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【結婚式の『真ん中』から離れるその日まで】

最近ふと考えていたこと。

「僕はいつまで現役プレーヤー(キャプテン)で
いられるのだろうか?」

こんなことを今考えても
仕方がないことなんだけど。


業界歴は12年。
僕も業界の中では中堅と呼ばれる世代となり、
年齢も32歳となった。


そして、どう足掻いても、
『引退』というその時は必ず来てしまう。
それだけは確かなこと。

しかし。いつか来てしまうその時までに、
僕には成し遂げなきゃならないことがある。
それは僕の中で勝手に持っている使命

誰かに『線』を引かれることはないから、
その線を引くのはきっと僕自身。

引退を決めるその時。
僕は何を原因としてその決断を下すのか。
年齢なのか?体力的なものなのか?

元プロ野球選手、
昭和の怪物と言われた江川卓投手。

江川と言えば手元で浮き上がるような
豪速球とカーブが武器だ。
肩の怪我を繰り返していたのは確かだが、
引退した1987年。当時32歳。
この年の成績も13勝5敗。8年連続の二桁勝利。
とても引退を決断するには早すぎる。
誰もが引き止めた。

その江川は、ある日の『たった一球』
引退を決めたそうだ。

シーズン終了間際、
優勝争いをしていた広島カープとの試合。
サインに首を振り、
江川自慢のストレートを
相手バッターの胸元(インハイ)に投じた。

手応えがあったはずの、
その渾身のストレートは
簡単にスタンドへと運ばれてしまい、
サヨナラホームランとなった。

後に江川は、
このときに野球人生が終わった
と後に語っている。


もちろんその時が来たわけじゃないから
本当のところは分からないけど。
周りからどう言われても引退となってしまう、
こういう引き際。凄く分かる気がする。


自身の『感度』『スキル』フル動員させ、
心を込めて結婚式を創った時に。

「あ。ダメだ。僕はここに立っちゃいけない」

そう感じる日が来るのかな?と思っている。


そもそもウェディングキャプテンの
平均的なプレーヤー寿命はどのくらいだろう?

僕の知る限りでは、
40代に入ると一気に現役プレーヤーとして
活躍している人が少なくなっているイメージ。


ウェディングプランナーだと、
40代、50代で活躍されている方は
まだまだ沢山いるのだけど。

ウェディングプランナーは『持久走
ウェディングキャプテンは『短距離走
みたいな違いはあるのかもしれない。


キャプテンは結婚式当日。
その結婚式の『ど真ん中』で、
人の想いや愛、感情を繊細に感じ取り
その刹那の判断で、
音、光、サービスなどの素材を使って、
場創りを磨くプロフェッショナル。

いろんな力は必要だけど、
やっぱり大切なのは『感度』と『瞬発力

ここを保っていけるのかが、
プレーヤーとしての寿命に関わってきそうだ。


平均的な年齢で言えば、
現役プレーヤーとしての引退まで、
あと10年も無いかもしれない。

そう思うと少しばかり、焦りも出てきた。


ハッキリ言ってしまうと、僕自身が
プレーヤーとして生き残りつづける
ということに固執してる訳では全くない。

引退したってウェディングの業界に、
結婚式の未来のために、違うカタチで
活躍できる場所はあるはず。

だけど、
現役ウェディングキャプテン』である
唐木裕介だからこそ伝えられる価値や思考、
スキルや感度があるのも確か。

そして、その現役プレーヤーとしての自分を
最大限利用して今を懸命に生き、
僕に与えられた使命を成し遂げなきゃ、
きっとその先の未来もないと思っている。

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僕はまず、
結婚式の未来を守り抜いていくために、
結婚式の体験価値』を引き上げる。

そのために。
目に見えないはずの『』『想い』を体現し、
届けることのできる『場創りの精度
高めなきゃならない。


場創りというものは、決して結婚式当日だけで生み出せるものではない。

入口でウェディングプランナーが心を砕いて、
丁寧に拾い集めた新郎新婦様の想いや
これからの未来への願いや期待。

これを出口となる結婚式当日のプロフェッショナルへ溢すことなく、リレーする。

リレーを受けた現場創りのプロフェッショナル
(CAP、MC、PA、サービス、キッチンなど)
の感度を高め、体現力を鍛え進化させる。

そういう本質的なものが体現できる
結婚式創りの仕組みを装着してもらう為に、
ウェディングプランナー佐伯エリさんと
結婚式場様向けコンサルティングサービス
B buddy consulting』を立ち上げた。

これをできる限り多くの企業、チームで
使っていただきたい。と思っている。

目の前の利益獲得の話ではなくて。
結婚式創りを進化させ、
中長期的にファンを獲得していけるように
僕達の感度やスキルをフル動員して届けたい。



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そして、もう一つ僕がやらなきゃならないこと。

それはウェディングサービスマンや
ウェディングキャプテンのスキルや感度を磨き、
その価値を高め、届けていくこと。

その先にウェディングに特化した
サービスや、キャプテンのプロフェッショナルが本当の意味で確立できる。


ここでハッキリ言ってしまえば、
先にも伝えたような
結婚式の『体験価値』を引き上げ、
結婚式の未来を守っていけるなら
キャプテンでなくても良い。


だけど、
『キャプテン』や『サービス』のチカラが
ここに大きな影響を与え、進化させると
今の僕は本気で思っているから。
ここはやっぱりクリアしていきたい。


そこにはまず僕の発言、発信も、
『チカラ』を持たなきゃならない。

だから現役プレーヤーにこだわり、
フリーウェディングキャプテン
として結婚式最前線に立ち続けているし、
その上で発信もし続けている。


発信を続けてきた一年半。
成果は少しだけどあった。

フリーウェディングプランナーさんから、
ウェディングパーティー施行の為の、
キャプテンの依頼、相談は確実に増えた。

これは『B buddy consulting』とは違う案件だが、式場様からの『結婚式施行改善』コンサルティングの依頼も頂いた。

業界を目指す学生さん、
業界歴1〜3年目の若い世代の方からも
「お話聞いてみたいです」と、
15件以上DMをいただきそのうち何人かとは
zoomでお話もさせてもらった。

ウェディング業界誌である、
The Professional Wedding』様にも
インタビュー記事を掲載して頂いた。


たしかに『成果』はあった。
だけど、何かが不足している気がする。
1番大きなところが。


それは同じ業種で戦う、
『キャプテン』『サービスマン』との繋がり。

もちろん何人かはSNS通じて、繋がれたが、
数としてはプランナーやその他業種の方よりも
圧倒的に少なかった。
そもそもSNSをやっているキャプテンや
サービスマンがほとんどいない。

これでは、どんな強い想いを持ち、
何かを届けたいと思っていても、
僕の発信が届く事はないし、
届かなければ意味を持たない。


全国のキャプテンやサービスマンが
どんな現状で、どんな想いで、
どんな課題と向き合っているか?
ここすら掴む事ができない。

そして、ここが掴めなければ、
スキルや感度を磨き、
価値を上げる為の『アクション』も
起こしようがないのだから。


2021年も終わりが見えてきた10月末。
僕は一つ。アクションを起こす。

全国の現役ウェディングキャプテン、
サービスマンを中心に集めて
オンラインで月に1〜2回、
情報共有、意見交換ができる場を
作ろうと思い、動いた。

この会。名前はシンプルに
『WEDDING CAPTAIN CLUB』と名付けた。

まずは2〜3人集まってくれれば、、
と思っていたのだが立ち上げから1ヶ月で
12人のメンバーが手を挙げてくれた。

年齢も、所属も、経験も、感度やスキルも
全く違うメンバーだけど、

『ウェディングキャプテンやサービスマンの存在意義を示し価値を高めたい』
『自身やチームのメンバーの感度やスキルを磨き、目の前の結婚式に還元したい』
『同じ熱い想いを持った人たちと共に高め合いたい』

そんな強い想いを持って参加してくださった。
なんとしても価値ある時間や場所を提供したいと
僕も今、試行錯誤を繰り返している。


そして、ここで見えたもの、感じたことから、
『次なるアクション』に移りたい。
結婚式の未来を守るために。次なる一手を。


あと10年もないだろう、この時間で。
辿り着きたい場所』までいけるのだろうか?

結婚式の未来に想いを馳せて。
限られた時間と、成し遂げたいことを
照らし合わせ、測ってみると
気が遠くなることもある。

でも、誰かがやらなきゃならない。

今までの僕は、
無名の僕が、、
僕なんかが、、
そんな言葉で逃げていたし、
誰かがやってくれるのを待っていた。

でも、そうやって生きるのはもうやめた。


無名だとか、年齢だとか言ってる場合じゃない。

いつまで有名な人、大きな企業だけに任せる?
いつまで経験や年齢を重ねた人に甘える?

今、動かなきゃ、今、変えなきゃ。
結婚式を守ることなんてできない。


30歳で会社を解散した時。
全てを捨てたんだった。
結婚式の未来だって、一度諦めかけた。

でも、もう一度だけ。
裸一貫でラストチャンスに挑む覚悟を決めた。

ダメなら受け入れる。もう失敗は恐れていない。
それは僕のチカラ不足以外無いし
失うものなんて何も残っていないから。


いつか来てしまうその最期(引退)

僕らしく。
『渾身』のストレートを投げて終わろう。

だけど僕は、もちろんホームランは打たれない。
最高の瞬間だけを思い描いている。

結婚式の未来が明るくなる、
そのたった一つの小さなカケラと
なれれば僕はそれで十分だ。

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