
丁洁 微博


ラスト3話はかなり強引な盛り上げ感があったけれど、それでもしっかり乗せられて、泣いた(笑)
終盤では徐令宜もよく考えず側室を増やしたことを反省し、十一娘一筋で温かい一家を築いていく。

俳優の年齢差を自然に超えて心地良いそよ風が吹いてくるような。そんな心温まるラブストーリーだった。





そういえば本作は日本上陸に当たって付けられることの多い「副題」がありませんでした。わたしはなくてもスッキリしていいなと思いますが、いかがですか?

EDはウォレスさま本人が歌ってる(ということをほぼ最終話で認識w)『落墨』。優しい歌声が和める楽曲でした。

さて、冒頭に書いた時代劇のカツラが暑いお話。ウォレスさまに依ると、額の横、カツラの間から汗が "スー" っと流れてくるんだそうです! 王一博曰く、アルコールで拭いて暑さを凌ぐのだとか(笑)脱いだ時の気持ちよさも、ジェスチャー付きでかわいく実演してくれました!
中国ドラマ観てると冬は息が真っ白になってたりして、寒さも半端なさそう。
そんな苦労をしながら、楽しいドラマを作ってくれてるんですね。感謝感謝~。

お読みいただいた皆様も、どうもありがとうございました!






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