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トミー&タペンスシリーズ読書記録

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おしどり探偵・トミー&タペンスシリーズの読書記録と、編み物作品の紹介です♪︎
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2022.4月10日 T&T短編・9『パリパリ屋』& 「C」

2022.4月10日 T&T短編・9『パリパリ屋』& 「C」

1ヶ月ほど春休みしておりました、アガサ・クリスティ氏作品の読書記録🌸
再開でございます😊

《トミー&タペンスシリーズ》短篇集『おしどり探偵』より

今回は、『パリパリ屋』を取りあげます。

この日、ベレズフォード夫妻が営む国際探偵事務所を訪れたのは
何と、現役警察官のマリオット警部でした。
贋札事件の解決の為、私立探偵であるおしどり夫妻の力を借りたいという、依頼を受けます。

普通は、警察官

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2022.3月7日 T&T短編・8『霧の中の男』& 『M』

2022.3月7日 T&T短編・8『霧の中の男』& 『M』

今回も、短篇集『おしどり探偵』より

第8の短編、『霧の中の男』について、語ります。

どうやら、真珠盗難事件を解決するために呼ばれたものの、役に立つことが出来なかった様子のベレズフォード氏。
犯人を取り逃がした訳ではなく、地元警察が窃盗犯をあっさり逮捕して、
腕利き探偵たちの活躍する場面がなかった、ということらしいのですが…

むしろ、それが普通だし、当たり前のような気もしますが。トミー氏は気分

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2022.3月6日 T&T短編・7『目隠しごっこ』& 「B」

2022.3月6日 T&T短編・7『目隠しごっこ』& 「B」

〈トミー&タペンスシリーズ〉短篇集『おしどり探偵』収録作品の読書記録をつづっています。

7番目は『目隠しごっこ』です。

探偵術のトレーニングの為か? 夫婦円満の為か??
理由はともかく、トミー氏が深緑のアイマスクで両目を覆い、夫人と二人でお出かけするところから、お話が始まります。

レストランで昼食を食べるのですが、オマールエビのピラフやグリルドチキン、シュリンプサラダにブリッツ風オムレツなど

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2022.3月4日 T&T短編・6『婦人失踪事件』&「L」

2022.3月4日 T&T短編・6『婦人失踪事件』&「L」

本日の読書記録は、短篇集『おしどり探偵』より、短編6作目『婦人失踪事件』です。

このお話は、シャーロック・ホームズもの『レディ・フランシス・カーファックスの失踪』のパロディとなっています。

元ネタであるドイル氏の小説は、かなりシリアスで、凶悪な犯罪を描いた作品のようですが

このおしどり探偵版『婦人失踪事件』のほうは予想外な展開で、笑ってしまうような面白いお話となっています。

たまに、こうい

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2022.3月2日 T&T短編・5『キングを出し抜く』& 「K」

2022.3月2日 T&T短編・5『キングを出し抜く』& 「K」

〈トミー&タペンスシリーズ〉短篇集『おしどり探偵』収録作品

短編の第5 『キングを出し抜く』の読書記録を、綴ります。

若い夫婦の会話らしい、微笑ましいやりとりから、このお話が始まります。

若妻タペンスさん。こんな台詞を呟きます。
「男というものは ──とくに若い夫というものは── 浮気で、飲んだり踊ったりして夜更かしするのが好きなものだ。わたしはそう教え込まれて娘時代をすごしたものよ。(

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2022.2月28日 T&T短編・4『怪しい来訪者』 & 「S」

2022.2月28日 T&T短編・4『怪しい来訪者』 & 「S」

〈トミー&タペンスシリーズ〉短編 読書記録
4番目は『怪しい来訪者』。
勿論,短篇集『おしどり探偵』収録作品です。

「おっそろしく退屈な日々だなあ」と、トミー氏が冒頭から嘆いておられるとおり
あまり繁盛してはいない様子の国際探偵事務所です。
そのほうが、平和で平穏ということですから、世の中的には好ましいことなのでしょうが…

そんな中、カーター長官が話していた、ロシアの切手を貼った青い封筒が届き

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2022.2月27日 T&T短編・3『桃色真珠紛失事件』& 「P」

2022.2月27日 T&T短編・3『桃色真珠紛失事件』& 「P」

本日は、〈トミー&タペンスシリーズ〉短篇集『おしどり探偵』より
短編『桃色真珠紛失事件』の読書記録を、記します。

キングストン・ブルース大佐の依頼で、彼の友人ベッツ夫人所有のペンダントに付いている大きな桃色真珠が、もぎ取られて失くなってしまった件について、調査することになったおしどり探偵のふたり。
今回は、オースティン・フリーマン氏の小説に登場する法医学者探偵の ソーンダイク博士を真似て、事件を

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2022.2月24日 T&T短編・2『お茶をどうぞ』& 「T」

2022.2月24日 T&T短編・2『お茶をどうぞ』& 「T」

〈トミー&タペンスシリーズ〉短篇集 『おしどり探偵』収録作品の読書記録

ふたつめは、『お茶をどうぞ』です。

国際探偵事務所の主となったベレズフォード夫妻。
助手というか、執事というか、オフィスボーイというか…
とにかく、手助けを担ってくれている青年アルバート君と3人で、探偵稼業を開始したようです。

いきなり、殺人犯を追いかけたり、紛失した宝石を探し当てたり といった、大事件を解決する
とい

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2022.2月23日 T&T短編・1『アパートの妖精』🧚‍♂️🧚‍♀️& 「F」

2022.2月23日 T&T短編・1『アパートの妖精』🧚‍♂️🧚‍♀️& 「F」

大変長らくお待たせいたしました。
〈トミー&タペンスシリーズ〉読書記録、再開致します!

短篇集『おしどり探偵』
まずはこの短篇集について、少し語っておきたいと思います。

発行されたのは1929年で、1922年の長編第1作『秘密機関』と 1941年の長編第2作『NかMか』の間に出された、このシリーズ唯一の短篇集となっています。

既に結婚して夫婦になっている二人ですが、まだまだ若く、好奇心旺盛

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2021.11月24日 T&T長編・4『運命の裏木戸』& Fの方眼編み

2021.11月24日 T&T長編・4『運命の裏木戸』& Fの方眼編み

トミー&タペンスシリーズ読書記録、長編最後の作品は『運命の裏木戸』です♪

時は1973年。もうかなり現代に近いですね。
トミーさんとタペンスさんのお二人とも、70代半ばの老夫婦となっています。

現役を引退し、のんびり田舎の家で暮らすためお引っ越しをなさったベレズフォード夫妻ですが
中古の家を、以前に住んでいた人の蔵書も含めて購入したようで
書籍類のお片付けシーンから、この物語が始まります。

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2021.11月18日 T&T長編・3『親指のうずき』& Aの方眼編み

2021.11月18日 T&T長編・3『親指のうずき』& Aの方眼編み

アレコレ寄り道をしてしまい、遅くなってしまいました💦
トミー&タペンスシリーズ 長編作品読書記録
本日は第三作目『親指のうずき』について綴ります。



1968年刊行されたこの作品では、ご夫妻ともに初老と呼ばれる年齢になっておられます。
初登場作品では、激しくスピーディーな展開のめくるめく冒険活劇を繰り広げていたのですが
主人公二人の年齢に合わせるかのように、スローテンポで落ち着いた、しっと

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2021.11月6日 T&T長編・2『NかMか』& それっぽい方眼編み

2021.11月6日 T&T長編・2『NかMか』& それっぽい方眼編み

ご無沙汰しておりました!やっと投稿出来ます。
トミー&タペンスシリーズ 長編第2作『NかMか』の読書記録を綴ります。

この作品が発表されたのは1941年のこと。
主人公トミーは、46歳になっています。
第1作目『秘密機関』の頃は、二人合わせても45を超えない若者だったトミーとタペンスですが
結婚し子どもも産まれ、ふたりとも40代の中年ご夫婦となったのですね。

ということは。今の私と同世代であり

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2021.10月25日 T&T長編・1『秘密機関』& ブラウン氏風方眼編み

2021.10月25日 T&T長編・1『秘密機関』& ブラウン氏風方眼編み

アガサ・クリスティ氏作品読書記録、今回からは〈トミー&タペンスシリーズ〉に入ります♪
第一回目はもちろん、長編小説『秘密機関』です。

主人公は、トミー・ベレズフォード と タペンス(プルーデンス)・カウリイ という男女です。
幼なじみだった二人ですが、偶然久しぶりに再開し
たまたまふたりとも失業中だったことから、【青年冒険家商会】という、物凄いネーミングの合弁事業を立ち上げることを決意するのです

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