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気候変動を防ぐために、ロックダウン時の3倍の店を潰そう

お久しぶりです、いづつです。

世界的に経済活動の停滞をもたらした感染症、COVID-19. 通常経済活動が鈍化することは普通は喜ばしくないことですが、中にはそれを歓迎する人たちがいます。それは誰か。自称環境活動家たちです。

別記事でも解説しましたが、気候変動の主要因と強く疑われている温室効果ガスの筆頭、二酸化炭素(CO2)の排出量は、人口と1人あたりの経済活動量の積です。

CO2排出量 = 係数 x 人口 x 時間

環境活動家の基本主張は決まって「経済より温暖化防止」で、係数を急いで下げるために「贅沢をやめろ」という。そんな意見が多数になることは未来永劫ありえないのですが、望まずして感染症パンデミックという事情でそれがある程度の規模で実現することになりました。世界中であらゆる移動が激減し、娯楽は厳しく制限されたのです。環境活動家はさぞお喜びになったことでしょう。

では、どれくらい環境問題の改善に貢献したのか。CO2排出量は半年から1年くらいかけて集計するので、COVID-19がまだ多くの国で感染を広げている現時点で結果が出るわけがないのですが、経済活動に大きく影響を及ぼし始めてから数か月経っているのである程度の推定ができるだけの情報は集まっています。WIREDの以下2記事がわかりやすく、かつ冷静な問題提起をしてくれているので、できればリンク先の中身をしっかり読んでからこのnoteに戻ってきていただきたい。

2020年3月26日

フィンランドの独立研究機関であるセンター・フォー・リサーチ・オン・エナジー・アンド・クリーンエアー(CREA)の分析によると、経済が減速した影響で中国だけでも2億トン分の二酸化炭素(CO2)が大気中に排出されなくなり、中国のCO2排出量は25パーセントも減少した計算になるという。

2020年5月21日

このほど『Nature Climate Change』に発表された論文で、4月初旬までの1日当たりのCO2排出量が2019年の平均値と比べて最大17パーセント減になったことが明らかになった。

「これだけやって、たったの17%減か」と思うのは、おそらく正常な感覚でしょう。

この数字をもとに少し考えましょう。環境活動家の主張のベースとなっているIPCCの記述によると、2010年比でCO2排出を半減せよとのことなので、単純計算で「COVID-19によるロックダウン中の3倍の数の商売を、永久に休業させよ」ということになります。

活動家の目標を達成するためには、どれだけの人数が餓死し、どれだけつまらない人生に甘んじればいいのだろう。という私の感想でした。いやまあ、私の趣味はゲームなので超エコだけども、もっとアクティブな人のほうが圧倒的に多い。

やっぱり昨年書いたこの記事と同じ結論に帰着します。

ではまた。


Yoshiyuki IZUTSU

http://linkedin.com/in/yizutsu



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