見出し画像

2021.3月19日 名探偵ポアロ 戯曲・1『ブラック・コーヒー』 & ブラック・コースター

久々の、名探偵ポアロシリーズ読書記録です。
戯曲『ブラック・コーヒー』
以前に、この戯曲の小説版についての読書記録を投稿しました。(読書記録 長編・29)

クリスティ氏は、舞台演劇がお好きだったそうで、戯曲も多数手がけておられますね。
小説家としても劇作家としても、高く評価されていて、その作品が長きにわたり愛されているって、凄いことですよね!

画像2

【科学者クロード・エイモリー卿邸の金庫から極秘書類が盗まれるという事件が起きた。
エイモリー卿から依頼を受けた名探偵ポアロ氏が、この難題の解決に乗り出すのだが…】

ポアロ氏の友人ヘイスティングス大尉も登場するし、古典的なフーダニットですから、ポアロシリーズ好きな人にはたまらなく魅力的な作品であると思います。

元々、オリジナル戯曲として書かれたものですので。
デビッド・スーシェ氏主演の英国ドラマ版では、この『ブラック・コーヒー』は製作されていないようです。
映画化されたという話も聞いたことありませんし…。
この『ブラック・コーヒー』に関しては、あくまでも舞台で演る為の作品で
映像化は許可しない、という決まりがあるのかしら?
(私が知らないだけで、もしかしたら映像化作品も在るのかもしれません。)

画像3

個人的に、『ブラック・コーヒー』に登場する人物の中で興味をひかれたのが、クロード・エイモリー卿の妹 キャロライン・エイモリーです。

何と、キャロラインがおしゃべりしながら編み物をするシーンがあるのですよ🧶
せんさく好きで、編み物しながらあれこれ事件について語るなんて、まるでミス・マープルのよう!
『ブラック・コーヒー』が書かれたのは1930年。
ミス・マープル長編初登場作品である『牧師館の殺人』が刊行されたのも、1930年。
これは、きっと偶然ではないですよね。

クリスティ氏はその自伝の中で、ミス・マープルは『アクロイド殺し』の中のシェパード医師の姉キャロラインを母胎として生まれた構想かもしれないと、語っています。

そして、戯曲『ブラック・コーヒー』が誕生したのは、
『アクロイド殺し』を舞台化した『アリバイ』の内容に納得出来なかったクリスティ氏が
「それなら、わたしが書くわ」と、
みずからポアロものの戯曲を書くことを決意したからという経緯があったそうです。

シェパード医師の姉である老嬢キャロラインが、若くて魅力的な女性に変えられたことが、不満だったのだとか。
作者ご自身お気に入りのキャラだったのに、ショックだったのでしょうね。

これは、私の想像ですが。
『ブラック・コーヒー』は、その悔しさから
舞台劇でキャロライン・シェパードを復活させてやろうとの想いがあり、書かれた作品だと思うのです。
だから、『ブラック・コーヒー』のエイモリー卿の妹の名前は、キャロライン・エイモリーなのだろうと。

つまり。
キャロライン・エイモリーも、キャロライン・シェパードを母胎として生まれた登場人物であり
その点は、ミス・マープルと同じ。
ミス・マープルとキャロライン・エイモリーは、共通する部分の多い人物で、同じ根っこから派生したキャラクターなのだろうということです。

『ブラック・コーヒー』の探偵役は勿論ポアロ氏ですから、キャロラインが事件を解決する探偵として活躍することはありませんが。
ミス・マープルと共通する点の多い女性が、ポアロ氏と共演しているこの『ブラック・コーヒー』は、実現することのなかった夢の共演に、限りなく近いものを感じることが出来る作品であると思うのです。

ポアロ氏好きの方には、勿論。
ミス・マープル大好きな読者の方にも、ぜひ読んでいただきたい♡

まだまだ、語りたいことはたくさんあるのですが
あまりにも長くなるので、このあたりで。

先月発表された、SARD UNDERGROUNDの皆さまのオリジナル曲『ブラックコーヒー』。
とても爽やかで、素敵な曲&映像ですね♪

戯曲『ブラック・コーヒー』の読書記録を書こうと予定していたこのタイミングでの、偶然の同名楽曲発表!
もう、何だか運命的なものを感じてしまいましたわ☕️

ミステリ作品にハラハラドキドキした後は、優しい歌声と演奏、そして可愛らしいメンバーさん達のお姿に癒されましょう♡

本日の編み物作品は、ブラック・コーヒーならぬブラック・コースター

画像1

この読書記録のために、新たに編みました☕️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?