エンダウド・プログレス効果

目標を立てる時
あらかじめ「進んでる感」があると
やる気と達成率が上がる。

(ヨセフらの実験)

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「エンダウド・プログレス効果
(endowed progress effect)」というものを
知っていますか?

「目標を立てるとき
はじめからちょっと進んでると
やる気になるよ

というものです。

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洗車のポイントカードの実験


ランダムに分けた2つのグループのうち

Aグループには
「8ポイントでカードが満タンになる」カードを
0ポイントの状態で渡します。

Bグループには
「10ポイントでカードが満タンになる」カードを
2ポイント貯まった状態で渡します。

どちらも
貯めるポイントは8ポイントです。

結果

Aグループの19%、
Bグループの34%が
ポイントカードを完成させました。

つまり
Aグループよりも
Bグループの方が1.8倍ほど完成度が高い
結果となりました。

参考:「The Endowed Progress Effect: How Artificial Advancement Increases Effect」のSTUDY1


実例

これを応用して
僕は生徒にテスト前の
学習計画を立てさせるときに

・その日の授業でやることを範囲に入れたり
(授業でしたことはクリアしたものとみなす)

・テスト3週間前に立てた計画を
2週間前に見直して立て直しさせたり

しています。


ひとつめは
分かりやすいと思います。

授業のはじめに一緒に計画を立てて
授業が終わる頃には
少し進んだポイントカードが
生徒の手元に残ります。

実験のBグループのように
あらかじめ少し進んでいるから
僕の授業のないときにも
自力で学習を進めて
計画を達成しやすくなります。


ふたつめは、
「人は計画を立てるとき、
楽観的に見積もりやすい」
という法則も利用しています。

3週間前に立てた計画は
そこから1週間経つ頃には
進捗に遅れが出ている
ものなんです。

そこで2週間前に
改めて計画を立て直します。

ここで生まれる計画は
「あらかじめ進んだポイントカード」
になりますよね。

2週間前から
本腰を入れて勉強してもらうわけです。


更に

・計画を自分で作り……PLAN
・自分で進めたものを…DO
・自分で確認して………CHECK
・自分で修正する………ACTION

の作業を通して
PDCAサイクルを自分で回す練習
にする狙いもあります。


まとめ

計画を立てるときは
立てる段階で
既に少し進んでいる計画にすべし。


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