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失敗を味方につける挑み方

突然ですが、僕は『失敗』が好きです。失敗は成功の母とはよく言ったもので、失敗はたくさんの教訓が詰まったいわば学びの宝箱です。うまく使って味方につければ飛躍的な改善や進化につながります。

とはいえ、僕も好き好んで失敗したいわけではありません。失敗せずに成功できるなら最高です。しかし、人間は完璧じゃないので必ず失敗します。とくにそれが新しいことに挑戦するとなれば尚更です。

僕自身、今まで数多く失敗してきましたが、避けられないものをどう避けるか考えても仕方ありません。それよりも、どうやって失敗するか、失敗をどう活かすかの方がよほど考える価値があります。

このnoteでは、失敗を味方につける上で特に必要だと思う二つのことについて書きます。一つ目は失敗できる環境、二つ目は失敗の仕方についてです。挑戦しようと思っている誰かの助けになれば幸いです。

失敗に肯定的な環境に身を置く

環境はとても大事です。自分がいくら失敗を肯定的に捉えたとしても、周りがそれを認めてくれなければ失敗はしづらいままです。逆に周りがその失敗の価値を認めてくれるならば、心理的にも失敗を共有しやすいですし、そこから次の話もしやすくなります。

新しい挑戦や学びがしやすい環境には、失敗に肯定的な風土が必ず存在します。以前、『薩摩の教え・男の順序』という、薩摩藩・島津家に伝わる人事評価の基準が話題になりましたが、ここでも挑戦して失敗した人は高く評価されるべきとされています。

 一、何かに挑戦し、成功した者
 二、何かに挑戦し、失敗した者
 三、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
 四、何もしなかった者
 五、何もせず 批判だけしている者

失敗に否定的な(薩摩の教えで言えば五番のような)人が大半ならばそこは明らかに挑戦しづらい環境です。環境は自分一人の力では変わりません。もし「自分は挑戦したいけれど周りが...」という場合は思い切って環境を変えてしまうのがいい手だと思います。

もし、自分が組織やチームを作っていく側ならば、集団としての失敗の捉え方について考えることには大きな価値があります。失敗の捉え方は、組織の成長にも影響するからです。失敗をポジティブに捉えて活かすことができる組織と、失敗を忌避して隠そうとしてしまう組織との間には、成長の速度に雲泥の差が生まれます。

航空業界のオープンさが驚異的な事故率の低さを実現していることと、医療業界の隠蔽気質が事故率の改善を鈍化させていることは有名な話です。この話は『失敗の科学』という本に詳しく書いてあります。

うまく失敗する

上手いも下手もあるのかと思うかもしれませんが、あります。一つは失敗から得られるものがあったかどうか、もう一つは状況をオープンに共有しているかどうかです。

知りたいことを学びとして得られたのであれば、それは良い失敗です。逆に何も分からなかったのであれば、それはうまくいかなかった失敗、失敗した失敗です。二重で悲しい響きですね...

学びを得ることができれば、それを使って次の段階に進むことができます。大事なのは高速に質の高い学びを積み重ねていくことです。下のチャートで図式化している通り、1トライあたりで得られる学びの量が多くなるほど、成長曲線の勾配が持ち上がっていきます。

質の高い学びを得るためには、仮説を立てそれを検証するサイクルを回していく必要があります。有名なPDCAというやつです。ときどき古いとか言われたりもしていますが、基本の型としては申し分ないと僕は思っています。

加藤の資料置き場 - 失敗を最大限に活かす

オープンかどうかは、二つの意味で上手い失敗の鍵になります。一つ目は、状況を公開することで助力が得られやすくなるということ。二つ目は、自分の中から失敗を隠蔽する要因を排除することです。

状況を公開することで助力を得られやすくなるのは間違いありません。誰かに相談しにいくとき、先に目にしたことや耳にしたことがあるだけで話しやすさが全く違います。また、興味を持った人が声をかけてくれる、なんてこともあると思います。

隠蔽する気がなくても、抱え込んでいるうちに隠蔽のようになってしまうことがあります。結果が出てから公開したいと思っていただけなのに、いつまでも結果は出ず...という話は珍しくありません。

みんなに言うことが難しければ、まずは一人からでもいいと思います。相談相手になってくれる人を見つけて、仲間になってもらえれば百人力です。相談についての話は以前noteで書いたので、もしご興味あればこちらも読んでください。

さいごに

このnoteでは、失敗をうまく味方につけるための、環境と失敗の仕方について書きました。挑戦しようと思っている誰かの助けになれば幸いです。

僕は今スタートアップで働いているので、全てが手探り、挑戦と失敗の日々です。それでも着実に一歩ずつ前に進んでいる実感があるのは、失敗に肯定的な文化であり、うまく活かしていこうとしているからだと思っています。

僕たちの会社のValueには「挑戦をきわめる」「オープンに、誠実に」という言葉があります。僕たちは、力を合わせて挑み続けなければ生き残ることができません。そのためには、失敗もオープンに共有して、集団として学び続けることが必要だと考えています。

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