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【暮らして分かった】フランス、ベルギー、アフリカのフランス語の違い

今まで仏語をフランス人の先生から学び、フランス語圏アフリカに4年住み、現在はベルギーに2年住んでいます。この記事では、住んで分かった地域ごとの仏語の違いを紹介します。全て私の主観・経験に基づくものなので、他に違いがあればぜひ教えてください!

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1.丁寧さ

フランス語にも日本語と同じように敬語や丁寧語があります。3つの国・地域で話される仏語を比較すると、人々の話す仏語のフォーマル度合いは、①アフリカ(最もフォーマル)、②フランス(ミックス)、③ベルギー(カジュアル)だと思います。

どこで感じるかというと、仏語には二人称(あなた)の単語が2つ(VousとTu)があり、Vousはビジネスの場面や知らない人同士に使うフォーマルな単語、Tuは同僚、友達同士や家族間で使うカジュアルな単語です。アフリカの場合、仕事相手や歳の離れた仕事仲間、またお店の人・レストランのサーバーはVousを使うイメージ。フランスでは仕事相手にはVous、仕事仲間にはTu、お店の人やレストランのサーバーはVousを使うことが多いイメージです。ベルギーの場合は、仕事相手はVous、親しくなればTu、仕事仲間はTu、お店の人やレストランのサーバーはTuを使うのがデフォルトなイメージ。

ちなみに、仏語のフォーマル・丁寧度のニュアンスを「このドキュメントを私に送ってくれますか?」というビジネスで使いそうな文を例に見ていきましょう。

  • 一番フォーマル(命令): Veuillez m'envoyer ce document.

  • 丁寧フォーマル(お願い):Pourriez-vous m'envoyer ce document, s'il vous plaît ?

  • フォーマル(お願い):Pourrais-tu m'envoyer ce document, s'il te plaît ?

  • 普通(お願い):Pouvez-vous m'envoyer ce doment, s'il vous plaît ?

  • 普通(お願い):Peux-tu m'envoyer ce document, s'il te plaît ?

  • 普通(お願い):Est-ce que tu peux m'envoyer ce document, s'il te plaît ?

  • カジュアル(お願い):Tu peux m'envoyer ce document, s'il te plaît ?

  • ちょっと威圧的?:Envoyez-moi ce document, s'il vous plaît.

  • 口語ならOK?:Envoie-moi ce document, s'il te plaît.

  • どの場面でもNG?:Envoie-moi ce document.

こんなにも言い方のバリエーションがあるんですね!同僚同士なら、カジュアル(お願い)までの言い方はOKな印象です。

2.単語と表現

場所によって違う単語もあります。数字の数え方でフランスの仏語の70はsoixante-dix(60+10)80はquatre-vingt(4 x 20)、90はquatre-vingt-dix(4x20+10)、ベルギーの70はseptente、80はoctente、90はnonanteというのは有名ですね。その他、フランスではパイナップルをAnanas(アナナス)、ベルギーはAnanas(アナナ)と言います。私はアナナスという発音に慣れていましたが、確かに最後のsを発音するのは例外的ですよね。

表現としては、s’il vous plaît (〜ください)の使い方がフランスとベルギーで若干違うと聞きました。例えば、ベルギーのお店で買い物をして、レジで支払いを終えた後、店員さんがs’il vous plaîtと言ってレシートを渡すのが定番です。この「s’il vous plaît(はい、どうぞ/お受け取りください)」という使い方は確かにベルギーに来た時は違和感を覚えました。アフリカではあまり聞かなかった使い方です。フランスやケベックでは言うのでしょうか?

他にも違いが見つかれば、随時追加したいと思います!

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