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未来のことが考えられない

「5年後、10年後の自分を想像してください。何をしていますか?」
就活生ならいやというほど聞かれただろう質問。大丈夫、社会人になってからも問われ続けるよ。そんなこの質問が私は大嫌いだ。未来なんて分かるわけないだろ、今を生きたいんだ私は!といつも反抗的になってしまう。

先日、産業医の先生による月1定期のカウンセリングがあった。仕事を離れて1ヶ月、そろそろ心の状態も落ち着いてきたため、この問いを発動されたのだ。なかなか答えられない私に先生は、憧れの人の着ぐるみを着て自分がどう振舞うのか考えるよう提案してくれた。私の憧れは、渡辺直美さんだ。彼女の勇気を振り絞って何かにチャレンジする姿・飾らず素の彼女でいる美しさにいつも元気をもらう。彼女は表舞台で表現しているが、私は裏方のエンターテイナーになれたらなと思う。先生の提案した考え方は以前よりもはるかに考えやすかった。

どうして今まで未来を考えることに抵抗を感じていたのだろう。

“人生は無計画がいい。”
映画『パラサイト 半地下の家族』 ポン・ジュノ

これは洪水で一家避難し、今までの計画が崩れた際に、父親ギテクが放った一言である。人生にはどれだけ努力しても報われないことの方が多い。無計画であれば、どんな結果であろうと絶望することはない。というような意味だった気がする。
私はまさに絶望することを恐れていた。今まで自分の望む未来に向かって走ってきたが、叶わなかったことが度々あった。そのときの痛みは失恋よりもはるかに苦しい。そうした経験が私を、未来を想像することから遠ざけていたのかもしれない。

未来を想像してもいい、ただ期待はしすぎないこと。
その未来のために、今を着実に生きること。

人生は思うようにはいかない。しかし、ハンドルだけは自分自身で握っておきたい。それは私の人生を生きる上で、私に唯一できることだから。

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